はじめに
以前、以下の記事を書きました。本記事はこの続編です。
最初にまとめ
Claude 3.5 Sonnet v2のEOLタイミングが決定
- EOLの対象リージョンはus-east-1/us-east-2/us-west-2です
- 2025年12月1日から価格が2倍になります(入力: \$0.003→\$0.006、出力: \$0.015→\$0.030)
- 2026年3月1日以降は完全に利用不可になります
Knowledge Baseで使っている場合は特に注意
データソースの解析オプションは後から変更できません。 データソース全体を作り直す必要があります。
- 大量データの場合、再同期で高額なコストが発生する可能性があります
- 現在利用可能な代替モデルは限定的です(Claude 3 Haiku、Nova Lite等)
- 新しめのモデル(Claude Sonnet 4等)はまだ利用できません
本記事は一AWSユーザーの体験・調査結果の共有ですので、正式な情報はAWSの公式ドキュメントやサポートでご確認ください。
以降で経緯について述べていきます。
Claude 3.5 Sonnet v2の廃止予定について
9/12にAWSより下記の通知が届きました。なお、わたしはオレゴン(US-WEST-2)にてKnowledge BaseのパーサーにClaude 3.5 Sonnet v2を利用していました。
(※翻訳)
過去 30 日間に Amazon Bedrock でモデル ID 'anthropic.claude-3-5-sonnet-20241022-v2:0' [1] を使用したため、ご連絡いたします。Anthropic は、2025 年 12 月 1 日に US-EAST-1、US-EAST-2、US-WEST-2 でこのモデルを廃止することを決定しました。2025年12月1日以降の移行にさらに時間が必要なお客様には、Anthropicは2026年3月1日までプレミアム価格で拡張アクセスを提供します[2]。2026 年 3 月 1 日以降、このモデルはリストされたリージョンで使用できなくなり、このモデル ID に対する要求は失敗します。重要な日付:
- 2025 年 12 月 1 日: 拡張アクセスはプレミアム価格から始まります。
※2026年3月1日:本モデルは掲載地域では利用できなくなり、本モデルIDへのリクエストは失敗します。オンデマンド推論の価格を更新しました (2025 年 12 月 1 日より発効):
- 入力トークン: 1,000 トークンあたり $0.006
- 出力トークン: 1,000 トークンあたり $0.030
注: Anthropic と既存のプライベート料金契約を結んでいる場合、またはプロビジョニングされたスループットを使用している場合は、現在の料金条件が引き続き適用されます。
アプリケーションコードを更新して、Anthropicから最新のClaude Sonnet 4モデルに使用法を移行することをお勧めします[3]。Claude Sonnet 4のクォータの引き上げは、Service Quotas [4]からリクエストできます。
上記リージョンにおけるClaude 3.5 Sonnet v2の料金は下記であるため、倍に上がることになります。
- 入力トークン: 1,000 トークンあたり $0.003
- 出力トークン: 1,000 トークンあたり $0.015
この通知の要点は下記のとおりです。
- 2025/12/1から「拡張アクセス」になり価格が倍に上がる
- 2026/3/1以降は使えなくなる
なお、通知が届いた日に、Claude 3.5 SonnetからClaude Sonnet 4の移行に関する記事が投稿されていました。
(4からは「Claude Sonnet 4」になりましたが、以下の記事では「Claude 4 Sonnet」になっています。ややこしいですよね・・・)
また、モデルのライフサイクルに関するドキュメントを見たところ「拡張アクセス」に関する記述がありました。
(※翻訳)
2026年2月1日以降にEOL(サポート終了)となるモデルの場合: レガシー状態で最低3か月間が経過した後、モデルはレガシー期間のパブリック拡張アクセス期間に入ります。このパブリック拡張アクセス期間中、レガシーモデルのアクティブユーザーはEOL日まで(最低3か月間)引き続きモデルを使用できますが、モデルプロバイダーによって価格が引き上げられる可能性があります。モデルが初めてレガシー状態になった時点で、プロバイダーがモデルをパブリック拡張アクセスに移行する日付(通知から少なくとも3か月後)と価格変更(該当する場合)をお知らせします。また、パブリック拡張アクセス期間中に価格が変更される場合は、事前にお知らせいたします。
上記ドキュメント内に記載されているClaude 3.5 Sonnet v2のEOLに関する情報は下記のとおりです。東京リージョンはEOLの日程が未定なようです。
Knowledge Baseのドキュメントが更新されていた
9/12時点でドキュメントは以前の記載のままでしたが、9/17に確認したところ下記の記述に変わっていました。(※日本語表示のドキュメントはまだ変わっておらず、最新情報は英語表示で確認する必要があります)
The following foundation model families can be used as a parser:
- Claude vision models
- Nova vision models
- LLama 4 vision models
NovaやLLamaが新たに利用可能になったようです。
これを見てわたしは「やっとClaudeの新しいモデルも利用可能になった!」とうれしく感じました。
よく見るとそうでもない?
