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コルーチンとasync/awaitの違いとは

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はじめに

コルーチンasync/await はどちらも非同期処理を行うための仕組みですが、それぞれの目的や使用法、動作に違いがあります。以下に、両者の違いについて説明します。

コルーチン

  • 使用される環境: 主に Unity で使用され、IEnumerator インターフェースを使って記述します。
  • 実装方法: IEnumerator を返すメソッド内で yield return を用いて実装します。
  • 制御の流れ: コルーチンは、Unity エンジンのフレーム更新と密接に関係しています。yield return を使って、次のフレームまで処理を一時停止することができます。
  • スレッド: コルーチンは メインスレッド で実行され、マルチスレッドではありません。
  • 主な用途: フレーム単位での待機や、ゲームオブジェクトのアニメーション、待機処理に利用されます。
  • 例外処理: コルーチンでは例外が発生してもキャッチが難しいため、例外処理に制約があります。

使用例

IEnumerator ExampleCoroutine()
{
    Debug.Log("Coroutine started");
    yield return new WaitForSeconds(1); // 1秒待機
    Debug.Log("Coroutine finished after 1 second");
}

// 使用
StartCoroutine(ExampleCoroutine());

async/await

  • 使用される環境: C# 全体で使用される非同期処理の標準機能。Task と組み合わせて使います。
  • 実装方法: async キーワードをメソッドに付け、await を使って非同期処理の完了を待機します。
  • 制御の流れ: await キーワードで非同期処理の完了を待機し、処理が完了すると続きが実行されます。
  • スレッド: async/await では、非同期処理はバックグラウンドスレッドで実行される場合もあり、CPU バウンドな処理と I/O バウンドな処理に適しています。
  • 主な用途: 外部サービスとの通信、データの読み書き、ファイル I/O などの非同期処理に適しています。
  • 例外処理: 非同期メソッドの中で例外が発生した場合も、通常の try-catch 文で例外をキャッチできます。

使用例

async Task ExampleAsync()
{
    Debug.Log("Async method started");
    await Task.Delay(1000); // 1秒待機
    Debug.Log("Async method finished after 1 second");
}

// 使用
await ExampleAsync();

コルーチンと async/await の違い

項目 コルーチン async/await
主な用途 Unity のフレーム管理、時間経過 一般的な非同期処理、I/O バウンドな処理
実装方法 IEnumerator と yield return Task と async / await
スレッド メインスレッド マルチスレッドも可能
例外処理 例外処理は難しい try-catch が利用可能
適用範囲 主に Unity 環境 C# 全体
使用例 ゲームオブジェクトのアニメーションや待機 ファイル I/O、ネットワーク通信

まとめ

  • コルーチン は、Unity のメインスレッドでの時間やフレームに依存した処理に適しており、IEnumerator と yield return を使って制御します。
  • async/await は、スレッド管理や並行処理が必要な非同期タスクに適しており、await で非同期処理が完了するまで待機します。

Unity では async/await も使用できますが、await はフレーム待機や時間待機の機能は持っていないため、Unity 特有のフレーム依存の処理では、IEnumerator を使ったコルーチンの方が便利です。
ちなみにKotlinのコルーチンはマルチスレッド環境で非同期処理を簡単に実装するためのものなので、仕組みは異なります。

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