はじめに
IntraWeb は、Web サーバー アプリケーションの構築を簡略化するツールです。 IntraWeb を使用すれば、フォームを使用して、従来の GUI アプリケーションと同じ方法で Web サーバー アプリケーションを作成できます。 すべてのビジネス ロジックを Delphi 言語で記述できます。IntraWeb は必要に応じて自動的にプログラム要素をスクリプトまたは HTML に変換します。
IntraWeb は Professional Edition 以上の SKU にバンドルされている Atozed 製のツールです。
機能 | Personal | Standard | Ultimate |
---|---|---|---|
サービスとして動作 | × | 〇 | 〇 |
同時接続数制限 | 5 | - | - |
セッションタイムアウト制限 | あり | あり | なし |
Delphi の SKU によって、バンドルされている IntraWeb の SKU も異なります。Professional には IntraWeb Personal が、Enterprise 以上の SKU には IntraWeb Standard がバンドルされています。Ultimate は €399 くらいで購入できます。
IntraWeb は 10.4 Sydney 以降、Embarcadero 製品にバンドルされなくなりました。
Atozed からのダウンロード可能なバンドル版は 10.4 Sydney でも利用可能ですが、10.4 Sydney 用のライセンスを取得する方法がないため、評価版として動作するようです。
概要
何故アップデートするのか?
バンドルされているものが "かなり" 古いからです。例えば 10.2 Tokyo にバンドルされているのは IntraWeb XIV (14.0.0) ですが、この記事執筆時点 (2018/03/31) の IntraWeb XIV の最新版は 14.2.7 です。
バンドル版には様々なバグがあるのですが、何故エンバカさんがその時点の最新版をバンドルしないのか?...その理由は不明ですが、そういうものだと思っていれば精神衛生上よろしいかと思います。
なお、有償の製品版は 2024/07/01 時点で IntraWeb 15.x が最新版となっており、IntraWeb 17 がベータ版となっています。
アップデート手順
アップデートの手順は Atozed のサイトにも記述があるのですが、ちょっとわかりにくいので補足してみます。
ユーザー登録
まずはユーザー登録を行います。
1.http://app.atozed.com/ に行く
2.メールアドレスを入力する。
3.新規ユーザーの場合には [Next] をクリックする
4.ユーザー情報を入力する (住所氏名等は英語表記で)。
5.ユーザー登録される。Instant Login URL を控えておくといい。
6.Registered IDEs の [Edit] をクリック
7.持っている製品にすべてチェックを入れ [SAVE] ボタンを押す
8.続けて製品登録を行う。Products の [IntraWeb] をクリック
9.Free Licenses の [Request Bundled License] をクリック
10.Product / IDE / Version で手持ちの製品を選択する。
11.[download the utility] をクリックし、IDE ハッシュ文字列 ジェネレーター (IWKeyRequest.exe) をダウンロードする。アーカイバによっては何故か 0 バイトで解凍される事があるが、Windows 10 標準の機能で正しく解凍できる。
12.IWKeyRequest.exe を実行する。製品を選択し [Generate] ボタンを押すと IDE ハッシュ文字列が生成される。
13.生成された IDE ハッシュ文字列を先程のページの IDE Hash String に貼り付けて [Request] ボタンを押す。
14.これを 10. から持っている製品分繰り返す。
15."Instant Login URL" へアクセスし、Products の [IntraWeb] をクリック。
16.IntraWeb の [My Keys] をクリックする。
17.ライセンスキーが表示される。
ライセンスキーはメールでも届いている。
なお、Delphi 2007 は IntraWeb 9、Delphi 2009 / 2010 では IntraWeb 10 のライセンスが入手できますが、この際には IDE ハッシュ文字列の入力は不要です。
最新版の IntraWeb (VCL for the Web) をインストールする
1.ダウンロードページ から 最新版を DL する。バージョンによっては事前にアップデータや HotFix をインストールしておく必要がある。
2.ダウンロードしたインストーラを実行する。
3.途中でライセンスキーを要求されるので、とりあえず最新版 (10.2 Tokyo) のライセンスを入れる。
4.完了したら、二つともチェックを入れてそれぞれのツールを起動する。
IntraWeb Bundled Removal Tool (IWBundledRemovalTool.exe)
このツールは C:\Users\\<アカウント名>\AppData\Roaming\IntraWeb XIV\Tools\BundledRemoval
に格納されています。
このツールを使ってバンドル版を事前に削除しないと IDE の起動時にパッケージがカブるだけではなく、ライブラリがバッティングするため、パッケージだけ [コンポーネント | パッケージのインストール] で削除しても、プロジェクトをコンパイルするとエラーになってしまいます。
"Delete IntraWeb package..." のチェックボックスにはチェックを入れます。 チェックを入れないとバンドル版のライブラリのみ削除され、パッケージが残ったままとなり、IDE 起動時にエラーになります。
IntraWeb License Registration (LicenseRegistration.exe)
このツールは C:\Users\\<アカウント名>\AppData\Roaming\IntraWeb XIV\
に格納されています。
インストーラで入力できなかった最新版以外のライセンスはこのツールを使って登録します。
IDE の起動
IntraWeb 14 の最新バージョンが表示され、起動時にパッケージの重複エラーが出なければ OK です。
パッケージの重複エラーが出る場合には、エラーダイアログで [はい] を押して IDE をそのまま起動します。
IDE が起動したら [コンポーネント | パッケージのインストール] で、パッケージ (*.bpl) のパスが C:\Users<アカウント名>\AppData\… になっている方のパッケージにチェックを入れ、パッケージのパスが Delphi インストールパス以下になっているバンドル版のパッケージを [削除] ボタンで削除してください。
古い Delphi はバンドル版のパッケージ名が IntraWeb ではなく VCL for the Web になっているので探しにくいかもしれません。
サンプルアプリケーションでの確認
1.[ファイル | 新規作成 | その他...] で IntraWeb Application を選択
2.プロジェクトパスは適当に。
3.Unit1 のフォームデザイナに IW~ で始まるコンポーネントを貼り付ける。
4.コンパイルして実行。いつもの奴が出るのでアクセスを許可。
5.ちゃんとバージョンが最新版になっている。
6.IE のボタンを押すと...
7.IE で Web サーバーへアクセスできる。バンドル版だと IE11 でアクセスしようとするとエラーになると思う。
おわりに
こんな感じで最新版の IntraWeb がインストールできます。
IntraWeb は使用例や情報も少なく、込み入った実装になると WebBroker の方が潰しがきいたりもするのですが、ちょっとした連携ツールを作るのには便利な時もあります。
Delphi 10.2.3 では Professional 版のみでモバイル開発できるようになったので、スマホとの連携ツールを作るのに重宝するかもしれませんね。
See Also:
- IntraWeb (Atozed)
- IntraWeb (Facebook)
- IntraWeb(VCL for the Web)の利用:インデックス (DocWiki)
- Delphi+IntraWeb+FastReportによるWeb、モバイル、タブレットアプリ開発 1/2 (Youtube)
- Delphi+IntraWeb+FastReportによるWeb、モバイル、タブレットアプリ開発 2/2 (Youtube)
- Webアプリケーション開発の基礎 1/2 (Youtube)
- Webアプリケーション開発の基礎 2/2 (Youtube)
- IntraWeb (VCL for Web) でのWebサイト作成 (Delphi XE3) (NAVER まとめ)