OpenAIの新モデル GPT-6.1 Terra が登場しました。
公式が挙げる強みは、視覚的な推論、コンピューター操作、自然で明瞭な文章作成。さらに、APIの標準テキスト料金はGPT-6.1 Solの半額です。
「それなら、普段の開発はTerraに任せて、重要なレビューだけSolにする運用もありなのでは?」
この記事では、公式情報をもとに、Solとの違いや料金、開発での使い分けを整理します。
この記事は2026年10月27日時点の公式情報に基づきます。ベンチマークや実測結果を示す記事ではありません。料金や仕様は変更される可能性があります。
まず結論:TerraとSolの違い
| 比較項目 | GPT-6.1 Terra | GPT-6.1 Sol |
|---|---|---|
| 公式の位置付け | 視覚的推論・コンピューター操作・文章作成に強い、高速で効率的なモデル | 複雑な作業向けの高性能モデル |
| 公式が挙げる用途 | 技術図面の理解、画面操作、文章の作成・修正など | 複雑なコーディング、画面操作、専門的な作業 |
| コンテキストウィンドウ | 1,050,000トークン | 1,050,000トークン |
| 最大出力 | 128,000トークン | 128,000トークン |
| 知識カットオフ | 2026年6月1日 | 2026年4月30日 |
| 推論設定 |
none〜max
|
low〜max
|
| API入力料金 | $1.00 / 100万トークン | $2.00 / 100万トークン |
| APIキャッシュ済み入力 | $0.05 / 100万トークン | $0.10 / 100万トークン |
| API出力料金 | $5.00 / 100万トークン | $10.00 / 100万トークン |
※料金は通常のコンテキスト長におけるStandard処理のテキスト料金です。Terra公式・Sol公式を参照。
コンテキスト長と最大出力は同じで、標準のトークン単価はTerraが半額。 一方、コーディングの正確性や実際の速度差は、この表だけでは判断できません。
GPT-6.1 Terraは何が得意?
公式ページでは、以下のような用途が紹介されています。
| 分野 | 用途例 | 開発者が試せそうなこと |
|---|---|---|
| 視覚的推論 | 商品写真とカタログの照合 | スクリーンショットの確認 |
| 図の理解 | 技術図面の解釈 | 図や画面の説明・整理 |
| コンピューター操作 | アプリの画面操作 | 操作手順の実行・確認 |
| 文章作成 | 文章の作成・修正 | READMEやドキュメントの整備 |
右列は公式の性能保証ではなく、紹介された強みから考えた活用例です。実際には、出力内容や操作結果を確認する必要があります。
対応する入出力と機能
| 項目 | 対応状況 |
|---|---|
| テキスト | 入力・出力に対応 |
| 画像 | 入力に対応 |
| 音声・動画 | 非対応 |
| Function calling | 対応 |
| Structured outputs | 対応 |
| Fine-tuning | 非対応 |
Responses APIでは、Web検索、ファイル検索、Code Interpreter、Computer Use、MCPなどのツールも利用できます。画像生成ツールにも対応していますが、これはTerra自体が画像を直接出力するという意味ではありません。
API料金はSolの半額。ただし、総額も半額とは限らない
Standard処理のテキスト料金は次のとおりです。
| 料金(100万トークンあたり) | Terra | Sol | Terra / Sol |
|---|---|---|---|
| 入力 | $1.00 | $2.00 | 50% |
| キャッシュ済み入力 | $0.05 | $0.10 | 50% |
| 出力 | $5.00 | $10.00 | 50% |
具体例:入力100万・出力10万トークン
キャッシュやツール利用がなく、通常のコンテキスト長の標準料金が適用される場合を考えます。
| モデル | 入力料金 | 出力料金 | 合計 |
|---|---|---|---|
| Terra | $1.00 | $0.50 | $1.50 |
| Sol | $2.00 | $1.00 | $3.00 |
同じトークン量なら半額です。しかし、実際の作業ではモデルごとに出力・推論に使うトークン数や再試行回数が変わります。
たとえば、Terraで何度も修正が必要になれば、単価が安くても作業全体の費用差は縮まります。逆に、必要な品質を少ない手戻りで得られる作業なら、コスト面のメリットが大きくなります。
比較したいのは「1トークンの価格」だけでなく、「タスクを完了するまでの費用」です。
272Kトークンを超える入力には注意
TerraとSolはどちらも、入力が272Kトークンを超えるリクエストでは、リクエスト全体に次の料金調整が適用されます。
| 項目 | 料金調整 |
|---|---|
| 入力・キャッシュ関連 | 2倍 |
| 出力 | 1.5倍 |
1,050,000トークンのコンテキストに対応していても、長い入力を常に通常単価で扱えるわけではありません。大きなリポジトリでは、必要なファイルを絞る、検索やキャッシュを使うといった工夫も大切です。
推論レベルの違い:Terraにはnoneもある
| 設定 | Terra | Sol |
|---|---|---|
none |
対応 | 非対応 |
low |
対応 | 対応 |
medium |
対応・デフォルト | 対応・デフォルト |
high / xhigh / max
|
対応 | 対応 |
Terraでは、推論を行わないnoneからmaxまで選択できます。
実際に試すなら、短い整形作業はnoneやlow、複数ファイルにまたがる変更や不具合調査はmedium以上、というように比較するとよさそうです。これは公式の用途別推奨値ではなく、検証を始めるための目安です。
推論レベルを上げても正確性が保証されるわけではありません。処理時間や使用量も含め、タスクごとに確認しましょう。
コーディング性能と速度はどうなのか
ここは開発者として最も気になる部分ですが、今回確認した公式モデルページには、TerraとSolを同条件で比較できるコーディングベンチマークの数値は見当たりませんでした。
| 気になる点 | 現時点で言えること |
|---|---|
| TerraはSolより正確なコードを書ける? | 公式モデルページだけでは判断できない |
| TerraはSolより何倍速い? | Terraは高速と紹介されているが、比較倍率は確認できていない |
| Terraを開発のメインにできる? | タスクに対する品質・手戻り・費用の実測次第 |
| Solは使わなくてよくなる? | 公式はSolの用途として複雑なコーディングを挙げている。使い分けは実測で判断したい |
ベンチマークの数字がない状態で「Sol並み」「開発ではTerra一択」と断定することはできません。まずは、自分のリポジトリや普段のタスクで比較するのがよさそうです。
開発では「Terraで作業、Solでレビュー」はあり?
