はじめに
AWS JAWS DAYS2025に参加してきました!初参加だったのでその記録を残します。
目次
AWS JAWS DAYSとは?
JAWS DAYS公式ページによると以下が記載されていました。
JAWS-UG(AWS User Group – Japan)は、日本全国に60以上の支部を持つ Amazon Web Services(以下AWS)のユーザーグループです。全国の各支部では、AWSに関する技術交流や人材交流が毎週のように行われ、AWSユーザーの技術力向上およびビジネスの拡大に寄与しています。JAWS DAYSは主催JAWS-UG、後援アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社で行われるJAWS-UG最大のイベントです。全国のJAWS-UGメンバーが中心となってイベントの企画、準備を行い、最新技術からビジネス、ライフスタイルなどAWSに関わる幅広いテーマでセッションが予定されています。
AWS初心者から上級者までのエンジニア、経営者や人事、マーケティング、エンタープライズからスタートアップ、中小企業など職種や業態・会社規模を問わず、たくさんの方に参加いただけるイベントです。
要約すると、全国のJAWS-UGが中心となって主催してくれるAWSのお祭りのようなものです。
今回私は体験型コンテンツ(GameDayやアーキテクチャ道場)に参加したく行ってきました!
申し込み・事前準備
今年は以下の時期感で募集が行われていました。
- 2024/12
- サポーター募集のお知らせ
- 2025/2上旬
- GameDayやアーキテクチャ道場などの体験型コンテンツの参加募集
- 2025/3/1
- JAWSDAYS2025開催
2/12に予約サイトを見た時は「余裕で申し込めるな〜」と思って吞気にしていたところ、次の日にサイトを見たら、なんとすでに満席に…。2/13時点でキャンセル待ち4人目になっていました。
無事イベントの5日前くらいに繰り上がりのメールが届いて参加できることになりましたが、2日前で一般参加者のキャンセル待ちの人数が40-50人ぐらい(記憶が曖昧でもっといたかもしれません)になっていたので早めに申し込みすることをおすすめします。特にGameDayは大人気なので、予約開始にアクセスしないと取れないかもしれません。(今年は取るぞーと思っていたのに大失念)
会場の様子
イベントは、サンシャインシティ展示ホールAで行われました。
会場までの道(サンシャインシティB1)にもこのような展示がありました。
入口には協賛や大きな看板が掲示してありました。
企業サポーターのブースは人でいっぱいでした。
当日の過ごし方
概要
- 9:45:受付
- 9:50-10:00:オープニング
- 10:00-10:50:【KEY-1】Next-Generation Software Development
- 11:00-11:40:【D-1】AWS CDKの歴史と未来について語る会〜日本発のグローバルコントリビューション〜
- 11:40-12:00:ランチタイム
- 12:00-12:20:【D-2】Japan AWS Jr.Championsの活動を通して感じたこと
- 12:20-12:40:【C-4】AWSアカウントのセキュリティ自動化、どこまで進める?最適な設計と実践ポイント
- 12:40-13:00:【D-4】Amazon Bedrock を活用したセキュリティオペレーションの高度化 〜 生成AIによる迅速な脅威検知と対応 〜
- 13:00-13:55:充電タイム
- 14:00-15:10:【D-6】アーキテクチャ道場
- 15:10-15:30:【C-8】2024 Japan AWS Jr. Champions×AWS Academyによる学生向けイベント企画コミュニティを立ち上げた話
- 15:40-16:00:【C-9】ABWG2024採択者が語るエンジニアとしての自分自身の見つけ方〜発信して、つながって、世界を広げていく〜
- 16:10-17:00:【C-10】恒例!AWSエンジニアたちの怒涛のLT
- (17:20-19:30:懇親会(不参加))
詳細
受付
受付はチケットのQRコードを表示して済ませます。BuilderCardsのレアカードやシール、エコバッグ、ボトルケースをGetしてテンションが上がりました。
入場後は、カードの自分の名前を記載して首からぶら下げます。また名刺を出してトランシーバーと交換します。(名刺はなくても必要事項を記載すれば問題ありませんが、あった方が確実にスムーズなのでお忘れなく。)
【KEY-1】Next-Generation Software Development
オープニングが終わり、AWSのVP兼チーフエバンジェリストJeff Barr氏によるキーノート講演始まりました。またスペシャルゲストとして24年11月からAWSJプレジデントの白幡氏もご登壇されました。
Jeff氏のお話は、過去、現在、未来という観点で技術の進化についてされており、特に印象に残ったのは以下の3つです。
1. 過去に敬意を払い、未来に対してオープンであること、許容して適用、EarlyAdopterになる。それができると強みになる。
