はじめに
こんにちは! DX開発事業部のモダンエンジニアリングセクションビジネスソリューショングループ配属の戸塚晴菜です。
2025年12月11日、Google Cloudから次世代モデル「Gemini 3」シリーズが正式発表されました!🎉
複雑なタスク処理に強いハイエンドモデル「Gemini 3 Pro」に加え、圧倒的な応答速度とコストパフォーマンスの「Gemini 3 Flash」も公開さています!
特に注目されているのが、今回のアップデートで「Gemini 3 Pro」に本格実装された「思考(Thinking)」プロセスです。
この機能は、前世代の「Gemini 2.0 Flash Thinking」で試験的に導入され話題となりましたが、Gemini 3 Proではその推論能力がさらに強化され、標準機能として正式に組み込まれました。
これにより、複雑な問いに対しても、より深く、論理的な手順を踏んで回答を生成できるようになっています!
そこで本記事では、Gemini 3 Proのを使って「思考プロセス」を実際に可視化し、AIがどのように推論を重ねて答えにたどり着くのかを検証してみたいと思います!
「AIの頭の中を覗いてみたい!」という方、必見です!👀✨
そもそも「思考プロセス(Thinking)」とは?
従来の言語モデルは、確率的に「次に来る単語」を予測することで文章を作成していました。
しかし、数学の問題や複雑な論理的推論が必要なタスクでは、直感的な回答をしてしまい、間違えることがありました(ハルシネーションなど)。
Gemini 3 Proの「思考プロセス」機能は、じっくり考える時間です。
問題を理解する
解決のための手順を計画する
各ステップを実行・検証する
最終的な回答をまとめる
この一連の流れをAI自身が行い、さらにその思考の過程を私たちユーザーに見せてくれるのが、今回の大きな特徴です!
実際に「思考プロセス」を見てみよう!
Gemini 3 Proに少し複雑な「川渡り問題」を出題して、「思考プロセス」を見てみましょう!
出題するプロンプト
「ある農夫が、オオカミ、ヤギ、キャベツを連れて川の左岸にいます。
ボートには農夫以外にあと1つしか乗せられません。
オオカミとヤギを2人きりにするとオオカミがヤギを食べます。
ヤギとキャベツを2人きりにするとヤギがキャベツを食べます。
全員が無事に右岸に渡るための手順を教えてください。」
これをGemini 3 Proに投げかけると、すぐに回答が出るのではなく、まず思考を開始します。
回答の冒頭に「Define the Challenge(課題の定義)」という表示が出てきました。
ここをクリックして展開すると、Geminiが裏側で行っている思考のログを見ることができます。
課題を定義する
古典的な「川渡りパズル」を解析してきました。
核となる課題は明確です。
農夫はオオカミ、ヤギ、キャベツを川の向こうに運ばなければなりませんが、オオカミがヤギを食べたり、ヤギがキャベツを食べたりしないよう、制約条件に直面することになります。
私の分析は現在、問題の要素をより正式な構造、おそらく計算モデル化に適したものにすることに注力しています。
手順の詳細
今、私は解決策を段階的に検討しています。
初期設定と禁止ペアリングは定義済みです。
まずは誰が先攻か分析することにしました。
ヤギを連れて行くのが最初は最も安全な選択肢に思えました。
次のステップでは、農夫が左岸に戻ることになるでしょう。その後、残りの選択肢を検討します。
道を探る
解決策のステップを詳細に計画し、特に選択肢Aに焦点を当ててきました。
最初はオオカミを連れて行こうとしましたが、すぐにヤギを左岸に戻す必要があることが明らかになりました。
現在はステップ5にいます。
農夫がキャベツを持って戻り、オオカミとキャベツを安全に右岸に残します。ヤギは解決策の鍵となるピースであり、ヤギを取りに戻ることが次の重要なステップです。
ソリューション構造の検証
解決策の核となるロジックに満足しています。
代替案となる最初のステップ(最初にキャベツを取る)を再評価したところ、すぐに標準的なアプローチに戻ることがわかりました。
これにより、既存の構造の効率性が裏付けられました。
