チュートリアルが用意されている
Affinity by Canvaにはいくつかの新機能が加わった。
開発主体がCanvaになったことで、生成AI機能(Canva AI)がサブスク(Canva Pro/Business/Enterprise)利用者限定で使用可能となった。
一方、無料部分でもいくつか新機能が搭載されている。
個人的に最も価値があると感じた新機能は画像トレース。ピクセルデータの境界を自動で判別してベクター化する機能である。
ありがたいことにチュートリアルが用意されているので、まずはそれに従って試してみよう。
Affinityを起動すると表示される「ようこそ画面」の下部に「Welcome to Affinity」と書かれた部分があり、チュートリアルアイコンが並んでいる。

右側にある「詳細を見る...」をクリックすると、現時点で用意されている8種類のチュートリアルが表示されるが、下段にある「Vector Trace」を選ぼう。
初回起動時(クラウドアイコンの時)はチュートリアル用のファイルがダウンロードされる。

このようにサンプルファイルが自動で開き、動画や解説文を見ながら機能を試すことができる(解説文が英語のままなのが残念)。

するとこのようなダイアログが出てきて、「エッジのしきい値」「カーブにフィットする許容量」の設定が行える。

左下のアイコンについて説明すると、左のアイコン(目のアイコン、初期状態)は適用後のプレビュー。
真ん中のアイコンは分割表示(2分割でスライドさせながら適用前後が比較できるモード)。

右のアイコンはミラー表示(2分割で同じ場所の適用前後が比較できるモード)となる。

カーブにフィットする許容量の違いを0%, 50%, 100%の3つで比較してみた。
特にFの形状の違いがわかりやすいだろうか。

なお、サンプルファイルはコントラストがはっきりした画像のため、エッジのしきい値に関しては変化がなく、比較は割愛する。
ネコの写真を画像トレースで線画風にしてみよう
画像トレースは単純な図形の画像のみならず、写真に対しても適用できる。
今度はこのネコの写真に画像トレース機能を使ってみよう。

ローカルAI(機械学習)によるオブジェクト選択は引き続き無料
ネコの部分だけ取り出したい場合、サブスク加入者であればCanva AIの背景除去を使ってネコのみを取り出すことができる。
一方、無料ユーザーであっても、V2で搭載された機械学習によるオブジェクト選択機能を使えばネコの部分を自動的に切り抜くことが可能だ。そのやり方も解説する。
ピクセルスタジオのツールバーの中で、データベースのようなアイコンがオブジェクト選択ツール。

ただし機械学習モデルをインストールせずに使おうとすると、インストールするように促すダイアログが表示される。

設定ボタンを押すと、編集→設定→機械学習の操作をした時と同じ画面が表示されるので、セグメンテーションをONに。
機械学習モデルがインストールされた後、使用可能となる。

改めてオブジェクト選択ツール。
押すとしばし時計アイコンが表示され、解析が行われる。
解析が終わると、認識された部分が水色斜線で塗られるので、その部分でよければクリックをして選択を完了させる(周囲が破線で囲まれる)。


この後、マスクで切り抜きを完了させることもできるが、それだと画像トレースはできない(元写真全体に対して適用しようとし、うまくいかない)。
そこで選択範囲をコピーし、新規画像を作ることにする。
編集→画像の統合してコピー(またはCtrl+Shift+C)

画像トレース機能を適用する
あとはベクター→画像トレースで設定ダイアログを表示させればよい。
適宜スライダーで調整した後、適用すれば完了である。

新しくなったAffinityは画像トレース機能を気楽に使えるので、ぜひ試してみてほしい。
ここまでの内容、全部無料でできちゃいます!
(追記)
上記の説明では選択範囲(ネコ)に対して新規画像を作ったが、新規画像を作らない方法として、範囲を選択した状態でCrtl+J(編集→複製→選択)と操作すると、元画像はそのままで選択範囲のみ複製される。