しかし、先述のドキュメントをよく見ると、以下の記述がありました。
Foundation model parsing is available in AWS Regions where these models are directly available (not through cross-region inference).
クロスリージョン推論ではなく、直接利用可能なモデルでなければいけないようです。
ということは、クロスリージョンプロファイルしか用意されていないモデルは利用できない、ということです。
一応試してみた
モデルを直接利用できる Claude 3 Haiku でのデータ同期は成功しましたが、クロスリージョン推論プロファイルしか提供されていない Claude 3.7 Sonnet では下記のエラーが発生しました。(ベクトルデータベースには S3 Vectors を指定)
Encountered error: Ignored 1 files as the foundation model used for parsing was throttled. [Files: s3://bucket-name/file-name]. Call to Customer Source did not succeed.
「throttled」というメッセージである理由はよくわかりませんが、おそらくクロスリージョン推論に対応していないためにエラーになったのだと推測しています。
実際のところ選択できるモデルはどれ?
東京(ap-northeast-1)・バージニア(us-east-1)・オレゴン(us-west-2)を対象に、Claude・Novaの対応状況を調べてみました。(※2025/9/18時点の情報です)
【凡例】✅:直接利用 ❌:クロスリージョン ➖:モデル非対応
| モデル名 | ap-northeast-1 | us-east-1 | us-west-2 | EOL |
|---|---|---|---|---|
| Claude 3 Haiku | ✅ | ✅ | ✅ | |
| Claude 3 Opus | ➖ | ❌ | ✅ | January 15th, 2026 (all Regions) |
| Claude 3 Sonnet | ❌ | ✅ | ✅ | July 21, 2025 (us-east-1, us-west-2 Regions) |
| Claude 3.5 Haiku | ➖ | ❌ | ✅ | |
| Claude 3.5 Sonnet v2 | ❌ | ❌ | ✅ | Mar 1, 2026 (us-east-1, us-west-2 Regions) |
| Claude 3.5 Sonnet | ✅ | ✅ | ✅ | Mar 1, 2026 (us-east-1, us-west-2 Regions) |
| Claude 3.7 Sonnet | ❌ | ❌ | ❌ | |
| Claude Opus 4.1 | ➖ | ❌ | ❌ | |
| Claude Opus 4 | ➖ | ❌ | ❌ | |
| Claude Sonnet 4 | ❌ | ❌ | ❌ | |
| Nova Lite | ✅ | ✅ | ❌ | |
| Nova Micro | ❌ | ✅ | ❌ | |
| Nova Premier | ➖ | ❌ | ❌ | |
| Nova Pro | ❌ | ✅ | ❌ |
新しめのモデルはまだ使えませんでした ![]()
で、どうすればよいのか?
us-east-1、us-east-2、us-west-2でKnowledge BaseのパーサーにClaude 3.5 Sonnet v2を利用している場合、2026/3/1には利用不可になるため、該当のデータソースを継続利用するには、別の利用可能なモデルを利用する必要があります。
ただし、下記ドキュメントの記載のとおり、後からパーサーに利用するモデルを変更することはできないため、データソースを再作成する必要があります。その場合、再度同期することによりコストがかかるため、大量のドキュメントをLLMパーサーで解析して取り込んでいた場合は特に注意が必要です。
You can't change the parsing strategy after connecting to the data source. To use a different parsing strategy, you can add a new data source.
できれば新しいモデルに対応してくれるといいのですが ![]()
さいごに
今回の記事を書くにあたり、Bedrockモデルのサポート状況やEOLに関するドキュメントを読みましたが、リージョンごとに非常に細かく状況が異なっており、差異を確認するのがとても大変で、数か所くらい誤記があっても誰も気づけないだろうな~と感じました。
また、対応状況の表については、最初にAWS Documentation MCP Serverを用いて生成AIに作ってもらいましたが、正しく情報を読み取れていない部分が複数あり、結局すべて目視で確認しました
(誤記があるかもしれませんので、正確な情報については公式ドキュメントを参照願います)
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