候補の一つとして、次のような分担を考えています。
| 役割 | 担当 | 作業例 |
|---|---|---|
| 実装・調査 | Terra | コード変更、ドキュメント整備、テスト追加 |
| レビュー | Sol | 仕様漏れ、回帰、設計上の問題の確認 |
| 最終確認 | 人間・自動テスト | 要件確認、テスト実行、必要に応じた手動検証 |
普段の作業には単価の低いTerraを使い、重要な変更ではSolにも確認させる、という構成です。
ただし、これは実測前の運用案です。両方のモデルを使うことでレビュー分の時間と費用も増えます。Terra単独、Sol単独、Terra+Solの3パターンを比べると、どこまで価値があるか見えやすくなります。
また、別モデルがレビューしても、両者が同じ前提を見落とす可能性はあります。認証・認可や権限管理などの重要な変更では、仕様確認やテストを含めて判断したいところです。
作業ごとの使い分け案
| 作業 | 最初に試す候補 | 理由 |
|---|---|---|
| READMEやドキュメントの整備 | Terra | 文章作成・修正が公式の用途に挙げられている |
| スクリーンショットを使った画面確認 | Terra | 視覚的推論が強みとして紹介されている |
| 小規模な修正 | Terra | 品質とコストを比較しやすい |
| 複雑な実装・設計 | Sol | 公式が複雑なコーディングを用途に挙げている |
| 重要な変更のレビュー | Solも含めて検証 | 見落としや費用を含め、実際の結果で判断したい |
自分のプロジェクトで比較するなら
個人的には、実際のリポジトリを使って次のように比較したいと考えています。
| タスク | 確認したいこと |
|---|---|
| READMEの整備 | 実装と矛盾せず、必要な情報を整理できるか |
| 既存バグの修正 | 原因を特定し、既存機能を壊さず直せるか |
| 複数ファイルの機能追加 | 変更範囲を理解し、要件を満たせるか |
| テスト追加 | 正常系だけでなく、境界条件も確認できるか |
| コードレビュー | 問題を発見できるか、誤検知が多すぎないか |
比較時には、同じコミット・同じ指示・同じテスト環境を使います。可能なら複数回試し、次の項目を記録します。
| 指標 | 見るポイント |
|---|---|
| 完了率 | 要件を満たせたか |
| テスト | 既存・追加テストが通るか |
| 回帰・仕様の正確性 | 既存機能や記載に問題がないか |
| 所要時間 | 確認や手戻りを含め、完了まで何分かかったか |
| 使用量・費用 | 入出力やツール利用を含めていくらかかったか |
| 追加指示 | 人間による修正や指示が何回必要だったか |
生成速度だけでなく、確認・修正を含む「完了までの時間」で比較するのがポイントです。
ChatGPTでも2倍使えるの?
API料金が半額であることと、ChatGPTの利用枠は別の話です。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| API料金 | APIで使ったトークンなどに対する料金 |
| ChatGPTの利用枠 | プランやモデルなどに応じた利用条件 |
| Codex・Workの利用 | 利用環境やプランに応じた条件 |
API料金表だけから、すべてのプランや環境で「必ず2倍使える」とは判断できません。利用できるモデルや上限は、各サービスの最新情報や利用画面を確認してください。
まとめ
| 観点 | 今回のポイント |
|---|---|
| 強み | 視覚的推論、画面操作、自然な文章作成 |
| コンテキスト | 1,050,000トークン。Solと同じ |
| API料金 | Standardのテキスト単価はSolの半額 |
| 注意点 | 272Kトークン超の入力には長文料金が適用される |
| 開発での使い方 | Terraで作業し、重要な変更をSolでレビューする構成が候補 |
| 性能・速度 | 比較ベンチマークや自分の環境での実測が必要 |
GPT-6.1 Terraは、特に文章や画面を扱う作業を、コストを抑えながら試したい人にとって気になるモデルです。
開発のメインにできるかは、実際のコードの正確性や手戻りを見て判断したいところ。まずはREADME整備や小規模な修正から試し、Solとの違いを比較してみたいと思います。