新しいことをすぐ試す人は、仕事で「次のプロジェクトで新しい技術を使うとしたら何がいい?」と問われる人になるし、実際Jeff氏はそうだったとお話しされていました。現代の技術は成熟しているが、そんな時代にも新しい技術が出てくるのでぜひこれは私生活に取り入れていきたいなと思いました。
2. より長い視点でソフトウェアの歴史を振り返ったとき、AIは、仕事奪うというものではない。アシスタントであって置き換えではない。
Jeff氏による過去の技術の進化についてのお話を一通り終えた後で、AIはこれまでのツールの進化同じように、ツールは人間をサポートするものであり、かつ人間がまだコントロールを握っているものと述べられていました。
ニュートンが「巨人の肩に乗る」と言っていたように、我々もそれに乗っかり、AIに対しても、リスペクトを払って便利なものだと言って使っていく必要があるとのことで、必要以上にAIを恐る必要はないと説いていたのが印象に残りました。
3. ハンズオンに勝るものなし。色んなコーディングアシスタントを使っていくべし。
最近のコーディングスタイルはAIに書かせることが増えてきており、自分で書くことは減ったが、その分コードを理解して監督することが重要になってきたとJeff氏は述べられていました。AmazonQデベロッパーで実際に提案してくれたコードも見せてくださりましたが、これだけでなく、たくさんのコーディングアシスタントを使って自分たちでツールを選択する力も身につけておくのが大事ということを再認識できました。
【D-1】AWS CDKの歴史と未来について語る会〜日本発のグローバルコントリビューション〜
個人的にCDKに興味があったのでこちらのセッションに足を運びました。
CDKのコントリビューターの方々によるCDKのマニアックなお話を対談形式で聞くことができました。
CDKは2018年6月からベータ版リリースされているということや、日本はCDKコントリビュート数世界No.4かつ、機能開発の30%ぐらいを開発しているということを今回初めて知りかなり驚きました。
また、以下のようなやりとりがパネラーの方々で行われていました。
Q1.コントリビュートを始めたきっかけ
元々OSSを個人で出していたからチャレンジしてみたいという方や、コンストラクタのライブラリを作っていて自分たちでメンテナンスするのが大変だったから公式に出してみようと始めた方や、育休きっかけなど、きっかけは三者三様でした。ですが皆さん共通して、自分の機能がブログ等で紹介されたら嬉しいと話されていました。
Q.どんな時、何時ぐらいにコントリビュートしているのか
こちらは結構共通して、義務感持たず気が向いた時に行なっている方が多かったです。また、AWSの新しいサービスがリリースされたときやもはや趣味なので気づいたら実装していたエピソードもあって面白かったです。
Q.大規模なコードベースを理解する方法
こちらの回答もかなり共通しており、大規模に見えるけど、実はワンパターンのものの集合体が多いとお話しされていました。読み解く時は、コンストラクタごとに気になるサービスから見たり、全部を見るんじゃなくて周辺コードを見たりすると良い(CDKに限った話ではない)とのことでした。また、最近はLLM使って図解させるとかできるのではないかというお話しもされていました。
Q.コントリビュートで印象に残った思い出
Node18のアップデートによる変更のお話や、大規模なカスタムリソースのコントリビュートでレビューを待たされてしまったお話が出て、圧倒されました。また、RDSのクラスタにリミットレスDBが設定できるようになったのでそれを追加したというエピソードで、スケーラビリティのタイポをしてしまったが、一度提供したものは戻さないというポリシーのためそのままというお話もありました。笑
Q.開発環境どう用意しているのか
こちらはローカル環境派が多かったです。
・Macでローカル環境立ち上げている。VSCodeを使っている
・DockerファイルとかDevコンテナを用意して、最近はEC2(Graviton系使ってたが、インテグレーションテストがArm系前提になってた。そのタイミングからC系のインスタンスに変更した。2xlargeとかで行けてるぽい)のセッションマネージャー使ってる。リモートコンテナでつないでる。けど最近AI使うってなったらリモート上にあるのがネックになってる。コマンド実行するってなったら手間がかかる
・Gitpotとかでも開発できるらしい、ビルドが遅い
ランチタイム
お昼は和食のノーマルのお弁当の他に中華弁当、洋食弁当、サンドイッチなど色んな種類が選べました。次のセッションの席に座って食べたり講演中に食べたりする方もちらほらいました。
【D-2】Japan AWS Jr.Championsの活動を通して感じたこと
Jr.Chamipoinsの活動に興味があったのでこちらのセッションにも参加しました。登壇されていたお二人はどちらもAllCertsの方でした。
活動内容としては、ほぼ3日に1回イベントをしたり、アドベントカレンダーを出したり、ウェビナーとか、技術書展の出版をしたり、専門学校様向けに特別講義を実施したりと様々でした。
今後目指す姿として若手で会社を底上げしたいとお話しされていました。
同じ若手として頑張らなくてはと思うような、モチベーションが上がったセッションでした。
【C-4】AWSアカウントのセキュリティ自動化、どこまで進める?最適な設計と実践ポイント
