はじめに
IBM Cloud Pak for Data (以下 CP4D) は、様々なデータソースに接続して、データを取り込む事ができます。
今回は Box に接続するための「Box 接続」を構成する手順について ご紹介します。
参照マニュアル
前提条件
Box への接続を作成する前に、Box Developer Console でカスタム・アプリを作成する必要がありますので、まず Box カスタム・アプリを作成する手順について ご紹介します。
1.Box 開発者コンソールにアクセスします。
2.Platformアプリの作成 → カスタムアプリ で下記の項目を入力して「アプリの作成」を押します。
- アプリ名
- 説明 (省略可)
- 目的 (リストから選択)
- カテゴリ (リストから選択。複数選択可)
- 統合する外部システム ( watsonx.data 等 システム名)
- アプリケーションの作成者 (リストから選択。省略可)
- 認証方法 ("サーバー認証 (JWT使用)" を選択)
次にアプリの設定を入力します。
「一般設定」タブ
- アプリの説明 (省略可)
「構成」タブ
- クライアントID:(自動生成される)
- クライアントシークレット:(自動生成される)
- アクセスレベル:(以下のどちらかを選択)
- アプリアクセスのみ (ユーザーがファイルを共有する場合のみの場合に選択)
- アプリ+Enterpriseアクセス (全てのユーザーが Enterprise-wide でアクセスする場合に選択
- アプリケーションスコープ:
- 「Boxに格納されているすべてのファイルとフォルダへの書き込み」を追加でチェック
- 公開キーの追加と管理:
「公開/秘密キーペアを生成」を選択して、構成情報が全て含まれるJSONファイルをローカルに保存します
「承認」タブ
Enterpriseへのアクセス権限に対する承認を得るためにアプリを送信します。 (「確認して送信」を押す)
Box の管理者が承認してからカスタムアプリは使用可能になります。
アプリが承認されると「サービス・アカウント」が自動的に生成され、
「一般設定」のタブの一番したに表示されます。
CP4Dのアプリケーションがアクセスする Box フォルダーに、この「サービス・アカウント」をコラボレーターとして登録しておく必要があります。
アプリケーションが Box のフォルダーをアクセスする時に、「サービス・アカウント」を経由してアクセスされます。
以上で、前提条件の Box カスタム・アプリの作成は完了です。
CP4D から Box に接続するための「接続」の作成
今回は CP4D バージョン 5.2.1上で Box への「接続」を作成しています。
構成手順
- CP4Dコンソールのナビゲーション・メニューから「プロジェクト」→「全てのプロジェクト」→ 作成済みのプロジェクトを選択するか「新規プロジェクト」でプロジェクトを作成します。
- 「資産」タブで「新規資産」→「データ・ソースへの接続」→「Box」を選択して「次へ」
- 「接続の概要」に下記を入力します。必要な情報は全て Box カスタム・アプリの作成の過程でダウンロードした「構成情報のJSONファイル」に含まれています。
- 名前:(必須)
- 資格情報設定:「個人」又は「共有」
- 入力メソッド:資格情報を手動で入力する」又は「ボールトからの秘密を使用する」
- ユーザー名:
- アプリアクセスのみの場合は入力しないでください。入力するとBox への接続に失敗します。
- Enterprise-wide アクセスの場合、ユーザー名かBox ユーザー・アカウントを入力します。
- クライアント ID (必須):自動生成されたクライアントIDを入力します。
- クライアント・シークレット (必須): 自動生成されたクライアントIDを入力します。
- エンタープライズ ID (必須) : 自動生成されたエンタープライズ ID を入力します。
- プライベート・キー (必須):ダウンロードした構成情報のJSONファイルの"privateKey"の内容を貼り付けます。'\n' を全て改行に置き換える必要があります。
- 秘密鍵パスワード:構成情報のJSONファイルの "passphrase" を入力します。
- 公開鍵 (必須):構成情報のJSONファイルの "publicKeyID" を入力します。
- API 呼び出しによって取得された機密資格情報をマスクする:デフォルトのオフのままで良い。
必要事項を全て入力したら「接続のテスト」で接続できる事を確認して「保存」します。
以上で CP4D から Box に接続するための「接続」の作成は完了です。
以下はCP4Dのプロジェクトに Box上のファイルを資産としてインポートする例となります。
以上で CP4Dから Box に接続するための「接続」を構成する手順についての紹介を終わります。