この記事では、NetApp Cloud Syncを使ってBOXにあるファイルをAmazon S3に同期したいと思います。
Keyword
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Amazon S3とは
Amazon S3(Amazon Simple Storage Service)はデータを格納・管理できるオブジェクトストレージサービスです。主にウェブサイトやアプリケーションなどのデータバックアップおよび復元、アーカイブなど、さまざまなことに利用します。また、ファイルのバックアップ、ファイル処理の加工前、あるいは加工後のファイルの保存、動画・画像ファイルやCSSなどWebで使う静的なファイルをS3に置いて配信するなど、非常に広範囲な使い方ができます。 -
BOX
BOXは、世界中で活用されているファイル共有のオンラインストレージサービスです。オンラインストレージとはさまざまな形式のファイルを管理できるサービスであり、マニュアルの共有や議事録の保存など、ビジネスのあらゆるシーンで活用されています。また、BOXは海外で開発されたサービスですが、日系企業でも広く導入されています。 -
NetApp Cloud Sync
ハイブリッド・マルチクラウド環境でのデータ同期サービスです。NFSまたはCIFSファイル共有、Amazon S3 Object、Azure Blob、Google Cloud Storage、IBM Cloud Object Storage、NetApp StorageGRID、BOX、SMB Serverなど異なるフォーマットのファイルサーバーの間でデータを転送できます。
手順
1.BOXの認証情報を準備
2.Cloud SyncとS3バケットをAmazon Cloudに作成
3.BOXにあるファイルをS3バケットに同期
構成イメージ:
1.BOXの認証情報を準備
BOXのサイトにアクセスしてアカウントを作成します。外部ユーザーの二要素認証が必要の為、Business プランのEnterprise
を14日無料利用できるプランを選びます。
ログインすると、最初にこの画面になります。Dev Console
とAdmin Console
により、設定を準備します。
- Dev Consoleでの操作
Dev ConsoleをクリックしてCustome App
とServer Authentication (with JWT)
を選び、Appを作成して必要な認証情報Client ID
、Client Secret
、Enterprise ID
、Private Key
、Passphrase
を取得します。
Generate a Public/Private Keypair
を押してDownlaod as JSON
して保存します。
Editorで開いて、中身のJsonを確認して後程これらの情報を使います。
- Admin Consoleでの操作
作成したAppのClient ID
を入れてAdd
します。
Content
にアクセスして、Log in to user's account
をした後にファイルを作っておきます。
- 注意事項:
必ず、My Apps ->Configuration -> App Access LevelをApp + Enterprise Access
にします。
上記の設定後に、Admin Console
からReauthorize App
をします。
ここまではBOXの準備が完了です。
2.Cloud SyncとS3バケットをAmazon Cloudに作成
- Cloud Sync
こちらの記事「Amazon Cloud上にNetApp Cloud SyncのData Brokerを作成する二つの方法」を参考して、Cloud SyncをAWS上に作成します。
Cloud SyncのIAM role
をクリックしてARN
をメモし、後程S3バケットに使います。
- S3
AWS consoleでBlock public access
をoff
にしてS3バケットを作成します。
こちらのドキュメントを参考して「The permissions included in this JSON file」を確認した上でBucket policy
を編集します。<bucketName>
をここで作成したバケットにして、<roleARN>
を上記のCloud SyncでメモしたをARN
にします。
3.BOXにあるファイルをS3バケットに同期
NetApp BlueXPのGUIからドラッグでBOXとS3のSync Relationship
を作成します。
最初準備したBOXの認証情報を入力します。
正しくBOXの認証情報を入れた後、BOXのファイルが読めるようになります。
BOXにあるデモ用のファイルを確認します。
用意したS3バケットを選択します。
S3バケットへのアクセス方法は、S3 Private Links
とS3 Bucket Policy
二つがあります。
S3 Private Links
の場合は、事前にAWS consoleでS3バケットにアクセスできるVPC endpointを作成して選択できます。
今回はS3 Private Links
を利用せずに、S3 Bucket Policy
にCloud SyncのARN
を入れてアクセスできるように設定しました。
Relationship Metadata
はdefaultのままで行きます。
BOXにあるファイル/NetAppCloudSyncDemo/
をS3バケット netappcloudsyncboxtos3demo
に同期します。
同期が完了後、Dashboardから詳細を確認できます。
S3に同期できたファイルを確認します。
まとめ
NetApp Cloud Syncを使って、NetApp BlueXPのGUIにより、BOXにあるファイルをAmazon S3に同期しました。同じことをAmazon FSx for NetApp ONTAPでもできます。
参考リンク
1.Permissions required for S3 buckets in other AWS accounts
2.Amazon S3 とは
3.Cloud Sync: Creating a new data broker in AWS
4.Amazon Cloud上にNetApp Cloud SyncのData Brokerを作成する二つの方法
5.NetApp BlueXP: Create a Connector in AWS from BlueXP
6.クラウドストレージ「Box」とは?
7.Configuring provisioning for Box
8.【AWS初心者向け】ストレージサービス「Amazon S3」