HCD基礎検定とは
HCD検定とは、
「人間中心デザイン(HCD)基礎知識体系」をベースとした検定試験制度です。2020年にNPO法人人間中心設計推進機構(HCD-Net)のHCD専門資格認定センター内WGグループが、HCDに関する基礎知識体系をまとめるとともに、制定した検定試験です。
詳細はこちらの公式サイトをご確認ください。
検定概要
試験:年3回(3・7・11月)実施
受験資格:50問50分
出題範囲:「人間中心デザインの基礎知識体系」をベースにした、HCDの理念/マインド、共通言語、手法/プロセスに関する知識と人間工学、認知工学などの人間の特性に関わる基礎知識です。
主催:一般社団法人人間中心社会共創機構(HCS共創機構)
後援:NPO法人人間中心設計推進機構(HCD-Net)
受験した理由
私の所属している開発部はエンジニアチームとデザインチームに分かれています。エンジニアの学習する言語(領域)は山ほどあり選び放題ですが、デザイナーのカバーする領域はエンジニアほど多くありません。言語ではHTML、CSS、JavaScriptあたりが一般的でしょうか(人によってはPHPやPythonなども習得される方もいるようですが)
。
デザインに関してはHCDのように概念的なものもあり全体を網羅することが難しいです。
その他のUXD系の資格は「人間中心設計専門家・スペシャリスト」が有名ですが、これは実務経験が5年以上とちょっとハードルが高いようですね。
人間中心設計やUXデザインなど個人的には勉強していますが、実務で意識して使うことは弊社の場合ほぼありません。
なので、頭の中の知識を整理して定着されるためにもいいかと思いました。
結果と感想
UXデザインの書籍や記事も山ほどありますが、都度一部の記事を抜粋して読むだけでは人間中心デザインの全体像を把握しにくいという面がありました。資格試験のいいところは、その分野を体系的に学習できるところです。
教材
公式に配布されるPDFと動画教材(6本)があるので、これを繰り返し見ました。
その他に参考図書として『人間中心設計入門 HCDライブラリー0巻』が勧められているので、公式の教材に記載されていない部分はこちらでカバーしました。
人間中心設計入門 HCDライブラリー0巻
過去問的なものとして、例題が3問だけ公式サイトに掲載されています。
【問題例1】
ユーザー調査でわかったことを活用して、ユーザーを代表する仮説的な原型を作る方法のことをなんと呼ぶか、次の中から正しいものを選びなさい。
①ペルソナ法
②ダイアリー法
③ジャーニーマップ
④ユーザプロファイリング
勉強を始めてみると聞いたことない単語がけっこうあるのと勘違いして覚えている用語などが出てきます。あらためて確認する意味でいい勉強になりました。
勉強方法
紹介されている参考文献を読んで、頭の中を整理するためにマインドマップ(figma jamで作成)を作りました。
figma jamでは、マインドマップツールのようにタブキーやスペースキーでどんどん作っていくことはできないのですが、図などは任意の場所に自由に配置できるのが気に入っています。
困ったところ
過去問がまったくなく、公式サイトに例題が3問載っているだけです。
傾向と対策がほぼできないので参考図書を読んで上記のようにマインドマップで整理しました。
結果と感想
結果が44点/50点(合格基準は80%らしい)
特別に勉強しなくても常識で考えればわかるでしょうという問題もありましたし、「そんなのどこに載ってたの?」という問題もありましたが、それほど難易度の高い試験ではないので数週間の学習で十分合格できると思います。もう少し出来てると思ったのですが。
合格発表は1か月後くらいということでしたが、2週間後の7/15にはメールが届いていました。
- 理念 7/7
- 計画 5/6
- 要求定義 5/7
- 具現化 7/7
- 評価 4/4
- 運用 3/3
- 基本知識 9/12
- 背景 4/4
基本知識と要求定義で間違えたのはわかるのですが、はたしてどの問題で間違えたのか、正解だったのかがわからないのでフィードバックができないのが難点です。
また、基礎検定ということは今後はより上級の資格も作られるかもしれません。その時にはぜひチャレンジしたいと思います。(人間中心設計専門家・スペシャリストの試験は受験資格が「人間中心設計・ユーザビリティ関連の実務経験5年以上」ということなので、現状では難しいですね。)