【入門】Gemini CLIで開発と業務をブーストする方法(導入〜実践レシピ)
ターミナルからAI(Google Gemini)を呼び出して、コード生成・ログ解析・ドキュメント作成まで一気通貫で効率化するための実践ガイドです。初期セットアップ → 基本操作 → 活用例 →安全な運用ポイントの順でコンパクトにまとめました。
- 対象: 開発者 / PM / データ担当者 / 情報システム部門
- 想定OS: macOS / Linux / Windows(PowerShell)
目次
- Gemini CLIとは
- なぜ使うのか(メリット)
- セットアップ(Node.js & インストール)
- ログインと初期設定
- 基本の使い方(コマンド例)
- 業務活用レシピ
- 開発活用レシピ
- デモ:Laravel雛形の生成イメージ
- テスト仕様書の自動生成
- 無料枠について
- 安全に使うための注意点
- よく使うコマンド速習
- まとめ
- 参考
Gemini CLIとは
Google Geminiを搭載したコマンドラインインターフェース(CLI)。
自然言語で指示して、コード生成・修正 / ドキュメント生成 / ファイル解析 / データ変換などをターミナルから直接実行できます。
主なユースケース
- 開発者: コーディング支援、デバッグ、リファクタリング、テスト生成
- PM: 仕様整理、ドキュメント生成、議事録要約
- データ担当: SQL生成、CSV整形、ログ解析、レポーティング
なぜ使うのか(メリット)
- ワークフローが中断しない: すべてターミナルで完結
- スピード: 複雑な質問でも即応答
- 拡張性: 既存ツールやスクリプトと組み合わせやすい
- (資料ベースの補足) 導入現場では開発時間の大幅短縮やAI活用の社内浸透が期待できます
セットアップ(Node.js & インストール)
前提: Node.js v18+
# Node.jsの確認
node -v
# グローバルインストール
npm install -g @google/gemini-cli
# バージョン確認
gemini --version
ログインと初期設定(初回の流れ)
# OAuthでブラウザ認証(または API キー/Vertex を選択)
gemini
# もしくは API キー方式
# export GEMINI_API_KEY=...
# gemini
- 初回起動で認証方式(OAuth / APIキー / Vertex AI)を選択します。
- 設定は
~/.gemini/settings.json
(ユーザー設定)や.gemini/settings.json
(プロジェクト設定)で管理できます。- 代表例:既定モデル、チェックポイント/保存、MCPツール連携 など。
基本の使い方(コマンド例)
単発QA(ノンインタラクティブ)
gemini -p "春分の日とは何ですか?"
翻訳・要約
gemini "この文章を英語に翻訳して: ……"
ファイル解析
gemini read ./app.py
gemini read ./file1.py ./file2.py "これらの関係性を説明して"
パイプでログ解析
cat error.log | gemini "このエラーの原因と解決策を教えて"
対話モード(多段のやり取り)
# カレントディレクトリのコンテキストで起動(推奨)
gemini
- セッション中はスラッシュコマンドが使えます(例:
/help
,/chat save
,/chat resume
)。 - 長い作業はチェックポイントを活用(
/chat save
→ 後で/chat resume
)。 - 使いどころの例:
- 複雑なコードをステップで生やす(設計→雛形→テスト→微調整)
- 壁打ち・アイデア出し(要件定義やUI設計)
- アーキテクチャ理解(「このレポジトリの構成を要約して」)
業務活用レシピ
- メール文作成: お詫び/案内/通知などトーン指定で即作成
- 議事録要約: 「重要ポイントを3つに要約」などの指示で時短
- データ処理: SQL生成、CSVの整形、JSON↔CSVなどの変換
- ログ解析: スタックトレースを貼る→原因候補と対処案を提案
開発活用レシピ
- フレームワーク支援: Laravel / Spring Bootの雛形やCRUDを生成
- コード理解: レガシーコードの動作解説・改善提案
- テスト生成: 既存コードから単体/結合テストを自動生成
- バグ修正支援: エラーログから原因特定→修正パッチ案
例:
gemini read ./app/Controllers/UserController.php "このコントローラのPHPUnitテストを書いて"
デモ:Laravel雛形の生成イメージ
例として「タスク管理アプリ(認証あり/CRUD)」の作成フロー。
実際にはプロジェクト要件に合わせて対話しながら生成します。
# 例:要件を自然言語で指示
gemini "Laravelでタスク管理アプリを作成。ユーザー認証とCRUDが必要"
生成される(ことが多い)手順イメージ:
- プロジェクト作成 / 依存関係の導入
- 認証(Breeze など)セットアップ
- モデル / マイグレーション / ファクトリの生成
- ルーティングとコントローラの作成
- 画面(Blade/Tailwind)の雛形出力
-
php artisan migrate
→php artisan serve
で動作確認
※記事ではモダンな構成例としてBreezeを想定しています。環境や好みに応じてUI/認証パッケージは調整してください。
テスト仕様書の自動生成
プロンプト例
gemini "商品管理システムのテスト仕様書を作成して。
機能:商品登録、一覧表示、検索、編集、削除
項目:商品名、価格、在庫数、カテゴリ"
出力イメージ
- 単体テスト
- TC-001 正常:全項目入力して登録
- TC-002 異常:必須項目未入力
- …
- 結合テスト
- 登録→検索→編集→削除の一連フロー など
無料枠について
- (資料準拠) 2025-07時点 で 1日1,000リクエスト の無料枠の説明があります
- ただし提供条件は将来変更される可能性があるため、最新の公式情報を必ず確認してください
安全に使うための注意点
- 機密情報は入力しない(個人情報・社内秘密・APIキー等)
- 生成結果は必ずレビュー(正確性・品質・セキュリティ)
- 生成コードはテストする(脆弱性・ライセンスに留意)
- 仕様変更に備える(無料枠・認証方式などは変わる場合あり)
よく使うコマンド速習
# QA / タスク実行
gemini "指示や質問"
# ファイル解析
gemini read ./path/to/file
# 連続対話
gemini --chat
# 認証・設定
gemini login
gemini init
gemini config --list
Tips
- 複雑な指示はテキスト化 →
gemini read
に渡すと再現性UP - 出力を保存:
gemini "..." > result.txt
- よく使うコマンドはシェルのエイリアス化で入力を短縮
まとめ
- Gemini CLIはターミナル起点で開発・運用・ドキュメント作成を高速化
- セットアップは数分、基本は「自然言語で指示」するだけ
- **安全運用の基本(情報管理/レビュー/テスト)**を押さえつつ、まずは小さく導入して効果を測定しましょう
参考
- 公式ドキュメント(Cloud): https://cloud.google.com/gemini/docs/codeassist/gemini-cli
- 公式ドキュメント(GitHub Pages): https://google-gemini.github.io/gemini-cli/
- リポジトリ: https://github.com/google-gemini/gemini-cli
- npm: https://www.npmjs.com/package/@google/gemini-cli
- Codelab: https://codelabs.developers.google.com/gemini-cli-hands-on
- Gemini API Quickstart: https://ai.google.dev/gemini-api/docs/quickstart