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#Nutanix で実現するハイブリッドクラウドな世界~その2

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本記事はNutanix Advent Calendar 2019 #2 12/9 分の記事です。

さて、昨日に引き続きハイブリッドクラウドな
「Nutanix Clusters」に関する記事です。
なお、本記事執筆時点ではまだ正式リリース前なので、
変更がある場合もありますので、ご了承くださいませ。
また、正式なマーケティングコンテンツではない点、
あらかじめお断りしておきます。

Nutanix Clustersって何?

要は、パブリッククラウド上にNutanix HCIのクラスタを
構築しちゃおうという製品です。
Nutanix HCI自体が元々ハードウェアに入れて使うものですから、
パブリッククラウド版も仮想マシンではなく、
クラウドサービスで提供されるベアメタルサーバを用いて構築されます。

現時点で案内される「Nutanix Clusters on AWS」で具体的に考えてみると、
EC2サービス内のベアメタルインスタンスである、
i3.metalのインスタンスを用い、
その上でNutanix AHVとAOSの入ったNutanix HCIを
構築・展開することとなります。

AHVとAOSをベースにするものですから、
仮想マシンからしたらプライベートクラウドで
稼働しているのと同じように見えますね。
取り扱いもPrismで仮想マシンの管理を行ったり、
バックアップのやり方などなど、
様々な点でプライベートクラウドと
共通的な環境を提供できるようになっています。

Nutanix Clustersの特徴

ここからはNutanix Clustersの特徴を見てみましょう。
なお、Nutanixのイベントである.NEXT等のアナウンスされている
オフィシャルなマーケティングメッセージではなく、
個人的に重要な特徴であると考える点を列挙しています。

1.迅速性

パブリッククラウドのリソースを使うため、
クラウドの特性である即座に導入や拡張を行う
スピード感を実現しています。

Nutanix HCIとして調達すれば即座に拡張可能な
仕掛けを有しているものの、
(Nutanixに限った話ではなく一般論として)
ハードウェアのリードタイムがあるわけで、物理的な限界があります。
クラウドの特性である、すぐにリソース追加ができる点は
明確なメリットです。

2.プライベートクラウドと共通したテクノロジ

プライベートクラウドとパブリッククラウドを隔てる要素として、
技術的な隔たりがありました。
その点、Nutanix CLustersでは、共通的なテクノロジで
現実的なクラウド環境間の移動を可能にします。

クラウド上に試しに作ってみて、
利用が終わったり、安定的に利用が決まったタイミングで
プライベートへお引越し。
そんなやり方も実現可能です。

3.使わなければ止めておく

Nutanix CLustersの特徴的なポイントとして、
使わなければ止めておくということが可能となっています。
止められなければクラウドらしい、
「必要な時に必要な分だけ」が実現できない訳ですが、
その点はクラウドらしさを損なわないように作られています。

具体的にはデータをS3に保管して、
i3.metalインスタンスを停止状態にしておくことで、
コンピュートの課金を止めるということです。
i3.metalインスタンスの課金は仮想マシン1台と比較すれば
かなり大きくなりますので、
これは圧倒的にメリットです。

他のサービスと比較する

ここまで見てみるとVMware さんが展開する
VMware Cloud on AWSと何が違うの?
と感じる方が多いと思います。
比較ポイントを大きく見てみましょう。

ここは、本稿執筆時点で恐らく日本唯一、
両環境を検証したことがあるSEとして、
比較できる点を記載します。

共通するところ

大枠の考え方であるプライベートクラウドの仕掛けを
パブリッククラウドの中に構築してしまうことで、
プライベートクラウドとパブリッククラウドの
垣根を取っ払うという点は共通しています。

どちらも行ったり来たりできる点で、
プラットフォームとの依存を断ち切っています。

共通しないこと1 提供のされ方

提供コンセプトの大きな違いですが、
Nutanix CLustersは現時点セルフサービスでの利用となっています。
その為、利用者が構築や管理を行い、
既存のアカウント、VPC内に構築することが可能です。
察しがいい方はわかると思いますが、
ネットワークはホップの心配なく利用可能です。
現行のAWS環境とは殆ど隔たりがない形で利用可能です。

AWS回りの利用コストは利用者が保有するAWSアカウントに
直接的に請求されてくることになります。
コストエクスプローラーを活用することで、
昨日時点の利用の状況もトラッキングすることができます。
(これは本当にありがたい!)

