はじめに
最近の開発では、エディタ・統合開発環境としてVisual Studio Code(VSCode)を利用する機会が多いと思います。VSCodeでは「エクステンション」という仕組みにより、標準機能に加えて、個人・組織で開発された拡張機能を追加することが可能です。
AWSでは、「AWS Toolkit for Visual Studio Code」というエクステンションが公式に提供されています。「AWS Toolkit for Visual Studio Code」では、Lambdaのローカル実行や、S3へのファイルのアップロード・ダウンロードなどが可能になっています。
IBM CloudでもVSCodeのエクステンションが提供されていますので、それらを調査してみました。
(先に結論を申し上げると、残念ながらあまり有用なエクステンションは発見できませんでした)
IBM Cloud Accountエクステンション
「IBM Cloud Account」は、IBM Cloudにアクセスする他のVSCodeエクステンションのために、IBM Cloudの認証機能を提供するエクステンションになります。これ単体では特に意味をなすものではなく、他のエクステンションが IBM Cloud Account を利用するという関係性になります。
IBM Cloud Accountでは、ログイン、ログアウト、アカウントの作成、アカウントの選択という機能が提供されます。
エクステンションの導入は、VSCodeのエクステンションの検索画面で「IBM Cloud Account」で検索して導入します。
導入後、コマンドパレットを開き(WindowsではCtrl+Shift+P、MacではCmd+Shift+P)、「IBM Cloud: Log in」を選択することで、IBM Cloudにログインできます。
ログインは、ユーザ名・パスワード、APIキーなどの方式で実施できます。
IBM Developer Extension for VSCodeエクステンション
「IBM Developer Extension for VSCode」は、VSCodeのコマンドパレットからIBM CloudのCLIを実行するためのエクステンションです。以下が公式ページになります。
ただ、開発はあまり活発ではないようで、GitHubの履歴を見ても2018年6月が直近のcommitになります。
また、IBM Cloudのドキュメントでは「ibmcloud」コマンドが使用可能と記載されていますが、GitHub上のエクステンションリポジトリでは「bx」コマンドのままとなっており、ドキュメント上の齟齬もあります。
エクステンションの導入は、VSCodeのエクステンションの検索画面で「IBM Developer Tools」で検索して導入します(ややこしいですが、MicrosoftのMarketplaceに登録されている登録名は「IBM Developer Tools」になります)。
エクステンションを導入した後、コマンドパレットを開き、「bx」と入力することで、各種のbxコマンドが表示され、その中から選択して実行することができます。
コマンドを選択すると、VSCodeのターミナルに移り、選択したコマンドが実行されます。
IBM Cloudに特化したエクステンションは、上記以外には特に見つからないという結果になりました。IBM CloudとVSCodeの連携がもっと進み、便利なエクステンションが追加されるとよいなと思います。