はじめに
「自分専用の家計簿アプリが欲しい」
そう思ったのが今日の朝でした。
既存のアプリは高機能すぎるし、広告も多い。もっとシンプルで、でも「龍が如く」や「ドラクエ」のような遊び心も入れられる、自分好みのアプリが作りたい。
でも、Android開発(Kotlin + Jetpack Compose)の知識はそこまで深くありません。
そこで、「Antigravity(AI)」 の力を借りて、要件定義からコーディングまでをフル任せにしてみました。結果、約4時間でストアに公開できるレベルのアプリが完成したので、その全工程を共有します。
作ったもの
まずは完成品をご覧ください。
「お小遣い帳アプリ(仮)」
- 技術スタック: Kotlin, Jetpack Compose, Room (SQLite), MVVM
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主な機能:
- 日々の収支記録(カテゴリ・メモ)
- アプリ内電卓キーボード(某人気アプリ風)
- 円グラフ・棒グラフによる分析
- Googleドライブへのバックアップ/復元
- 資産(現金・銀行・PayPay)ごとの残高管理
📊 メイン画面とグラフ分析
円グラフで「何に使ったか」が一目瞭然です。スクロールも滑らかに実装できました。

(キャプション:Composeで描画した円グラフ。カテゴリごとの凡例も自動生成)
🧮 こだわりの「電卓キーボード」
システム標準のキーボードを使わず、アプリ専用のテンキーを実装しました。

(キャプション:入力しながら計算ができる自作キーボード。UIの崩れもなし)
開発フロー:Antigravityとの対話
開発は、コードを書くのではなく**「AIへのプロンプト(指示書)を書く」**ことに集中しました。
主な工程は以下の4ステップです。
1. 最初の要件定義(0時間目)
まずはざっくりとした要望を投げました。
「Androidアプリを作成したい。日々支出と収入が記述できて、月間・全期間の検索ができるアプリ。AIに作成させるので要件定義してください」
Antigravityは即座に、モダンなアーキテクチャ(MVVM + Room)での構成を提案してきました。
ここで重要なのは、**「ファイル分割せずに MainActivity.kt 1つにまとめて書いて」**と指示したことです。これにより、コピペの手間を極限まで減らし、爆速でプロトタイプを動かすことができました。
2. 環境構築の壁(1時間目)
Android Studioの最新版(Kotlin 2.0)と、ライブラリのバージョン不整合でビルドエラーが発生。
ここもエラーログをそのままAntigravityに貼り付け。
「
build.gradle.ktsのこのエラー、どう直す?」
人間が調べると数時間かかるエラーも、AIなら「KSPのバージョンが古いです。こう書き換えてください」と即答。ここを数分で突破できたのが大きかったです。
3. UIの進化:某人気アプリをベンチマークに(2〜3時間目)
最初はただの入力フォームでしたが、使い勝手を上げるために、私が普段愛用している**「某有名家計簿アプリ」**のUIを参考にしました。
- 課題: 金額入力のたびにスマホのキーボードが出るのが入力の妨げになる。
- 解決: **「アプリ内電卓キーボード」**の実装。
AIに以下のプロンプトを投げました。
システムキーボードを出さず、画面下部に自作の電卓テンキーを表示して。
計算ロジックも外部ライブラリを使わず、Kotlin標準機能で実装して。
結果、7 8 9 + のようなボタンを押すとその場で計算され、そのまま登録できる「爆速入力UI」が完成しました。
4. 仕上げ:資産管理とバックアップ(4時間目)
「現金」と「カード」の区別をつけるため、データベース構造を変更して「資産(Account)」テーブルを追加。
さらに、機種変更に備えて Gson を使ったJSON形式でのバックアップ/復元機能も実装しました。
学んだコツ(AI活用のポイント)
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「コードを書いて」ではなく「機能を追加して」と頼む
「ボタンを配置して」と細かく指示するより、「あのアプリのような入力体験にしたい」と伝えると、AIが良い感じのUI/UXを提案してくれます。 -
エラーは即コピペ
悩む時間は無駄です。エラー文を食わせれば解決策が出ます。 -
「1ファイルにまとめて」戦法
個人開発のプロトタイプなら、クラスごとにファイルを分けず、1つのファイルに全コードを書かせたほうが修正・管理が圧倒的に楽です。
今後の展望
現在は「自分専用」ですが、以下の機能を実装してストア公開&収益化(広告モデル)を目指しています。
- OCRによるレシート読み取り(ML Kit使用予定)
- サブスク固定費の自動入力
- RPG風のゲーミフィケーション要素(ドラクエ好きなので)
まとめ
Antigravity(AI)を使うことで、Android開発のハードルは劇的に下がりました。
「作りたい」というアイデアさえあれば、4時間でここまでのものが作れる時代です。みなさんもぜひ、自分だけの最強ツールを作ってみてください。