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イントロ
「GitHub Copilotを使ってるけど、タブ補完しか使ってない...」
「もっと効率的な使い方があるんじゃないか?」
そんな風に感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、GitHub Copilotにはコード補完以外にも便利な機能がたくさん隠れています。私も最初は基本的な使い方しか知りませんでしたが、いろいろ試してみると開発効率が劇的に向上しました。
この記事では、現場で本当に差がつく4つのTipsを実体験ベースで紹介します。明日からすぐに使える内容ばかりなので、ぜひ試してみてください!
1. 基本操作・ショートカット集
① Ctrl + I
- インライン編集
マウスでチャットを開く必要がなく、コーディング中の集中が切れない。カーソル位置で直接質問や編集指示ができます。
② Ctrl + Shift + I
- チャット呼び出し
サイドバーのチャットを瞬時に開く。複雑な質問や相談はこちらが便利です。
③ 提案の操作
-
Tab
- 提案を受け入れ -
Shift + Tab
- 提案を部分的に受け入れ(行単位) -
Esc
- 提案をキャンセル -
Ctrl + →
- ワード単位で受け入れ
④ Alt + ]
/ Alt + [
- 提案を切り替え
複数の提案がある時に便利。気に入った提案が見つかるまで回せます。
2. コンテキスト設定のコツ
チャットモードの精度を高めるには、適切な「コンテキスト」をCopilotに伝えることが非常に重要になります。
そもそも「コンテキスト」とは?
コンテキスト = GitHub Copilotが参考にする情報のことです。
Copilotは魔法ではありません。あなたが今何をしているか、どんなプロジェクトで作業しているかを周辺情報から推測して回答します。この周辺情報がコンテキストです。
特に設定を行わなければ、現在開いているファイルがコンテキストとして設定されます(下部赤枠で囲んでいるように目のアイコンが出ています)。目のアイコンをクリックすることで、このファイルをコンテキストに含めないということもできます。
効率的なコンテキスト設定方法
@記号を使ったコンテキスト指定により、より正確な回答が期待できます。
- プロジェクト全体を参照(@Workspace)
例えば、コンテキストをワークスペース全体にし、俯瞰的な修正を行いたければ@Workspaceを先頭につければよいです。
効果: プロジェクト全体の構造や使用技術を理解した上で回答してくれる
コンテキスト指定の使い分け
用途 | 最適なコンテキスト |
---|---|
ファイル単体の修正 | @ファイル名 |
プロジェクト全体の設計 | @workspace |
VS Code設定関連 | @vscode |
リポジトリ情報が必要 | @github |
エラー解決・コマンド履歴 | @terminal |
3. コミットメッセージ自動生成
コミットメッセージを考える時間、意外とバカになりませんよね?GitHub Copilotなら変更内容を自動解析して、適切なコミットメッセージを生成してくれます。
基本的な使い方
- ファイルを変更してステージング
- Source Controlパネルの✨アイコンをクリック
- 自動でコミットメッセージが生成される
カスタムフォーマットの設定
プロジェクトごとにcommit messageの型が決まっている場合や、日本語でメッセージを作成したい場合は、設定ファイル(.vscode/settings.json
)で解決できます。
プロジェクト専用の設定ファイル作成
// .vscode/settings.json
{
"github.copilot.chat.commitMessageGeneration.instructions": [
{
"text": "必ず日本語で記述してください"
},
{
"text": "コミットメッセージの最初の行は `Update refs #` の形式で始めてください"
},
{
"text": "その後、空行を挟んでから変更内容の詳細を箇条書きで記述してください"
},
{
"text": "各変更は `- ファイル名: 変更内容` の形式で記述してください"
}
]
}

余談: 私たちのチームではcommit messageにブランチ名を含みますが、動的にブランチ名を指定する方法が不明です。詳しい方がいたら教えてください🙏
設定が反映されない時の対処法
Ctrl + Shift + P からVS Codeのコマンドパレットを開き、Developer: Reload Window を実行してください。
4. 実戦で効果を発揮するユースケース
① コメント駆動開発(Comment-Driven Development)
設計フェーズでの活用
コメントの量とCopilot実装の正確さは比例するため、相性が良いです。コメントとコードのずれも減るので一石二鳥。
効果: 実装前に日本語で仕様を整理 → 正確なコードが自動生成
詳しい内容については、こちらの記事が参考になります:
https://qiita.com/shimajiri/items/fa5c97df3bceb22ab630
② E2Eテスト設計
テストシナリオから実装まで
コンテキスト範囲を@workspaceに設定し、E2Eテストを作成するとたたき台を一瞬で作成できます。Unitテストはもちろんですが、E2Eなど網羅性の必要なユーザーストーリー作成にも向いています。
③ システム全体に対しての画一的修正
@workspaceの真の威力
GitHub Copilotの@workspace機能は、プロジェクト全体を理解して一貫性のある修正を提案する強力なツールです。
基本的な使い方
@workspace 全てのButtonコンポーネントにaria-labelを追加して
アクセシビリティを向上させたい
この一行で、Copilotがプロジェクト全体のButtonを特定し、統一的な修正方針を提案してくれます。
注意: 一度に全ファイルを同時編集してくれるわけではありませんが、大規模なリファクタリングや機能追加の際は、まず@workspaceで全体方針を相談してから実装に入ることをおすすめします。
④ デバッグ・トラブルシューティング
エラー解決の強力な助っ人
@workspace 現在のエラー: "Cannot read property 'map' of undefined"
このエラーの原因特定と修正方法を教えて
効果: プロジェクト構造を理解した上でのピンポイントなデバッグ支援
まとめ
GitHub Copilotは単なるコード補完ツールではなく、開発プロセス全体を支援するパートナーです。
今日から使える4つのポイント
- ショートカット活用: Ctrl + Iでインライン編集、集中力を切らさない開発
- コンテキスト指定: @workspaceで精度の高い回答を引き出す
- コミットメッセージ自動化: 設定ファイルでチーム統一のフォーマット
- プロジェクト全体の改善: 大規模リファクタリングの強力な相談相手
明日からの開発で、ぜひこれらのTipsを活用してみてください。GitHub Copilotとの対話を意識することで、コーディングがより楽しく、効率的になるはずです!
長々と書きましたが、私自身も学習し始めたばかりですので
何か質問・アドバイスがあれば、コメントでお気軽にお願いします ``````