セキュリティ運用の自動化についての設計と実践ポイントについて詳細にお話ししてくださったセッションでした。
FW系リソースの自動更新について、AWSサービスのみで作成する完全自動化パターンだけでなく、チャットツールを起点とした自動化パターンのお話もされていました。
また、GuradDuty Malware Protection for S3を最大限活用するための自動化についてもConfigを使った方法の紹介がありました。Configはリソースタイプを記録するたびに料金が発生する=リソースの変更があるたびかかるので、運用に合わせた方法で継続的な記録or日次記録orハイブリッドを採用するとよいとのことでした。
後日資料も公開されていたので気になる方は以下からご覧いただけます。
【D-4】Amazon Bedrock を活用したセキュリティオペレーションの高度化 〜 生成AIによる迅速な脅威検知と対応 〜
こちらのセッションでは、セキュリティツールの発報と対応をBedrockに行わせ、その検知の精度を上げるためにどうしていったかという内容のものでした。
初めの段階では、非構造化データを扱っていることや、情報不足、多数の情報源ということもあり、「この検出が正当なものか分析してね」というレベルの回答しかこなかったものを、LangChainフレームワークを用いたり、生成AIによる能動的な情報収集の強化をしたりすることで、こうした理由から最終的には誤報である可能性が高いです、というところまで出るようになり驚きました。
充電タイム
スペックの低いPCとスマホを使っているので、午前中ですでに充電が切れそうに。
ありがたいことに会場に充電スペースがあったので1時間ほど充電させていただきました。
スペース自体は混んでいなかったのでいつでも充電できると思います。
【D-6】アーキテクチャ道場
こちらは当日キャンセル待ちが繰り上がって急遽参加できることになりました!
個人的に1番楽しいかったセッションだったため、詳しいレポートは別記事として後日出そうと思います。
【2025/3/8追記】
アーキテクチャ道場についての記事を書いたのでよろしければご覧ください!
【C-8】2024 Japan AWS Jr. Champions×AWS Academyによる学生向けイベント企画
直前までアーキテクチャ道場に参加していたため、途中から参加しました。
学生向けイベント企画では以下をメインに行ったとお話しされていました。
- 学校様とのMTG
- 発表資料&でも素材の作成
- 登壇
- AWSの概要
- AWSのライブデモ
- エンジニアのキャリア
ライブデモでは、簡単にAWSが作れるよというのを見せたとのことでした。
また、Jr.Chamipoinsの任期は1年だけど、学生向けのコミュニティ今後も続けたいとのことで、今年Jr.Chamiponsに選ばれたらこのコミュニティに参加したい!と新たな目標ができました。
【C-9】ABWG2024採択者が語るエンジニアとしての自分自身の見つけ方〜発信して、つながって、世界を広げていく〜
登壇者の方は、エンジニア歴2年目の方で、2024年のre:InventにABWGプログラムで参加されたとお話しされていました。
ABWGプログラムを私自身知らなかったためとても勉強になりました。
ABWGに選ばれる人になるには、「選ばれないと思いこまない」「実績を作る」の2つが大事だとお話しされていて、10ヶ月でAWS12冠し、エンジニアのコミュニティに参加して、月1回の登壇やブログ61記事を書いて発信、さらにイベント参加後は社内向けにアウトプットを欠かさずしていたとのことで驚きました。
【C-10】恒例!AWSエンジニアたちの怒涛のLT
最後にLTのセッションに参加しました。以下は16LTのざっくりとした内容です。
どのLTもとても面白く勉強になりました。
- AWSグローバルインストラクチャあるある
- AZも複数のデータセンターでできている、同じリージョンのAZ間は特に意識することなく通信できる
- 西日本からAWSクラウドを繋ぐときの話
- PoPとDX(DirectConnectの話)。DXロケーションは日本に7つある。大阪市に12月13日にDXロケーションが開設された。
- 今までは大阪につなげるとき東京から戻ってくる必要があった
- TLS相互認証の問題を解決した話
- albにはTLSによる相互認証の機能がある
- 現状Webサイトに証明書のポップアップが出てしまっていた。制限はALBが対応してない、ブラウザの種類によって変わる
- ALBの代わりにNLBを使ってバックエンドのWebサーバー側で対処した
- 数日違いでALBだけで対応できるようになった
- MWAA(Apache Airflow)
- タスクがエラーとなった原因と解決策を知りたい
- INFOレベルで出力するとタスクの中身が追いやすい
- タスクがエラーとなった原因と解決策を知りたい
- Icebergを操ろう
- Iceberg:データレイクのための次世代テーブルフォーマット
- PyIceberg、Pythonから実行できる
- アクセス元は何でもOK
- pip install pyicebergをして触ってみよう
- SMS送信には気を付けて
- SMS Pumping攻撃とは?
