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組織論の本を読んだら、デザインレビューのヒントが見つかった話

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こんにちは!
Uniposプロダクトデザイナーのヘイさんです。

弊社では、毎日デザインレビューの時間をとってそれぞれのタスクを持ち寄り、意見交換しながら制作を進めています。

その中で僕が強く感じるのは、「デザインの本質は決断だ」ということです。

プロダクト開発におけるデザインは、単にビジュアルを作る作業ではありません。「どの課題を、どう解決するか」という決断の連続です。

そしてその決断は、デザイナー一人ではなく、チームで行う必要があります。

そんな中、「決断のヒント」を求めて手にとった一冊の本が、僕のデザインレビューに対する考え方を大きく変えてくれました。

出会った本: 『決断の本質』

今回紹介するのは、マイケル・A・ロベルト著の『決断の本質』です。

もともとは経営者などの組織リーダーがいかに意思決定を下すべきかを説いた本ですが、読み進めるうちに「これ、デザインレビューの本として読めるぞ…!」という発見があったんです。

なぜデザイナーが「リーダーの決断」を学ぶのか

デザインの本質が「チームで決断すること」であるならば、それは経営者が組織を率いて決断を下すプロセスと本質的には同じではないか、と考えたからです。

「チーム全員が納得感を持ちながら、最善のデザインに辿り着くにはどうすればいいか?」
そのヒントが、組織運営の知恵の中にある気がしたんです。

それではここから、僕が学びになったポイントを実践例を交えながら具体的に紹介していきます。

学び: 正解よりも「プロセスへの納得感」が重要

この本の中で最も心に刺さったのは、以下の考え方です。

組織のリーダーにとって、「正しい決断」をすることよりも 「決断までのプロセス」にチームが納得していること の方が重要である。

なぜなら、どんなに正しい決断をしても、そこに納得感がなければチームは積極的に動いてくれません。

逆に、間違った決断によって多少の問題が起きてしまっても、チームに納得感と高いモチベーションがあれば、後から改善して問題を解決することが出来ます。

つまり、プロジェクトの成功は、決断の内容じゃなく「決断の後でチームがどう動くか」で決まるんです。

そして、プロジェクトは一度の決断だけで終わりません。幾度となく続く決断を乗り越えていかなければならない。だから、なおさらチームの納得感が重要になるわけです。

この視点は、僕にとって大きなパラダイムシフトでした。

「どのデザインが正しいか」だけを議論するよりも、「どうやってチームでこの案に決めたか」というプロセス自体に価値がある と気づかされたんです。

実践: デザインレビューを「発散」と「収束」に切り分ける

この本では、チームが建設的に意見を出し合い、「プロセスへの納得感」を持って決断まで持っていくためのコツが書いてありました。

その中でも「発散」と「収束」を意識して議論を進めるという内容が使えそうだったので、実際にデザインレビューの中で試してみました。

1. 「発散フェーズ」と「収束フェーズ」を意識的に分ける

これまでは、意見を出しながら同時に決定も行おうとして議論が混線することもありました。そこで、以下のように切り分けることを意識しました。

  • 発散フェーズ: どんな意見も広く集める
  • 収束フェーズ: チームの認識をすり合わせ、最終決断へ進める

2. 発散フェーズでは「自分の意見」を押し付けない

提案を持ち込む時に、デザイナーが自分の意思を持つことは大切です。ですが、「これが僕の推し案です!理由は〜」と熱弁しすぎると、それはレビューではなく「説得(プレゼン)」になってしまいます。

するとレビュワーは「その案に賛成か反対か」という思考に集中してしまい、自由な発想や別の角度からの意見が出にくくなります。

バイアスを避けるため、あえてプレゼンしすぎないことを意識してみました。

3. 収束フェーズでは、「消去法」を活用する

発散した中から採用案を決める時に、「自分はこれがいいと思う」と言うだけでは、チームで認識を揃えることはできません。

そんなときに便利なのが、「消去法」です。

「この案は今回の目的とはズレてるよね」「この案はここの表現がイマイチだよね」と、一つずつ絞り込んでいけば、自然と思考のプロセスを共有できて認識を揃えやすくなります。

そして、ある程度絞り込んだら、最後は責任を持って自分が決断することも重要です。

実践してみた結果

この内容を試したところ、「建設的なデザインレビューとは何か?」という軸が出来て、迷いが減りました!

そして、もう一つの大きな収穫は、僕自身が「自分の意見にこだわり過ぎなくていい」と気づけたことです。

以前は、「理論武装してレビューの場に臨まないといけない」とか「ツッコミどころの無いデザインを持っていかなきゃいけない」という意識が少なからずあったように思います。

ですが、それではせっかくのレビュワーの意見をフラットに聞くことが出来なくなります。自分に無い視点の意見を取り入れるチャンスを逃してしまうのは、もったいないことです。

まとめ

デザインレビューは、デザイナーが作ったものを評価してもらう場ではありません。 「チームとして納得感のある決断を下し、プロジェクトの推進力を高める場」 です。

この意識を忘れずに、今後もデザインレビューの在り方を研究していこうと思います!

ちなみに、弊社では「チャレがく」という制度があって、業務に役立つ書籍の購入費に手当てがつきます。僕のお気に入りの制度なので、今回も使ってみようと思っています。

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