今後は、回答を形式化し、明確さと構成を確保し、フォーマットを用いて理解を深める作業を進めていきます。
ここでは、問題を視覚的に表現するのが良いでしょう。
最終的な回答
思考プロセスを経て、Gemini 3 Proは以下のように回答してくれました。
解答ステップ
1.農夫がヤギを連れて右岸に渡ります。(残:オオカミ、キャベツ)
2.農夫だけが左岸に戻ります。
3.農夫がオオカミを連れて右岸に渡ります。
(ここで右岸にオオカミとヤギが揃いますが、農夫がいるので安全です)
4.【重要】農夫がヤギを連れて左岸に戻ります。
(オオカミだけが右岸に残ります)
5.農夫がキャベツを連れて右岸に渡ります。
(右岸でオオカミとキャベツになりますが、オオカミはキャベツを食べないので安全です)
6.農夫だけが左岸に戻ります。(残:ヤギ)
7.農夫がヤギを連れて右岸に渡ります。
これで、全員が無事に右岸へ渡ることができます。
手順のポイント
ヤギはオオカミにもキャベツにも狙われる対象なので、ヤギを一人にしない(またはペアにしない)ことが攻略の鍵でした。
※手順3と5の「オオカミ」と「キャベツ」を運ぶ順番は逆でも正解です。
他にも論理パズルやなぞなぞをご存知になりたいですか?もしよろしければ、別の問題を出題することもできます。
すごい!👏
特に感動したのが、思考プロセスの中で「Exploring the Path(道筋の探索)」や「Verifying Solution Structure(構造の検証)」といったフェーズを踏んでいる点です。
ただGeminiが知識として答えを知っているのではなく、論理的解いている様子が可視化されることで、回答への信頼性がと高まります!
今回の解決手順をわかりやすく可視化するために、Nano Banana Proを使って、イラストにしてもらいました!🍌
思考プロセス通りに、農夫が行ったり来たりして、無事に全員運び終わる様子描かれています!
テキストだけでなく、こうして視覚的にも出力できると、理解度がさらに上がります!
思考プロセスの可視化がもたらすメリット
実際に使ってみて、この機能は信頼性だけでなく、開発の現場でも非常に役立つと感じました。
-
デバッグがしやすくなる
これまで、AIが間違った回答をした際、「なぜ間違えたのか」を知るのは難しかったです。
しかし、思考プロセスが見えることで、「あ、ここで条件を読み違えているな」や「計算の順序が逆だな」といった原因特定が可能になります。
これにより、開発の精度を高めることができます! -
複雑なタスクへの対応力向上
複雑なタスクの場合、AIがどのような観点でセキュリティチェックを行ったかが可視化されるため、レビュワー(人間)の確認作業もスムーズになります。 -
ハルシネーションの低減
思考プロセス内でAI自身が「Verifying(検証中)」というステップを踏み、整合性をチェックしているので、事実と異なることや論理破綻した回答を出力するリスクが減っています!
特に正確性が求められる開発においては、非常に魅力的であると感じました。
まとめ
今回は、Gemini 3 Proの「思考プロセスの可視化」について、実際に検証してみました!
AIが人間が物事を考えている時のようにのように試行錯誤しているログを見るのは、とても良い体験になると思います!
これまでは「ブラックボックス」と言われがちだったAIの思考回路が、こうしてオープンになることで、様々なシステムへの導入ハードルも下がっていくと思います!
ぜひ皆さんも、Gemini 3 Proを使って「思考プロセス」を可視化してみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
参考リンク
参考リンク・出典
本記事の執筆にあたり、以下の公式ドキュメントや発表情報を参照・引用いたしました。
Google Cloud 公式ブログ:Introducing Gemini 3 and Gemini 3 Flash
Google Cloud Vertex AI ドキュメント:Reasoning with Gemini (Thinking process)
Google Cloud Vertex AI ドキュメント:Vertex AI Studio Overview