- Premium-rate telephone numberと呼ばれる番号あてにSMSを送って攻撃
- SMS Pumping攻撃とは?
- 公式ドキュメントの「トラブルシューティング」ページを追加した話
- 日本だけでなく、世界のAWS開発者がケースを作成しなくても問題の解決ができる
- 1clickでリージョンをサクッと変えられる?
- ボタンでできてしまう
- Bedrockでプロンプトを関西弁にカスタマイズしてみた
- 生成AIの回答をカスタマイズするには?⇨「プロンプトエンジニアリング」
- あなたは誰ですか、どんなことができますか?
- システムプロンプトのTipsと一例
- Bedrockで音楽を作れるのか?
- 作詞、作曲⇒編曲・プログラミングの部分を生成AIで作る
- text-to-MiDi
- Nova Canvasで画像生成
- Amazon NovaのCanvas
- とても簡単にできる。日本語を英語に変換して指示するだけ
- JAWSなAnswerのライブデモ
- ラインで自分たちの好きなサメの画像を生成してくれるアプリのライブデモ
- 開発エージェント
- 既存のソースを理解し、図解して説明できたり、最新情報を検索したり、できたらよい
- AWSの構成図生成とかもできる
- Bedrock Engineerで検索
- ナメック語を理解していないSAは願いをかなえることができるのか
- ナメック語の取得が必要、モデルが足りない
- TranslateにないからNovaPro使った、似せようと思ってもコンプラ違反になる笑
- StepFunctionsをCDKで書こう
- JSONataのおかげで変数が使えるようになった
- CDKだとQdeveloperがセキュリティスキャンしてくれる
- AppSyncEventsでアプリ作った
- Websocketを簡単に作れるもの、パブリッシュ/サブスクライブモデル
やっておくべきこと・持っておくべきもの
やっておくべきこと
個人的には以下の3つをおすすめします。
- 出たいセッション(体験型)があれば予約開始日時を見て見張っておく
- タイムテーブルを事前に見ておき、どこを見たいかあらかじめ出しておく
- アーキテクチャ道場に参加するのであれば事前説明会に参加しておく
1.に関して、GameDayやBuilderCards大会、アーキテクチャ道場に参加したい方は事前に予約開始日時を見ておくことをおすすめします。GameDayは秒で埋まると思うので特に見張っておくのが良いと思います。
2.については、セッション間の移動時間がほぼなく詰め詰めになっているので、事前にどのセッションに参加しようか考えておく方が、当日移動しやすいと思います。
3.はアーキテクチャ道場に参加しようと考えている方限定ですが、事前説明会が2週間前ぐらいに開かれていたのを知らず、当日の直前になって慌てて資料を読む羽目になってしまったので、(アーキテクチャ道場に限らずですが)体験型コンテンツに参加される方は要項をよく読んでおくことをおすすめします。
持っておくべきもの
持っておくべきものはSummitに参加したときと変わらず以下でした。
- 名刺
- PC・スマホ
- 充電器(PC・スマホともに)
特にPC・スマホは充電が持つタイプだとなおよいです。(Summitと違い、いろんなところに充電エリアがあるわけではない&充電する時間があまりないので)
おわりに
今回初参加&1人での参戦だったので多少不安もありましたが、それを大きく上回るほど楽しいイベントだったし、良い経験になりました。AWSが好きな人たちの集まりということもあり、サポーターたちや参加者のAWSへの熱量を感じられたし、個人的にAWSに対するモチベーションがぐんと上がりました。イベント終了後には懇親会が開かれましたが、残念ながら今回は予定があり見送ってしまったので、次回は絶対に参加したいです!
最後までご覧いただきありがとうございました。