Qiitaにニュース記事解説を載せるのはご法度かもしれないが、関数電卓に関するニュースが2つ続いたため記事化する。
NaocoがTI電卓の販売を終了、ケニスが引き継ぐ
ふと思い立ってNaocoのサイトを見に行ったところ、「2025.5.8 TI, Vernierの業務は終了致しました。」の文字が。衝撃。
誘導通りケニスのページに行ったところ、自社通販サイト「りかなび」でTI電卓の販売を行っていた。
販売機種は以下の通り。
- BAII Plus/Plus Professional
- TI-Nspire CXII/CXII CAS/教師ソフト
- TI-84 Plus/Plus CE Python
主だった現行機種は引き続き買えそうである。一安心。
カシオ、関数電卓の販売台数が前年度比100万台減
カシオが5月13日に決算発表を行い、2024年度の関数電卓販売台数を公表した。
資料によると、2025年3月期(2024年度)の販売台数は2100万台。2024年3月期(2023年度)の2203万台と比較して103万台減(-4.7%)となった。
過去5年間の推移は以下の通り。
2020年度1 | 2021年度2 | 2022年度3 | 2023年度3 | 2024年度4 |
---|---|---|---|---|
1340万台 | 1780万台 | 2220万台 | 2203万台 | 2100万台 |
2021年度から2022年度にかけての激増があり、横ばい後の100万台減なので評価が難しいが、旧ClassWiz(EX)販売打ち切りによるCWへの移行誘導はあまりうまくいっていないと考えられる。また、フィリピンの公的試験で一部カシオ機の使用禁止が続いている(改造電卓を持ち込んだ受験者の問題でカシオに落ち度はないと考えられているが)ことがどの程度影響を与えているかも気になる。
なお資料には、関数電卓「欧州は堅調」「一部の新興国で通貨安の影響を受け、減収」、New ClassWiz「売上拡大」「使用エリアを拡大」の記載がある。
で、初代ClassWiz(EX)のクローン機って正直どうなのよ?の記事で触れた通り、各国でEXクローンを製造するメーカーが立ち上がっている。また、衝撃のClassWiz CWクローン、deli D992CN Pro関数電卓を買ってみたのように、すでにClassWiz CWのクローン機が作られ、しかも機能が追加され比較的安価に販売されるようになっている。
低価格帯市場で大きなシェアを誇るカシオは、使いやすい過去モデル(EX等)のクローン機との戦い、低価格で機能追加もあるCWクローン機との戦いを強いられていくことになる。
模造品対策に固執して落日となっていくのか、利用者視点を取り戻して販売台数を回復することができるか。電子辞書事業縮小を発表したカシオにとって試練の年になりそうだ。