授業用テキストです。
Pythonを実行する環境及び
Pythonのコーディングを行える環境(VSCode)を説明します。
Windowsをベースに説明を行います。
Pythonのインストール
まずはPythonの実行環境をインストールします。
「Python」とだけ呼ぶと混乱するので明確に分けると、「Pythonのソースコード」と「Pythonの実行環境」があります。
Pythonのソースコードはいわゆるプログラムが書かれたファイルで、これからあなたが作っていくファイルです。
しかしソースコードはただのテキストですので、それだけでは何もできません。このソースコードを動かす環境が必要です。それが「Pythonの実行環境」です。
ダウンロード
https://python.orgにアクセスするか
「Python」で検索し公式ホームページに移動してください。
「Download」を押すとアクセスしたPCにあったダウンロードが表示されると思います
今回はWindwosPCでアクセスしているので「Download for Windows」が表示されていますので、このPythonをダウンロードします。
インストール
ダウンロードしたインストーラーを起動し
「Add python.exe to PATH」にチェックを入れ、「Install Now」を選択しインストールをしてください。
その後の選択肢はすべて「Next」で大丈夫です。
実行できるか試してみる
Windowsボタンを押し、テキストボックスに「コマンド」と打ってください。
候補に「コマンドプロンプト」が出てくると思いますので選択します。
真っ黒な画面が出てくると思いますのでPython
と入力します
以下のようにいろいろな文章の後に>>>
と表示されればPythonのインストールに成功しています。
ためしに3+5
と入力してEnterを押してみましょう。
8と表示されれば成功です。
VS Codeのインストール
ソースコード/プログラムを書くにはテキストエディタが必要です。
テキストエディタとは文字通りテキスト書くためのツールですが、Microsoft Wordのような書式や装飾があるようなツールは「ワープロツール」でありプログラミングはできません。
「メモ帳」「Notepad」のようなプレーンなテキストが書けるツールである必要があります。
中でもプログラミングに特化したテキストエディタがIDE(統合開発環境)等と呼ばれています。
IDEツールの中でVisual Studio Code(VS Code)は無料であり、またPython以外の言語汎用的に様々な言語に使え、拡張機能も多く対応しているので初心者から上級者まで使用できます。
VS Codeのダウンロード
https://code.visualstudio.com/
にアクセスするか、検索でVSCodeと入れてください。
(検索した場合MicrosoftのページとVisual Studioの公式ページ二つがトップ1,2に出ますがどちらでも構いません。以下はVisual Studioの公式ページです。)
あなたのPC環境に合わせたインストーラーが表示されていますので(以下はWindowsPCからなのでDownload For Windows)Downloadをしてください。
インストール
色々な画面が出ますが以下画面以外は「次へ」を押し続けてください。
以下の画面が出た時は図の通りチェックをつけてから次へを押しましょう。
Python用の設定
VSCodeを起動してみましょう。
まず作業用のフォルダを作成してください。好きなフォルダ名で大丈夫です。
フォルダを作ったらフォルダの中で「Shiftを押しながら右クリック」をすると「Codeで開く」というメニューが現れていると思いますのでこちらを選択してください。
※インストールの際に「エクスプローラーのディレクトリコンテキストメニューにアクションを追加する」チェックをつけ忘れた場合は表示されてなくなってしまいます。その場合はWindowsマークから「VSCode」と入力して開くようにしてください。再度インストールしなおしてもよいです。
左端に田のようなアイコンがあるのでこれを押してください。
その後テキストボックス欄に「Python」と入力してください。
一番上のPythonを選択しInstallを押してください。
Pythonを動かす
ソースコードを実際に書いてみる
Installが終わったら実際にPythonのソースコードを書いて実行してみましょう。
「File」から「New File」を選択
文字入力ができる状態になります。これでPythonのソースコードを書き始められる状態です。
print("はじめてのPython")
と入力してみましょう。
入力が終わったらCtrl+S
を押すか右上のFile→Saveを押しファイルを保存してください。
ファイル名は最後に.py
をつける必要があります。(拡張子)
ここではtest.py
という名前にしました。
Pythonを実行する
コマンドプロンプトで実行する方法とVSCode内で実行する方法があります。
コマンドプロンプトから実行する
先ほどと同じようにwindowsマークからコマンドプロンプトを起動し
cd 作業フォルダまでのパス
と入力します。私の場合はデスクトップの「Test」というフォルダを作ったので以下のような形です。
cd
はフォルダを移動するためのコマンドです。
コマンドプロンプトの表示が作業フォルダ名になったら、
python Pythonのファイル名
と入力します。
私の場合はtest.py
としたので以下です。
「はじめてのPython」と表示されたら成功です!
VS Code上で実行する
VS Codeで実行する場合は上部にあるメニューから「Run」→「Start Debugging」を選びます。
以下のような画面が出てきた場合は「Python Debugger」を選びます。
仮想環境を作る
この章は「ライブラリ」という概念を覚えたら戻ってきてください。
ライブラリを使用しない場合は関係のない機能になります。
Pythonは様々なライブラリをインストールして使用することができますが、むやみにインストールすると目的ごとに使用ライブラリが競合してしまう可能性があります。
たとえば、アプリAというプログラムを作っているときにライブラリXのバージョン10がインストールしたとします。その後アプリBを作ったときにライブラリXのバージョン11をインストールしてしまうと、アプリAの動作に影響が出てしまうことになります。
アプリAとアプリBそれぞれの動作環境を混在しないようにできるのが「仮想環境」になります。
仮想環境の作成
作業フォルダで以下コマンドを実行します。
python -m venv .venv
※最後の.venv
は任意のフォルダ名でもよいのですが、.venv
とすることでVSCodeが自動的に仮想環境であると判断してくれます。
しばらくたって.venvというフォルダが作成されていれば成功です。
仮想環境の起動
コマンドプロンプトの場合
作業フォルダで.\.venv\Scripts\activate
と入力します。(Mac/Linux系はsource ./.venv/bin/activate
)
VSCodeの場合
仮想環境フォルダ名が.env
になっていれば基本的に自動的に仮想環境になっているはずです。
一応、確認方法と切り替え方法を説明します。
画面右下に3.13.xxx
などと表示されている部分があると思いますのでそこを押します。
上部にこのような表示がされるはずです。
先ほど作成した(.venv).\venv\Scripts\python.exe
の方が選択されていれば大丈夫です。
Globalの方が選択されてしまっている場合は、.venvの方を選択しましょう。
ライブラリのインストール
仮想環境に入った状態で
pip install ライブラリ名
を行えばよいです。
これで全体の環境には入らず、仮想環境のみにインストールされます。
ただ、これだと後で何をインストールしたかわからなくなってしまいますので、もう一つ方法を紹介します。
requirements.txtというファイル名でテキストファイルを作成します。
そこにインストールしたいライブラリ名を列挙していきます。
その後、以下のコマンドを実行することでテキストファイルに記載されたライブラリをインストールすることができます。
pip install -r requirements.txt
テキストファイルでインストールするライブラリを管理しておくことで、別のPCなどで再度同様の環境を作りたい場合に容易に再現できます。