一方で、VMware Cloud on AWSはVMware社が提供する
マネージドのサービスです。
利用者のAWSアカウント・環境とは明確に切り離され、
VMware社の保有するAWSアカウント内に作られた環境を、
利用者のテナントとして切り出してNW的に
接続可能にすることで、提供されてきます。
別VPCになるので、Direct Connectなどを利用して、
社内接続する際には既存VPCを超えて通信できませんので、
ネットワーク的な接続はよく考える必要があります。
また、課金はVMware社の環境を借りていることになりますので、
使用するAWS上のリソースも含めて全てVMware社から
請求されることになります。
当然、AWSのコスト管理のダッシュボードは使えないので、
コストの現状は何か月か先の請求確定を待つことになります。

共通しないこと2 一時的に止められるか

過去のエントリで記載しましたが、
VMware Cloud on AWSは構築した後は停止できないようにできています。
様々なところで誤解が生まれていますが、
停止=SDDCの削除です。
※参考 基礎からのVMware Cloud on AWSーその3
    ディザスタリカバリに関する項を参照
https://qiita.com/hiroito1118/items/2669fc0ef64d8e07eb08

一方でNutanix CLustersはクラウドの特性を生かすため、
Hibernate機能というものを搭載しており、
操作によってクラスタ内のデータをS3へ安全に保管した後に、
環境を停止することができる機能を提供していきます。
なぜわざわざS3に吐いているかと言えば、
これはVMCも同様ですが、ハイパーコンバージドインフラらしく、
i3.metalインスタンスのインスタンスストアを活用しており、
ここは揮発性のストレージであるためです。
かといって止めている=使わない期間にEBSを使うと高額になりますので、
コストを抑えるための停止にS3を採用しているのは、
理にかなっていると思います。

共通しないこと3 管理主体

提供のされ方でも記載した通り、
Nutanix CLusters→セルフサービス
VMware Cloud on AWS→マネージド
という違いがあります。

その為パッチ適用などの操作はユーザ自身で行うか
サービス提供者側で行うかという違いがあります。

サービス提供者側で行ってくれる方が楽でいいと思いがちですが、
それはサービスが止まらない前提においてのみです。
使っているテクノロジはプライベートクラウドと同じなわけですが、
その中でシングルポイントになる点がないか、思い出してみてください。

事業者側で実施してくれる意味と自社の運用に照らし合わせて、
どちらがよいかはご判断ください。
特にサードパーティ製品を利用される場合、
この管理主体についての考慮が十分に必要となります。
サードパーティ製品連携に関する話は、
以前に以下の記事を執筆しておりますので、ご参考にしてください。
基礎からのVMware Cloud on AWSーその8
https://qiita.com/hiroito1118/items/0d367c82afe7715fc496

共通しないこと4 ネットワーク実装

次はネットワーク周りです。

Nutanix Clustersは、オーバーレイネットワークを作成せず、
AWSのネイティブネットワーク技術を利用します。
そのため、サブネットの考え方やNATゲートウェイ、
VPNにDirect ConnectなどAWSの仕掛けをすべてそのまま利用できます。

また、先に記載した通り既存VPCに環境の展開ができるので、
既に既存VPCでDirect Connectの準備ができていれば、
特に新しく接続する準備をする必要がありません。
セキュリティポリシーだけ設計しましょう。

対して、VMware Cloud on AWSでは、
NSX-T(Vではない)によるオーバーレイネットワークを実装しています。
AWSのネットワーク機能とは分離された形で提供されています。
(Direct Connectについては、AWSのものを利用)
そのほか詳しくは、過去に解説記事を書いていますので、
そちらもご参考になさってください。
基礎からのVMware Cloud on AWSーその5
https://qiita.com/hiroito1118/items/7e57393e72d72e00d4a2

ネイティブネットワークを使うか、
オーバーレイネットワークを使うか、
評価が分かれるところであると思いますので、
ここではどちらがどうという話は止めておきます。

今回のまとめ

今回、サービスを比較する意味で近しい両者で比較を書いてみました。
どっちがどうだという言及はしませんが、
双方特徴があるので、ニーズに合わせてうまく活用ください。

2回で終わろうかと思いましたが、
もう少し執筆したいことがあるので、
3回目に続きます。

今回は以上です。

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