こんにちは!GxP の肥後です。
この記事はGxP Advent Calendar 2025 の 21日目の記事です。
実は3回目の投稿です。
過去の記事ではDevContainerについて記載していきましたが、今回は趣向を変えて開発環境の見た目にとことんこだわってみました。
はじめに
「Windows のターミナル、なんか使いにくいし見た目も地味...」そう思っていませんか?
実は今、Windows は WSL2 の登場で「Linux のパワー」と「Windows の便利ツール」を両立できる、かなり強力な開発マシンになっています。
本記事では、コマンド一発で環境を整え、味気ないターミナルをモダンな見た目に改造する手順を紹介します。
1. まずはパッケージ管理から
インストーラーをポチポチするのはやめて、コマンドで管理しましょう。
Winget (Windows Package Manager)
Windows 標準のパッケージ管理ツールです。
ターミナル(PowerShell)で以下のコマンドを打つだけで、主要なアプリが入ります。
# 必須ツールを一括インストール
winget install Microsoft.WindowsTerminal
winget install Microsoft.VisualStudioCode
winget install Microsoft.PowerToys
winget install Starship.Starship
2. 必須ソフトウェア 3 選
① WSL2 (Windows Subsystem for Linux 2)
Windows 上で動く「本物の Linux」です。Web 開発をするなら入れておきたい。これのおかげで、コマンド操作や環境構築が Mac/Linux と同じ感覚で行えます。
以下のコマンドで Ubuntu のセットアップが完了します。
# WSL と Ubuntu のインストール
wsl --install
⚠️ 実行後は PC の再起動が必要です。 再起動後に Ubuntu の初期設定画面が立ち上がります。
💡 Windows 10 (バージョン 2004) 以降が必要です。古いバージョンの場合は Windows Update を実行してください。
② Windows Terminal
昔の「コマンドプロンプト」とは別物です。
タブ機能、GPU アクセラレーション対応。PowerShell、WSL(Ubuntu)、Git Bash などを、1 つのアプリでタブ切り替えして使えます。
③ Microsoft PowerToys
Microsoft 純正の便利ツール集です。特におすすめの機能は以下の 3 つ。
-
PowerToys Run (
Alt + Space): 爆速ランチャー。アプリ起動や計算が瞬時にできます - FancyZones: ウルトラワイドモニターなどで、ウィンドウを決まった位置に配置できます
-
Color Picker (
Win + Shift + C): 画面上のあらゆる場所の色コードを取得できます
3. ターミナルの見た目を極める
デフォルトのターミナルは味気ないので、Nerd Fonts と Starship を導入して見た目を改造します。
Step 1: フォントの導入 (Nerd Fonts)
アイコン付きフォント(Nerd Fonts)を入れないと文字化けします。おすすめのフォントを 2 つ紹介します。
A: HackGen NF(日本語重視・おすすめ)
日本語も美しく、プログラミング用フォントとして定評のある HackGen NF です。
Wingetには登録されていないので手動インストールが必要ですが、日本語表示の美しさを考えるとこの手間は惜しくありません。
- GitHub の HackGen リリースページ から最新版の HackGen_NF_vX.X.X.zip をダウンロード(「Assets」を展開して探してください)
- ZIP を解凍し、
HackGenConsoleNF-Regular.ttfを右クリック → 「すべてのユーザーに対してインストール」 - Windows Terminal の設定 (
Ctrl + ,) → 左メニュー「既定値」 → 「外観」 → 「フォントフェイス」で HackGen Console NF を選択
💡 フォントが選択肢に表示されない場合は、Windows Terminal を再起動してください。
B: JetBrainsMono NF(Winget で簡単)
手軽さ重視なら、Winget でインストールできる JetBrainsMono Nerd Font もおすすめです。
winget install DEVCOM.JetBrainsMonoNerdFont
💡 インストール後、Windows Terminal の設定 (
Ctrl + ,) → 左メニュー「既定値」 → 「外観」 → 「フォントフェイス」で JetBrainsMono Nerd Font を選択してください。
Step 2: Starship の導入
Rust 製の高速プロンプトツールです。
Gitのブランチ名やステータス、言語のバージョンなどをアイコン付きで表示してくれます。
インストールは Winget で完了しているので、設定ファイルに追記するだけです。
PowerShell への適用
PowerShell のプロファイルを開き、起動設定を書きます。
# プロファイルを開く
code $PROFILE
💡 VS Code のパスが通っていない場合は、ターミナルを再起動するか
notepad $PROFILEを使ってください。
開いたファイルの末尾に以下を追記します。
Invoke-Expression (&starship init powershell)
💡
starship: 用語 'starship' は認識されませんというエラーが出る場合は、ターミナルを一度閉じて再起動してください。パスが反映されます。⚠️ 「スクリプトの実行が無効」というエラーが出た場合は、以下を実行して権限を付与してください。
Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser
Git Bash への適用
Windows Terminal で Git Bash を使う場合も、.bashrc に設定を書くことで見た目を統一できます。
💡 Git Bash を使うには Git のインストールが必要です。まだの方は以下を実行してください。
winget install Git.Git
# 設定ファイルを開く
code ~/.bashrc
末尾に以下を追記します。Winget 版の exe を指定するのがコツです。
eval "$(starship.exe init bash)"
4. 完成形
これで、PowerShell でも Git Bash でも、ディレクトリ移動や Git 操作をするたびにカラフルなアイコンと情報が表示されるようになります。
| Before | After |
|---|---|
PS C:\Users\User\Project> (白黒で寂しい) |
Project main 1.0.0 via v1.5 (カラフルで情報量が多い!) |
5. トラブルシューティング
うまくいかない場合は、以下を確認してください。
| 症状 | 原因 | 解決策 |
|---|---|---|
starship: 用語 'starship' は認識されません |
パスが通っていない | ターミナルを再起動する |
スクリプトの実行が無効になっています |
実行ポリシー |
Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser を実行 |
wsl --install が動かない |
Windows バージョンが古い | Windows 10 (2004) 以降に更新する |
| アイコンが □ で表示される | Nerd Font が未設定 | Windows Terminal の設定でフォントを変更する |
| フォントが選択肢にない | フォントが認識されていない | Windows Terminal を再起動する |
おわりに
環境構築は一度やればずっと快適になります。
PowerToysのウィンドウ管理とStarshipの視認性は開発効率に直結するので、ぜひ試してみてください。