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連載[2/3] いちから学ぶOfficeアドイン – Officeアドインの問題点とは

Last updated at Posted at 2018-04-14

はじめに

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前回の記事で、Officeアドインとは何か、そしてOfficeアドインのメリットについて説明しました。
それだけのメリット、そして「Office」という非常に知名度のあるベースがありながら、
現状ではOfficeアドインが「成功している」とはそこまで言えません。**
なぜOfficeアドインがそこまで広がらないのか?
連載2回目となる今回は、Officeアドインが現状抱える問題点、デメリットについてまとめていきます。
※あくまでも個人の見解です!Microsoft様およびOfficeを中傷する意図はありませんのでご了承下さい

Officeアドインのデメリット

知名度が低い

存在を知らず
まず、**「Officeアドインというものがあるよ」「Office上でアプリが動くんだよ」**ということを知っている人は果たしてどれだけいるのでしょうか?
「Office」の知名度は抜群でも、「Officeアドイン(ないしは「Officeで動くアプリ」ということだけでも)」の知名度はかなり低いでしょう。
「Officeアドイン」というものがあることを知らなければ、ストアに多数アプリがあったとしても、使うことはきっと無いはずです(知らない訳だし)。

ストア掲載のアプリが少ない

170件
Officeアドインが動くようになったのは、Office2013から。
詳しく開始日までは分かりませんが、単純計算で現在(2016年7月)から3年が経過しています。
しかし、現在Officeストアに掲載されているアプリ数は、決して多くありません。
2016年7月1日現在、Excel用アプリケーションは263件、Outlook用アプリケーションは170件でした。そして多くが海外製です。
せっかくOfficeアドインの存在を知っても、欲しいアプリがなかなか無い…というのが実情です。
(書いていて、Outlook用アプリケーションが170件しかないことに(゜o゜;でした)

【開発者向け】出来ることが少ない

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VBAの感覚でOfficeアドインを開発しようとすると、ほぼ確実に失敗します。
何故なら、Officeアドインで出来ることはかなり限られているからです。**
最近はバージョンアップにより、可能なことも大分増えてきたようではありますが、特に初期の頃はかなり少なかったです。
例えばExcelで言うと、「セルB4に文字を書き込む」「指定のファイルパスのファイルを開く」といった、VBAでは当たり前のように出来ていたことが出来ませんでした。
こうなってしまう原因で考えられるのは、Officeアドインが「Office365でも動く必要がある」ということだと考えています。
Office365で動かす以上、セキュリティはクライアント版より強固でなければいけません。
Office365とOffice2013と両対応するために、出来る機能が少ないのでは…と推察しています。
今では実装可能になったり、工夫次第で回避できるようになってはいますが、VBAの感覚で開発を始め、出来ることの少なさにぶち当たり断念する……といった方も多いとか。

わざわざアプリを使用する必要がない

これが自分の思う、最大の、そして致命的なデメリットです。
もちろん、すべてのアプリがそうとは思いません。ただ、わざわざOfficeを立ち上げて、アプリを起動する…といった流れをするだけの価値があるアプリ提供を、なかなかすることが出来ていないんじゃないか?と思います。
具体的に話しましょう。例えば、家計簿サイトのような便利なWebサイトを、Office上で実行できる。たまに、Excelの表に出力する。そんなアプリがあったとします。
Officeを立ち上げて、アプリを立ち上げて……って工程をやるうちに、ユーザーのあなたはきっと気付くはずです。
**「これOfficeのアプリ使う必要無くね?」と。
端的に言えば、ブラウザで十分なことが非常に多いです。
ブラウザのWebアプリの方が、画面幅は圧倒的に広いですし、リンク先や機能の制限を受けることもありません。
Office(この場合はExcel)と連携できるメリットはありますが、基本的にOfficeと連携する回数は少ないので、Web上で「必要なときだけ」Officeファイルに出力とかすれば済んじゃうんです。
なので、既存のWebアプリをOfficeアプリにそのまま入れ込もうとすると、確実に罠に陥ることになります。

**「Officeの必要性」**という罠に。
**「Office用のアプリ」なのに「Office使う必要ない」**という、ある意味致命的な矛盾を抱えているのが、多くのOfficeアドインの現状でしょうか。
Officeアドイン独自の価値を見出すものをなかなか生み出せていない、という風に見解しています。

どうすりゃいいんだ・・・

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以上、Officeアドインが現在抱える問題点をまとめてみました。
本当はまだ何点かあって、例えば「Office2010だと動かない」「Webサーバー立てないと使えないから手軽じゃない」とか色々あるのですが、今回はこのあたりで。
さて、今回まとめたように、Officeアドインにはまだまだ発展途上です。
それでは、これからOfficeアドインが発展していくには果たしてどうすればいいのでしょうか? 上記のような課題を抱えるOfficeアドインで、開発者はこれからどんなアプリを開発していけばいいのでしょうか?
次回はこの連載のシメ、「Officeアドインの生きる道とは」になります。ご期待ください!

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いちから学ぶOfficeアドイン – Officeアドインの生きる道とは(考察)

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