はじめに
『Delphi 11 Alexandria 』 についての概要です。
概要
製品概要です。
項目 | 説明 |
---|---|
製品名 | Delphi 11 Alexandria |
コードネーム | Olympus (11.0) |
発売年 | 2021 |
発売元 | Embarcadero Technologies |
ビルドバージョン | 28.0 |
コンパイラバージョン | 35.0 |
BDS バージョン | 22.0 |
サポートプラットフォーム | Windows (32/64 bit) / macOS (Intel 64 bit) / macOS (ARM 64 bit) / iOS デバイス (64 bit) / iOS シミュレータ (64 bit) / Android (32/64 bit) / Linux (64 bit) |
前バージョンとの違い
- macOS ARM 64bit 用コンパイラ (
dccosxarm64.exe
) が追加された - iOSシミュレータ ARM 64bit 用コンパイラ (
dcciossimarm64.exe
) が追加された - Visual Studio Code で Delphi LSP を使うための機能拡張が用意された
- IDE が High DPI 対応になった
- IDE のパフォーマンスが向上した
- GetIt でローカルパッケージがインストールできるようになった
- アップデートサブスクリプションの残日数が IDE に表示されなくなった (起動時の通知はある)
- ウェルカムページが VCL アプリになった
- IBX に高速化が施されている
- 2 進数リテラルと区切り文字が実装された
var v := %0000_1010_0101_1111;
- VCL のデフォルトフォントが
Segoe UI
(9pt) になった -
TRichEdit
がラップしている RichEdit (Msftedit.dll
) が変更になった (Delphi 10.4 Sydney 以前はRiched20.dll
をラップしていた) -
System.Hash
で FNV-1a (THashFNV1a32
) がサポートされた -
TDateTime
にヘルパーが追加された (System.DateUtils.TDateTimeHelper
) - 『IDE Fix Pack』の一部の機能がマージされている (Release 1)
- WebBroker が Android で動作するようになった (Release 1)
- エディタタブの色分けや [×] ボタンの非表示ができるようになった
- CPU ビューが構文強調表示されるようになった (Release 2)
- Markdown エディタが内蔵された (Release 2)
- IDE から IE コンポーネントが削除された (Release 2)
- Android API Level 32 対応 (Release 2) 1
その他
- macOS 32bit 用コンパイラ (
dccosx.exe
) が廃止された - iOS シミュレータ 32bit 用コンパイラ (
dccios32.exe
) が廃止された - iOS デバイス 32bit 用コンパイラ (
dcciosarm.exe
) が廃止された - (デフォルトの状態で) 生成された実行形式バイナリが Windows XP で動作しなくなった
- DoubleBuffered が True だと Windows 11 で表示が崩れる事がある (Release 1 で解決)
- 日本語版の『Object Pascal Handbook 11 Alexandria Edition』が発売された
- 2021 年は『Windows 11』が発売された年です
おわりに
Microsoft に『Windows 10』のネーミングの件で騙されたので (?)、10.x というネーミングはやめて Windows 11 に合わせて 11 となりました。Apple も 2016 年の『10.12 Sierra』からは『OS X』ではなく『macOS』にしてましたしね。
DoubleBuffered
が True になっているフォームの表示が Windows 11 で崩れる問題は Windows 側のバグで KB5013943 にて修正されているのですが、Delphi 側でも Release 1 で修正が入りました。これ、バイナリしかないと困るんですよね。こちらでも書いた Windows 11 でボタンが透ける問題も地味に厄介です。
Markdown エディタが内蔵されたので、GitHub のドキュメントが書きやすくなりました。Discord の投稿の下書きにも使えます...もちろん、この Qiita の記事を書いてくれてもいいんですよ?
Object Pascal Handbook 11 Alexandria Edition
『Object Pascal Handbook 11 Alexandria Edition』も発売されています。英語版でよければ無償の PDF もあります。
See also:
- Delphi / C++Builder の新機能 (2007 以降) (Qiita)
- RAD Studio / Delphi / C++Builder 11 Alexandria スタートアップ FAQ (Qiita)
- DelphiLSP (Visual Studio Marketplace)
- Delphi LSP を Visual Studio Code から使う (Qiita)
- 【Delphi】IBX (InterBase Express) で Firebird を使う (Qiita)
- Delphi UCL の紹介 (Qiita)
- 【Delphi】GetIt パッケージをローカルインストールする (Qiita)
- Delphi で生成された EXE が動作する Windows のバージョン (Qiita)
- [Delphi][小ネタ] Delphi 11 Alexandria で誰も気づいていない FMX Constraints (Qiita: @pik)
- リッチ エディット コントロールについて (learn.microsoft.com)
- Object Pascal Handbook 11 Alexandria Edition 英語版 (Embarcadero)
- Object Pascal Handbook 11 Alexandria Edition 掲載のソースコード (GitHub)
- Windows 11環境でフォーム上のTButtonなどのコンポーネントの色が透過する (Support Wiki)
- RAD Studio 11.xでビルドしたEXEをWindows XP上で実行させると「有効な Win32 アプリケーションではありません」というエラーが発生する (Support Wiki)
- オフラインインストール用に登録コードを取得する(RAD Studio/Delphi/C++Builder XE6以降、InterBase XE7以降、ER/Studio 10以降)(Support Wiki)
- 手動アンインストール手順(RAD Studio 11)(Supprt Wiki)
索引
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2022 年 8 月 31 日以降、GooglePlay における新規アプリ登録は Android API Level 31 を対象とする必要がある。 ↩