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ASP.NET Core 3.1 MVC による Microsoft アカウント認証

Last updated at Posted at 2020-10-06

はじめに

ASP.NET Core 3.1 では、Microsoft Identity Web というライブラリを使用して、Web アプリケーションの認証を容易に実装できます。特に、Microsoft.Identity.Web.UI パッケージを使うことで、サインイン/サインアウトの処理を担うコントローラーの処理の記述を大幅に削減できます。Microsoft.Identity.Web.UI パッケージには、AccountController が含まれているので、自身で処理を書く必要がありません。
今回は、この Microsoft Identity Web を使った、ASP.NET Core Web アプリケーションへの Microsoft アカウント認証の実装方法を説明します。

Azure Active Directory へのアプリの登録

Azure Portal から、Azure Active Directory を選択し、[アプリの登録] - [新規登録] を選択します。
[アプリケーションの登録] から、以下の各項目を設定し、[登録] を選択します。

  • [サポートされているアカウントの種類]: 個人用 Microsoft アカウントのみ (今回は、Microsoft アカウントのみを対象とするので)
  • [リダイレクト URI]: https://<アプリの URL>/signin-oidc

[リダイレクト URI] は、ここでは一つしか登録できませんが、後で、編集/追加もできます。まずは、Visual Studio でのデバッグ実行時に起動する IIS Express の URL を指定しています。
image.png

アプリの登録が完了したら、Azure Active Directory の [アプリの登録] を選択し、一覧に作成してアプリが表示されていることを確認します。
作成したアプリを選択し、[認証] を選択します。ここで、リダイレクト URI の編集/追加も行えます。
以下の各項目を設定し、[保存] を選択します。

  • [ログアウト URL]: https://<アプリの URL>/signout-callback-oidc
  • [暗黙の付与]: [ID トークン] を選択
    image.png

次に、対象の登録アプリの概要を選択し、クライアント ID をメモしておきます。
image.png

Microsoft Identity Web パッケージの追加

NuGet から Microsoft.Identity.Web パッケージを取得し、プロジェクトへ追加します。
image.png

次に、Microsoft.Identity.Web.UI パッケージを取得し、プロジェクトへ追加します。
image.png

アプリ構成情報の定義

appsettings.json に、AzureAd(任意) という項目を追加し、配下に、Instance、Domain、TenantId、ClientId、CallbackPath、SignedOutCallbackPath の各項目を定義します。

appsettings.json
{
  "AzureAd": {
    "Instance": "https://login.microsoftonline.com/",
    "Domain": "<Web アプリのドメイン>",
    "TenantId": "consumers",
    "ClientId": "<メモした登録アプリ Client Id>",
    "CallbackPath": "/signin-oidc",
    "SignedOutCallbackPath": "/signout-callback-oidc"
  },
  "Logging": {
    "LogLevel": {
      "Default": "Information",
      "Microsoft": "Warning",
      "Microsoft.Hosting.Lifetime": "Information"
    }
  },
  "AllowedHosts": "*"
}

Azure Active Directory に登録されているユーザーの認証の場合は、TenantId に、Azure Active Directory の Tenant Id を設定するのですが、Microsoft アカウントの場合は、 "consumers" とします。

認証 UI、認証ミドルウェアの追加

Startup.cs に追加した各パッケージへの参照を追加します。

Startup.cs

using Microsoft.Identity.Web;
using Microsoft.Identity.Web.UI;

Startup.ConfigureServices メソッドに、各サービスの定義を行います。

Startup.cs

public void ConfigureServices(IServiceCollection services)
{
    //認証の追加 appsettings.json の AzureAd で定義された各項目で初期化
    services.AddMicrosoftIdentityWebAppAuthentication(Configuration, "AzureAd");

    services.AddControllersWithViews()
        .AddMicrosoftIdentityUI(); // Microsoft.Identity.Web.UI 拡張メソッド - 認証 UI の追加
}

次に、Startup.Configure メソッドに、認証ミドルウェアを追加します。

Startup.cs

public void Configure(IApplicationBuilder app, IWebHostEnvironment env)
{
    ...

    app.UseAuthentication(); //認証ミドルウェアの追加
    app.UseAuthorization();
            
    ...    
}

サインイン/サインアウト リンクの追加

サインイン/サインインのリンクを View に定義します。
ここでは、Partial View(Views/Shared/_LoginPartial.cshtml) として定義します。
認証されていない時には、サインインのリンク、認証されている時には、サインアウトのリンクを表示するようにします。
リンク先は、エリア MicrosoftIdentity の Account/SignOut および Account/SignIn アクションです。
Microsoft.Identity.Web.UI に含まれている AccountController のアクションをコールしています。

Views\Shared_LoginPartial.cshtml

<ul class="navbar-nav">
@if (!User.Identity.IsAuthenticated)
{
    <li class="nav-item">
        <a class="nav-link text-dark" asp-area="MicrosoftIdentity" asp-controller="Account" asp-action="SignIn">サインイン</a>
    </li> 
}
else
{
    <li class="nav-item">
        <span class="navbar-text text-dark">@User.Identity.Name</span>
    </li>
    <li class="nav-item">
        <a class="nav-link text-dark" asp-area="MicrosoftIdentity" asp-controller="Account" asp-action="SignOut">サインアウト</a>
    </li>
}
</ul>

好みの場所に、インラインで、Partial View を定義して、リンクを表示します。

Viewer\Home\Index.cshtml
<partial name="_LoginPartial" />

次に、認証結果を確認するためのアクションとビューを定義します。
アクションには、Authorize 属性をつけて、認証が必要とマークします。

Controllers\HomeController.cs

[Authorize]
public IActionResult WhoAreYou()
{
    return View();
}

ビューは、クレームをリスト表示するのみとしています。

Views\Home\WhoAreYou.cshtml
@{
    ViewData["Title"] = "WhoAreYou";
}
<h1>@ViewData["Title"]</h1>

<p>あなたは誰?</p>

<dl>
    @foreach (var claim in User.Claims)
    {
        <dt>@claim.Type</dt>
        <dd>@claim.Value</dd>
    }
</dl>

動作確認

Visual Studio でデバッグ実行します。
先の手順で追加したサインイン リンクを選択します。
image.png

Microsoft アカウントのサインイン画面が表示されます。
image.png

Microsoft アカウントでサインインすると、Microsoft アカウントが表示され、リンクがサインアウトに変更されます。
image.png

認証結果を確認のためのページを参照します。
クレーム一覧

ここで重要なクレームは、以下となります。

まとめ

ASP.NET Core 3.1 では、Web アプリに必ず必要となる認証を Microsoft Identity Web ライブラリを使うことで、実装コストを大幅に落とすことができます。
今回は、Microsoft アカウントでの認証を例としましたが、実装を一部変更して、Azure Active Directory アカウントを対象とすることもできます。
.NET Core の次世代 .NET 5.0(現状プレビュー) でも利用できるので、今後もより機能が充実していくと考えています。

参考サイト

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