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Raspberry Pi Desktop (Buster) を USB フラッシュドライブから起動して使う

Last updated at Posted at 2019-10-03

はじめに

Raspberry Pi Desktop という Debian をベースにした Linux ディストリビューションがありまして、これはラズベリーパイ財団からリリースされています。
image.png

PC および Mac で動作し、Live-DVD を作成したり、仮想マシンで実行したり、HDD へインストールする事も可能です。

この記事は Raspberry Pi DesktopUSB フラッシュドライブ (USB メモリ) にインストールしようというもので、過去に Stretch をインストールした記事の焼き直しです。

セットアップ

必要なもの

作業は Windows 10 上で行うものとします。インストールには 16GB 程の USB フラッシュドライブが必要です。Live-DVD で動作するくらいなので 8GB でも動くとは思いますが、アップデート等を行うとすぐに容量不足になってしまうと思います。

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Stretch をインストールした時のものをフォーマットして使います。

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ISO イメージのダウンロード

トレントが使えるのならトレントを使った方が早く DL できます。uTorrent Portable とかで DL するのをオススメします。

記事を書いた時点の最新版 ISO のファイル名は 2019-09-25-rpd-x86-buster.iso (Debian Buster) でした。

起動可能な USB フラッシュドライブを作成

Rufus を使ったやり方

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  1. 書き込み先の USB フラッシュドライブ を選択
  2. Raspberry Pi Desktop の ISO イメージを選択
  3. [保存領域のサイズ] のスライダーを目一杯右へ。
  4. [スタート] で書き込む

途中で以下のようなダイアログが出たら [はい] を押して進みます。
image.png
フォーマット確認画面も出ます。
image.png
※ 永続ストレージ (保存領域) の確保のトコだけは注意が必要です。

Etcher を使ったやり方

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  1. Raspberry Pi Desktop の ISO イメージを選択
  2. 書き込み先の USB フラッシュドライブ を選択
  3. [Flash!] で書き込む

※ 当方の環境だと Portable 版は DL も起動もやたら時間が掛かりました。実行中なのかわからないくらい待たされたので、タスクマネージャで確認しながらやりました。

その他の方法

その他の方法でイメージを書き込むと永続ストレージが正しく使えず、手動でパーティションを作成/調整する必要が出てくるかもしれません。

起動

UEFI / BIOS で USB フラッシュドライブから起動するように設定しておきます。USB フラッシュドライブを PC や Mac に挿して電源を入れると起動メニューが表示されます。

image.png
image.png

  • Run with persistence: [実行] 永続ストレージを保存に使う
  • Run and reset persistence: [実行] 永続ストレージを初期化して保存に使う
  • Run without persistence: [実行] 永続ストレージを使わない
  • Graphical install: [インストール] グラフィカル
  • Install: [インストール] テキストベース
  • Install with speech synthesis: [インストール] テキストベース + 音声読み上げ
  • Help: [ヘルプ]

〔Enter〕 キーを押すか、そのまま 10 秒待ちましょう。
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初回起動時はちょっと時間が掛かります。
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Raspberry Pi Desktop が起動しました。

設定

Raspberry Pi Desktop の各種設定はアプリケーションメニュー (ラズベリーアイコン) から [Preferences | Raspberry Pi Configuration]([設定 | Raspberry Pi の設定]) で行いますが、初回起動時にも設定画面が出てきます。
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  • Country: Japan
  • Language: Japanese
  • Timezone: Tokyo

パスワード設定

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初期パスワードである raspberry でいいのなら空欄のまま [Next] を押します。

無線 LAN 設定 (無線 LAN アダプタが有効の場合)

無線 LAN アダプタが有効の場合には追加の設定画面が出てきます。

Wi-Fi ネットワークの選択

接続する Wi-Fi ネットワークを選択します。
image.png
この手順をスキップするなら [Skip] を、設定を続けるなら [Next] を押します。

Wi-Fi パスワードの入力

Wi-Fi ネットワークへのパスワードを入力します。
image.png
この手順をスキップするなら [Skip] を、設定を続けるなら [Next] を押します。

ソフトウエアアップデート

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この手順をスキップするなら [Skip] を、アップデートを行うなら [Next] を押します。

完了

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設定を反映するために [Restart] を押して再起動する必要があります。

