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衝撃のClassWiz CWクローン、deli D992CN Pro関数電卓を買ってみた

Last updated at Posted at 2025-05-03

昨日ので、初代ClassWiz(EX)のクローン機って正直どうなのよ?に続き、今日はCWクローンのネタである。

初めて京東を利用

カシオClassWiz CW関数電卓のクローン機、ついに現わるの記事でも触れたように、きっかけはBaidu Tiebaのこの掲示板スレを見つけたことだった。

型番をもとにdeliの公式ページを確認したところ、D999CN ProD992CN Proの存在を確認した。
d992cn1.png
それぞれ黒系と白系の2色。検索結果のサムネールを見る限り、D999CN ProにはNewのアイコンが付いているが、D992CN Proにはアイコンが付いていない。
つまりD992CN Proの方が先に発売されたようだ。

日本から何とか入手する方法が無いか調べるも、タオバオには出品なし。一方京東にはD992CN Proの出品があった(商品ページ商品ページのキャプ)。

そこで京東(jd.com)に登録して直接購入してみることにした。
口コミでは登録時にSMS認証ではなく音声電話でコードが読み上げられるとのことで恐れていたが、実際にはSMSでコードが送られてきて何の問題もなく登録が完了した(また方針が変わるかもしれない)。

商品価格120元、送料137元。送料はもっと安く上げることもできるが、初回で勝手がわからないこともあり、高い送料の方でポチる。IDARE決済で5059円。
d991cn3.png
(なお、この記事を書くために商品ページをキャプったら96元になっていた。セールかと思ったら、商品購入者に配られた20%引きクーポンが適用された価格みたい。)

4/24の昼に注文し、その後UPSの遅延がありながらもヤマト経由で5/2到着。8日で到着ということになる。

パッケージ、外観、表示

パッケージはカシオと同じ紙箱ながら、CN Proの文字はデボスの金色箔押し。
d992cn4.jpg

筐体もEXクローンのような安っぽさはなく、キーの押し心地もやや硬いがまずまず。
Proの名に恥じない仕上がりとなっている。
カバーはマグネット着脱式。入力時にややガタつく&音が響きやすいのが難点。カバーは背面に付けず直置きがよいかもしれない。
d992cn5.jpg

fx-JP500CW(右)と厚みを比較。
d992cn8.jpg

出荷時設定の言語は中文なので、英語に変更する(以下、Qiitaで中国語を指定する方法がわからないため、中国語の単語でも日中の漢字が混在する)。
[设置]→系統设置→语言→English
d992cn20.jpg

キー表記は中国語なので、英語表示に切り替えてもキーの指示は表記通りの中国語で行われる。

HOMEキーに相当するのは[菜单](家アイコンではなくハンバーガーアイコンになってしまっている)。ClassWiz CWと違い、2回連打すると直前に使っていたアプリへカーソルが移動する。
その他、CATALOG→[目录]、TOOLS→[工具]、INS→[插入]、OFF→[关机]、FORMAT→[格式]といった具合。[格式]のシフト側に[拆解](分解)の文字が見えるが、何に使われるかは不明。

画面はdeli EXクローンと同じく縦長で表示される(左の白筐体がD992CN Pro、右の黒筐体がfx-JP500CW。以下断り書きがない場合同様)。
d992cn6.jpg

度分秒が入力段階で°,′,″と区別されるのもEXクローンから継続。
d992cn7.jpg

残念ながら、CWで機能改悪された指数入力もそのまま実装されている。モデルチェンジすることがあれば、最低限EX相当の指数入力に切り替える機能を付けてほしい。
d992cn9.jpg

CWの売りの一つである階調表示には対応していない。コントラスト調整画面はこの通り。
d992cn21.jpg

ここがスゴい!

さて、ここからはBaidu Tiebaの書き込みの再試行も含め、ClassWiz CWに対する利点を挙げていこう。

内部計算精度

エイプリルフール企画:関数電卓の精度を比較するに追記したが、10進数におけるD992CN Proの内部計算精度は27桁である。ClassWiz CWの23桁に対して4桁も多い。
Baidu Tiebaは2進数での検証を行っていたが、72桁ということになるだろうか。CWの59桁に比べ13桁多い。
d992cn10.jpg
d992cn11.jpg

$ π $や$ e $の値もここまで入っている。
d992cn16.jpg
d992cn17.jpg

e

何と、D992CN Proは $ e^{iπ} $ も計算できてしまう。
d992cn12.jpg

素因数分解

4桁の約数が複数あっても難なく分解できる。
d992cn13.jpg
こんな大きな数でも。
d992cn14.jpg

分数表現

分数で表現できる範囲もちょっとだけ広くなっている。
カシオ機で分数にできなかった $ \frac{82850}{471} $ (帯分数だと $ 175\frac{425}{471} $ となり、区切り文字を入れると11桁になるため、仮分数表現でも不可)も、D992CN Proなら仮分数の形であれば表現可能である。
なおマニュアルの記載はClassWiz CWと同じであることから、仕様なのかたまたまできてしまっているのかはわからない。deli EXクローンはこの分数を表現できなかった。
d992cn15.jpg

演算速度

積分計算はClassWiz CWより速いものが多かった。
特に

  • ∫(sin(x)^2+√x,0,π rad)
    ClassWiz CW:約19秒、D992CN Pro:約8秒
  • ∫(tan(x),0,1.57079rad)
    ClassWiz CW:約8秒、D992CN Pro:約5秒

など、2倍近く速い式もあった。

弱点を少々

演算速度

総和に関しては

  • Σ(x^2-1,1,14000)
    ClassWiz CW:約44秒、D992CN Pro:約1分6秒

など、遅い式も見られた。

積分結果の端数

ClassWiz CWでも前モデル(EX)で答がπになっていたものが小数表記になってしまう例があったが、D992CN Proでも他モデルがπや分数表記の答を出す式で小数の答を返してしまうことがある。内部精度が高すぎるせいか、近似しきれなかったと考えられる。
d992cn18.jpg
d992cn19.jpg

関数電卓マニアなら購入を検討してみては

前回紹介したEXクローンの中でも、ベトナムの2つのメーカーは独自機能を搭載していた。deliはEXクローンで表記に関して独自色を出した部分があったものの、新機能を搭載するには至っていなかった。
今回CWクローンであるD992CN ProにはCWにない機能がいくつか搭載されている。ようやく本気を出してきたと言えそうだ。
ClassWiz CWと同様に指数入力の問題があり、常用には向かない機種である。一方、上で紹介した新機能に興味がある方(特に関数電卓マニアな方)は購入を検討してみてはいかがだろうか。
京東の送料は官方直邮(直送)だと137元かかってしまうが、三方集运-空运(混載空輸)だと最安45元なので、うまく最低料金に収まれば送料込みでも3300円程度で入手することができるかもしれない(自分はこの配送方法を試してないので、京東に関する他の口コミ等も参考に)。

(2025/5/13追記)タオバオ・天猫でも取り扱いストアが続々

タオバオや天猫でも上位機種のD999CN Proを取り扱うストアが出てきている。

タオバオは決済方法に難があるが、輸入代行業者を使うなどして入手可能であろう。

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