p_UGに初参加させていただき、パネルディスカッションが面白かったので簡単なレポートにまとめてみました。
データ活用が現場に根付いている?
阿部さん
- 入社時5点、現在30点
- 根付く/根付かないの判断は、ビジネスプロセスにデータ活用が組み込まれるか
- お客さんが自社サービスをどのくらい使用しているかに応じて営業さんがアプローチを変えるとか、先読みしての提案とかで活用できている
- ただ、各組織の活用レベルはもうちょっと向上させたい
伊藤さん
- 80点
- 現場=社内とするならもう少し高いかも
- ただ、本当の現場はサービスを利用している学校や保護者・生徒
- データやダッシュボードは天気予報
- なぜ見るかと言うと傘を持っていくか否かの意思決定をするため
- 天気予報そのものが好きな人はほぼいない
- その状態にデータやBIがなっているのが完全な活用状況
- 行動や意思決定とともにエビデンスとなるデータが出てくるのが理想
Q.社内浸透させるためにはトップダウン?ボトムアップ?
A.ボトムアップの方が良い。管理職はデータ/BIをあまり見ないので、まずは現場でみんな使ってますよという状況にして、徐々に上を囲い込んでいくのが良い。
データを活用してくれない人に対しては、丁寧なコミュニケーション(京都人のコミュニケーションのイメージ)を取っていくことが大事。
データ利用者を増やすための取り組みは?
伊藤さん
- 王道:BIツールの研修を実施
- データ活用で何が嬉しいのか・データを可視化する大変さを実感してもらう
- また、SQL道場みたいな感じでコンテンツ用意と研修を行う
- 亜種:データ活用頑張っている人に、社内の表彰ポイントをこそっと付与していくと社内でバズった
- 真面目なだけじゃなくてちょっと斜め上からアプローチしてみるのも一手
阿部さん
- みんなが見たいデータを握ることが一番大事
- そのデータを握るためには、社内からの信頼が大事。各所から面倒を見るように依頼されたり
- データチームで集まらず、外に出まくる
- 粘り強く情報発信し続ける
- その際は情報を一本化する(ここを見ればだいたいわかる、みたいな)
組織内でデータ活用を当たり前にしていくために大事なことは?今後のAIの進化で変わることはある?
阿部さん
- 成功体験を如何に作っていくか
- 活用レベルに応じて、そのためのアプローチは変わる
- 活用レベルが低いところはデータを綺麗にして集めていくところから始める
- ある程度のところまで来たらどうしてもケースバイケース
- お客さん向けにAIを活用するのも一手
- お客さんはデータをどう見たら良いかわからない、そこにAIを差し込んでいけたら良さそう
伊藤さん
- 組織の目標に定量目標を入れる、それに紐づいてどうやって貢献するのかをヒアリングし続ける
- 全社の目標に対して自組織の活動がどのくらい達しているかを定量的に評価させる
- 会社のVisionにデータ・テクノロジー活用があるのも重要
- ボトムアップでもやれるけど限界があるので、トップの意思は必要不可欠
- AIエージェントvsダッシュボード
- AIエージェント全盛の時代なので溜まっているデータをインプットにしたエージェントを用意している
- ただ営業はBIのダッシュボードを変わらず見ており、AIエージェントを使っていない
- 理由は、ダッシュボード見ればわかる状態になっているため
- また、AIエージェントは社内ツールなので商談に持っていけないが、BIツールは印刷して商談に持っていける
- ここは大きな差。商談の場ではまだAIエージェント使うのが当たり前ではないのも大きい
トップ層を巻き込むためにはどうすれば?偉くなるしか無い?
伊藤さん
- 偉くなれるならなったほうが速いので、偉くなって自分でやるのが最強最速
- データをちゃんと活用すれば正しく成果が出る
→成果が出るなら評価もされる
→結果偉くなれる - AI時代、データ活用は当たり前
- トップにデータ使いたくないという人がいる場合、その会社を出るべきかも…
データ活用人材の育成・浸透について
伊藤さん
- 社内の留学制度(半年間だけ別部署で働くとか)をしてみると、知見が幅広くなって良い
- 留学先で不可欠な人材になって吸収されることも?
- ある程度の期間は必要なので、半年くらい続けるのがGood
阿部さん
- SQL研修が上手くいった
→誰かの働き方がデータによって大きく変わるという出来事があったのが要因 - 成功体験を積んでもらうと、やはり大きく変わる
- 個人としても、組織としても変わる
- エンドユーザーの人たちは自分たちでデータを出せるようになると嬉しい
ビジネスサイドでの活用事例
- お金になるデータを提供することができるかが大事
- 中央集権的なデータ基盤はやらない、労働集約するとボトルネックになる
- しないでいると、マーケティング本部側でデータ活用のアナリストが入ったりしてきた
- 知りたい情報がある、活用する人達もいる、そこから日々のモニタリングにも繋がる、など点と点が繋がっていることが大事
- データがある、というのはただの点
- そこから次につなげていくべし
データ活用の費用対効果をどの用に評価しているか
- データを貯めるツール・活用する人材・データ基盤などにお金がかかるので、厳密な費用対効果を測定できないというのが現実
- コミュニケーションツールに費用対効果は求めない
- 同じ用に業務で必要不可欠なもの・当たり前なものになっていれば、そこに費用対効果は求めない
- ただしそこに至るまでは一応成果を出す
- 論文・学会発表などをプレスリリースにして活用成果を見せられるようにするなど
- あまりにも費用対効果を求めすぎると、動けなくなる
- やりきったと言えるまで自信持ってやり続ける
人間フレンドリーなexcelみたいなものしかない企業で、AIフレンドリーなデータに切り替えていくには?
- 真の企業のデータパイプラインはExcelの中にある、なぜならそこでしかできないから
- ただ、それはデータ基盤側のワークフローでもできるはず
- 基盤側に寄せられるか、Excelに吸収されるか
- データ基盤側に寄せられるような組織になっていくことが重要
- 秘伝のExcelがあるのなら、どこかで一回捨ててみる
- AIとデータを組み合わせるとこんなことできてめちゃくちゃ良いよっていうのを広めていくのも大事(=成功体験)
- ExcelもAIもHowなので、結局何やりたいのかを明確にするべき
- もう1回前提を確認してみる→そこから適切な手段を選定することが重要