再起動すると...ちゃんと日本語化できました。Live-DVD からの起動とは異なり、ちゃんと設定は (永続ストレージに) 保存されます。
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再起動しても日本語化できない場合には永続ストレージが正しく作られていないと思われます。何度やっても設定の保存に失敗する場合は USB フラッシュドライブを初期化してからやり直してみてください。

システムのアップデート

apt-get updateapt のパッケージリストを更新しておきます。

$ sudo apt-get update

日本語フォントのインストール

とりあえず noto-cjk / IPA / IPA EX / takao が入っていればいいかと思います。

$ sudo apt-get install fonts-noto-cjk fonts-noto-cjk-extra fonts-ipafont fonts-ipaexfont fonts-takao 

UI のフォント変更

デスクトップの何もない所を右クリックし [デスクトップの設定] を選択 (またはアプリケーションメニューから [設定 | Appearance Settings] )。

[System] タブの [Font] を Noto Sans CJK に変更 (フォントの種類は任意です)。

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無線 LAN の国設定 (初回起動時に無線 LAN の設定を行っていない場合)

アプリケーションメニュー (ラズベリーアイコン) から [Preferences | Raspberry Pi Configuration]([設定 | Raspberry Pi の設定])を開き、[ローカライゼーション] タブの [無線 LAN の国設定] を設定します。

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  • Country: JP Japan

raspi-config からも設定できます。

$ sudo raspi-config

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Chromium (ブラウザ) の日本語化

Chromium を日本語化するには言語パックをインストールします。

$ sudo apt-get install chromium-l10n

image.png
検索エンジンが DuckDuckGo になっているので、Google にしておくといいでしょう。
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※ 事前に takao フォントがインストールされていないと永続ストレージが壊れるかもしれません。

LibreOffice (Office スイート) の日本語化

LibreOffice を日本語化するには言語パックをインストールします。

$ sudo apt-get install libreoffice-help-ja

image.png

Scratch 2 (プログラミング言語) の日本語化

Scratch 2 を日本語化するには、右上の地球アイコンをクリックし [日本語] または [にほんご] を選びます。
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IM (入力メソッド)

IM フレームワーク Fcitx と Google 日本語入力のオープンソース版である Mozc を導入します。

$ sudo apt-get install fcitx-mozc
$ sudo reboot

念のために再起動しておきます。再起動後は〔半角/全角〕または〔Ctrl〕+〔SPACE〕で IM をオンオフできるようになります。

ハードウェアクロックをローカルタイムに変更

運用的には Windows と Linux のデュアルブートという事になりますが、Raspberry Pi Desktop を終了して Windows を起動すると時刻が 9 時間ズレると思います。これを回避するには、ハードウェアクロックをローカルタイムとして設定します。

$ sudo hwclock --systohc --localtime

Windows 側の設定を変更する方法もあるのですが、Raspberry Pi Desktop が間借りしている状況なので Raspberry Pi Desktop 側で設定変更すべきだと思います。

リモートデスクトップ

Stretch には VNC がありましたが、Buster にはないようなので RDP サーバである xrdp をインストールします。

$ sudo apt-get install xrdp

Windows 10 から RDP 接続するとこのようなログイン画面が表示されますので、username / password を入力します。
image.png
ログイン後は普通のデスクトップです。
image.png

SSH

アプリケーションメニュー (ラズベリーアイコン) から [Preferences | Raspberry Pi Configuration]([設定 | Raspberry Pi の設定])を開き、[インターフェイス] タブで SSH を有効化できます。
image.png
raspi-config からも設定できます。

$ sudo raspi-config

image.png
ただこのまま PuTTY 等で接続しようとすると、

---------------------------
PuTTY Fatal Error
---------------------------
Disconnected: No supported authentication methods available (server sent: publickey)
---------------------------
OK
---------------------------

このようなエラーが出ます。これを回避するには /etc/ssh/sshd_config をいじります。

$ sudo nano /etc/ssh/sshd_config

PasswordAuthenticationyes に変更します。

PasswordAuthentication yes

書き換えたら sshd を再起動します。

$ sudo systemctl restart ssh

初期パスワードのままだと、Raspbian 起動時に警告が出るようになります。
image.png
ちょっとウザいです。

See also:

おわりに

日本語化の設定も Stretch に比べて簡単になっているようですね。

See also:

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