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Affinityはどこへ行こうとしているのか

Last updated at Posted at 2025-10-05

突然の新製品?予告と販売終了

Serif社が開発したグラフィックソフト群、Affinity。
Affinity Designer、Affinity Photo、Affinity Publisherの3本から構成され、安価な買い切りソフトとして知名度を高めてきていた。近年はAdobe製品の度重なるサブスク料金値上げに嫌気してAffinityに移行したという声もSNSで見掛けるようになっていた。

しかし、安価な買い切り販売での経営は難しかったのか、2024年3月にAffinityはCanvaに買収されている。

その後も細々とバージョンアップを続けていたAffinity。

しかし、異変は10月2日に届いた1通のメールから始まった。
affinity_happen1.png

何ごとかと思ってAffinityのサイトに行くと、
affinity_happen2.png
トップページから商品が消え、予告メッセージだけとなった。

この時点でAffinity各製品が公式サイトから購入できなくなり、Microsoft StoreやApp Storeからも購入できなくなったとSNSで報告が上がった。
国内でもソースネクスト自前のストアでは販売終了。Amazonや楽天のソースネクストストア、Vector(Photoのみ)が販売を続けている(2025/10/05時点。なお、購入したのにバウチャーコードが届かないという報告もSNSで上がっているので購入を検討している人は注意)(2025/10/10追記:ソースネクストからバウチャーを購入したものの交換できなかった人に対して返金処置を行っているとのこと)。

一方、iPad版のAffinity 2は無料になったとする記事が。

何かが起きている。

Affinity Forumを見に行くと、10月6日でForumは終了(アーカイブ公開のみ)、情報交換はDiscordに移行すると出てきた。
affinity_happen3.png

予想されるシナリオ

当然のことながら、10月30日に何が起きるのかSNSでも様々な推測が展開されている。SNSの中の人もこの状況はまんざらでもないらしい(意地悪)。

V3が出る

V3が出るのでは?と楽観的に捉えている人が多い印象。
次に挙げるサブスク導入も念頭にしつつ、Affinityとしてはほぼそのまま使えるのではないかというもの。

サブスク化する

完全サブスク化、一部サブスク化など、何らかの形でサブスク料金制を導入するのではないかという声も多かった。
この場合、Affinity と Canva の誓約がどの位反故にされるのかという点にも注目が集まる(言い訳として、既存の2までのソフトはサブスク不要、新バージョンor新製品からサブスクだから反故にはなってない、など)。
ちなみにCanvaは一部機能無料、追加機能はサブスクの料金モデル

Affinityではなく別の製品が出る

私はこの可能性を考えている。Forum終了とAffinity 2即販売停止、ここまでAffinityの痕跡を消す動きであれば、10月30日に発表されるものはAffinityとは別の製品なのではないか。
Canvaに買収されたので、Canvaの機能に吸収、あるいはCanvaの1ソフトとして改編される可能性もありそう(10月30日はCanvaの基調講演が行われる日である)。

AffinityはこれまでAI技術の導入を限定的に考えていて、PC内完結のAI選択機能のみ追加機能として提供してきた。一方Canvaは生成AIを取り入れている。新製品が生成AIを切り離せないものとなってしまえば、生成AI否定派は落胆するだろう。

オープンソース化

なるほど、その可能性は考えていなかった。
ただしこの場合バグ修正等でAffinityのサポートが受けられる可能性は低くなる。

今すべきことは?

様々な可能性を念頭におきつつ、最悪の事態を想定して、今すべきことをまとめておく。

手持ちの環境にインストールしておく

Affinity現行バージョンのPC版販売を終了させてしまったことから、今後別の製品が登場する場合、Affinityを有効化するサーバーがいつまで維持されるかという問題が気にかかる。

とりあえず、今ある環境にAffinityをインストール・有効化しておけば、当該バージョンはソフトをアンインストールしない限り使い続けることができるはずである。

ちょうどWindows 10のサポートが切れるタイミングではあるが、Linux環境でもWine上で動作したという報告があるため、Linuxに入れ直した場合でもAffinityのインストールと有効化はやっておこう。

インストーラは落としておくべし

製品の有効化サーバーが維持されるとしても、インストーラーの公開が終了する可能性がある。今のうちにダウンロードしておこう。

現バージョンのインストーラはこちらからダウンロードできる。

過去のバージョンは以下からダウンロードできる。

無料・買い切りの代替ソフトを探しておく

Affinity Suite相当のソフトがサブスク化した場合、買い切りにこだわりたければ代替品を今から探しておく必要があるかもしれない。

Photoの代替品は比較的多そうである。フリーソフトではGIMPがあるし、買い切りソフトも国内外問わず様々な画像編集ソフトがある。ソースネクストのPaintgraphic 5 Pro AIやPaintShop Proのように、若干のAI機能を持ったソフトもある。

それに比べるとDesignerの代替候補は限られる。フリーのInkspaceはCMYK出力がほとんど不可能。CMYK対応等、印刷用途で使えそうなのはCorelDRAWくらいだが、買い切り価格が高い。たまにソースネクストやHumble Bundleで安売りをする時があるため、狙って買っておくとよいだろう。

代替品として最も困るのはPublisherだが、現行でも縦書きが実装されていないため、本格的な利用者は限定的かもしれない。国産DTPソフトはもはやパーソナル編集長くらいしかなく、国際的なソフトを見てもMicrosoft Publisherが2026年10月にサービス打ち切り。MacユーザーならばPagesを使う手があるだろうが、これもさして機能が多いわけではない。ワープロソフトで代替するか、簡易的なレイアウトソフトを使うか、アドビに高いサブスク料を払ってInDesignを使うかの選択を迫られる。

よい内容を期待しつつ発表を待つ

被買収から突然の販売終了の流れでどうしても悪い方向に考えてしまうのだが、確定した情報は何一つ報道されていない。
発表がユーザーにとってよいものであることを期待しつつ、10月30日を待ちたいと思う。

(追記)
Affinity 2のトライアルが終了し新規購入もできないユーザーが、Affinityに問い合わせを行った様子がRedditに上がっていた。

Affinityからの返信と見られる画像は削除されているが(闇)、およそこんな内容であった。

  • 9/20以降にトライアルを有効化したユーザーに対して機能回復する修正を行っている
  • 10/30以降ストアが再開すれば購入可

今後の展開のヒントになるかもしれない。

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