とあるイベントエントリーに関する新規機能の開発をAI-DLCで行いました!
この記事では、そのときの開発の流れと、実際にやってみて感じたよかった点・改善点・感想をまとめています。ぜひ読んでいただけたら嬉しいです🫶
AI-DLC(AI-Driven Development Lifecycle) とは?
AI-DLCとは、ソフトウェア開発のすべての工程(計画・設計・実装・テスト・運用)を、AI を中心に進める新しい開発プロセス のことです。
従来は開発者が中心となって作業し、AI は一部を補助する立場でしたが、
AI-DLC では AI が主要な作業(要件整理・設計・コード生成・テスト作成など)を担当し、
人間は判断・レビュー・方向づけに集中する という役割分担になります。
今回の開発でAI-DLCを選んだ理由
AWSさんのAI-DLC 研修を受けて、「AI を活用するにはとても良い開発スタイルだな」と感じたのがきっかけです。
研修には業務エキスパートの方も参加いただき、ご要望を聞きながら設計を一緒に進めていく体験がとても新鮮でした。
チームで議論しながら進めること自体も楽しく、実務で使ってみたいという気持ちになりました。
(また、研修中に動くものが作りきれなかったので、悔しい気持ちもありました…!!)
さらに、AI-DLCの研修に参加したいけど参加できなかったメンバーがいたので、そのメンバーに持ち帰って伝えたかったという思いもあり、AI-DLCで開発をすることにしました!
開発する機能
詳細はお話しできないのですが、ざっくりいうと シンプルなイベントエントリーに関する登録・閲覧機能を開発しました。
・イベント情報閲覧
・事前エントリー
・本エントリー
・エントリー詳細情報登録
細かい仕様がちょこちょこあるのですが、大枠としては上記のような構成です。
開発の流れ
1. 開発依頼書の読み合わせ
開発依頼書をいただいたので、内容を読んで認識合わせしました。
ここはAIを使わず、人同士でのコミュニケーション中心です。
2. ユーザーストーリの作成
1の内容をもとに、「誰が」「なぜ」「何を」したいのかを整理しました。
MiroにClaude Codeの出力結果を貼り、チームで添削を行いました。
このステップでは Claude Code を活用しました。
3. ユニット分け
2で整理した内容を、作業単位に分割しました。
今回は3チーム体制だったので、3つのユニットに分けています。
ここでも Claude Code を活用しました。
4. 開発
3で自分が担当することになった機能を実装しました。
ここもClaude Code と一緒に進めました。
5. テスト
可能なところはClaude Codeにテストを書かせたり動かしたりしてもらい、最終的なチェックは人の目で確認しました。
※ 本来であればリリースまで含めたかったのですが、今回は テスト完了までを対象としました。
2~4はClaude Codeをバンバン活用して進めました。
1~3までにかかった時間は6時間、
4の自分の担当機能開発にかかった時間は8時間程でした。
4の開発はほかの作業と並行しながら進めての時間で、従来どおりの開発であればトータル24時間程度はかかっていたかなという感覚です。
(実際に実行したプロンプトや、Claude Codeが出力した結果を添付したかったのですが、お話できない情報が多く含まれていたので割愛します🙇♀️スミマセン)
よかった点
コミュニケーションをとりながら開発を進められる
認識合わせをしながら設計を進められるので、とてもやりやすかったです。
言葉の解釈のズレにも早い段階で気づくことができました。
設計の時間自体がコミュニケーションの場になるので、今回のプロジェクトの背景や目的も、これまでよりメンバーに伝わりやすく、理解してもらえた感覚があります。
開発があっという間に終わる
事前にしっかり設計の認識合わせをしていたことと、さらに似たような機能が既にあったこともあり、Claude Codeが目的のものをかなりのスピードで作ってくれました。
もちろんバグはありましたが、「この関数が動いていないので直してください」といった指示をClaude Codeに出すとかなり高い精度で修正してくれました。
改善点
ユニット分けしたコードをマージするのが大変だった
共通部品が多い機能だったため、各ユニットで Claude Code が似たような処理をそれぞれに作ってしまう場面がありました。
その結果「この処理はどっちを採用しよう…?」と迷いながらマージすることになり、マージに意外と時間がかかりました。
ユニット分けの設計をもっと丁寧にしておけば、マージのストレスは減らせたかもしれないと感じています。
今回の規模ならユニット分けしなくてもよかったかも
開発自体が思っていたよりスムーズに終わったので、今回の規模であれば、開発は 1 人担当でもよかったかもしれないと感じました。
今までの開発との違い
設計フェーズにはかなりのエネルギーを使う
設計フェーズではClaude Codeから大量の質問が飛んでくるので、それに答えまくる作業が続き本当にエネルギーを使います😭
さらに、出来上がったものの内容が本当にあっているかチームで読み合わせて判断し、間違っていたら修正を依頼します。読む量がかなり多いので、ここは正直疲れます😭
この段階は「開発の設計書を作るフェーズ」なので、ここで怠けて適当なことを言ったり流したりすると、思ったものと違うものができてしまう可能性があります。
後で修正するのはやり直しになって大変なので、チームで励まし合い雑談や休憩も挟みながらでも着実に進められると、後々が楽になると感じました!!
感想
AI-DLCは「AIが勝手に全部やってくれて楽になる」というわけではなく、
「チームメンバーとAIと一緒にガンガン会話しながら、一気に形にしていく」に近いと感じました。
設計フェーズではかなりのエネルギーを使うので大変さもありますが、
チームで会話しながら進めるのが好きな方や、本格的にAIで開発していきたい方には、かなり相性がいいのではと感じました。私はまたAI-DLCで開発したいなと思っています。