MacBookが古くなり、macOSのアップデート対象外になってしまいました。古いOSを使い続けるのはセキュリティ面でも不安があるため、Ubuntu 26.04をインストールすることにしました。
- 作業環境
- MacBook Pro (Late 2013)
- メモリ: 8GB
- ストレージ: 256GB
- 構築する環境
- Ubuntu Desktop
- macOSとUbuntuのデュアルブート環境
- 有線LANを使わないWi-Fiドライバー導入
Bootable USBの準備
8GB以上のUSBメモリを用意します。
Ubuntu ISOをダウンロード
公式サイトからUbuntuのISOファイルをMacBookにダウンロードします。
GUI環境で利用したかったため、Desktop版を選択しました。
Intel Macにインストールするので、Intel or AMD 64-bit architectureをダウンロードします。
ダウンロードした ubuntu-26.04-desktop-amd64.iso ファイルは約6.52GBありました。
balenaEtcherをインストール
Ubuntu公式ガイドでも推奨のbalenaEtcherをインストールします。
ISOファイルを元に、起動可能なUSBやSDカードを作成できる無料ソフトです。
Bootable USBを作成
balenaEtcherを起動します。
UbuntuのISOファイルとUSBメモリを指定して、Bootable USBを作成します。
EtcherはシンプルなUIなので、迷うことなく作業できると思います。
USBメモリ内のデータはすべて消去されるので注意です。
Ubuntuインストール
パーティションの追加
macOS標準の「ディスクユーティリティ」を起動し、内蔵SSDにUbuntu用の新しいパーティションを追加します。
Ubuntu公式サイトによると、最低でも25GBの空き容量が必要です。私は不要なファイルを削除してストレージ空き容量を140GBほど確保したので、macOS用に空き容量を20GBほど残し、新しいパーティションには120GB割り当てました。
新しいパーティションのフォーマットは MS-DOS(FAT) を選択します。
Ubuntuをインストール
macOSをシャットダウンし、Bootable USBを接続したまま電源を入れます。
電源を入れた直後から option キーを押し続け、起動ディスク選択画面が表示されるまで待ちます。
起動ディスク選択画面が表示されたら EFI Boot を選択して進めます。
Ubuntuインストーラーが起動したら、macOSを残したままのデュアルブート構成にしたいため、インストール先は「手動設定」します。
- Ubuntu用に作成した120GBのパーティションを選ぶ
- 「選択」をクリック
- フォーマット:
ext4 - マウントポイント:
/
- フォーマット:
- 「次へ」をクリックして進む
選択したパーティションにUbuntuがインストールされます。
誤ってmacOSで利用しているパーティションを選択すると、macOS側のデータが失われるので注意です。
インストール完了後、再起動を求められるので「今すぐ再起動」を選択します。
再起動中に「USBメモリを取り外してEnterキーを押してください」と表示されたら、Enterキーを押して進めます。
Ubuntuインストール後の作業
Wi-Fi接続、最新バージョンに更新、日本語入力設定をします。
Wi-Fi接続
MacBookにUbuntuインストール直後は、Wi-Fiが利用できないようです。
有線LAN経由でWi-Fiドライバーをインストールする記事が多く紹介されていましたが、自宅に有線接続環境がなかったため、以下の手順で対応しました。
- Wi-Fi接続できるmacOS側でWi-Fiドライバーのパッケージをダウンロード
- USBメモリに保存
- USBからUbuntuへパッケージコピーしてインストール
必要なWi-Fiドライバーを特定
Ubuntuターミナルで以下コマンドを実行し、
lspci -nn -d 14e4:
以下記事の BROADCOM WIRELESS TABLE と照合し、必要なパッケージを確認します。
私の環境では broadcom-sta-dkms が必要でした。
Wi-Fiドライバーと依存パッケージをダウンロード
一度Ubuntuをシャットダウンし、macOSを起動して作業します。
macOSを起動する際は、電源ボタンを入れた直後に option キーを押し続け、起動OS選択画面から Macintosh HD を選択します。
上記の記事にはオフライン環境向けの手動インストール方法も紹介されていますが、依存関係が非常に多く、個別にダウンロードするのは面倒でした。
一括ダウンロードできないか生成AIに質問したところ、DockerでUbuntu 26.04環境をシミュレートして依存関係を丸ごとダウンロードできるdockerコマンドを提示してくれました。
Docker Desktopをインストール
macOSでdockerコマンドを実行できるようにするため、Docker Desktopをインストールします。
古いmacOSでは最新版のDocker Desktopを利用できませんでした。自分のmacOSに対応したDocker Desktopバージョンを、リリースノートで「Minimum OS version」のように検索して確認したところ、macOS Big Sur (11.x) をサポートする最後のDocker Desktopは v4.24.2 です。
過去バージョンのインストーラーを検索し、ダウンロードしてmacOSにインストールしました。
Docker Desktopを起動してDockerアカウントにサインインすると、Docker Desktop設定画面に「自動更新しない」オプションが表示されるようになります。
古いバージョンのDocker Desktopは、Dockerのサポート対象外であることに注意です。
HomebrewからDocker CLIをインストールしたり、Rancher Desktopインストールすることでもdockerコマンドを利用できそうです。
Wi-Fiドライバーパッケージをダウンロード
1. Ubuntu側のカーネルバージョンを確認
macOSをシャットダウンし、電源を再度いれます。optionキーを押さない場合、自動でUbuntuが起動します。
Ubuntuのターミナルで以下を実行します。
uname -r
例:
7.0.0-14-generic
後ほどコマンド実行する linux-headers-xxxx のバージョンを、この値に合わせます。
2. macOSのターミナルで作業ディレクトリを作成
Ubuntuをシャットダウンし、MacBookの電源を入れた直後にoptionキー長押しで Macintosh HD を選択してmacOSを起動します。
macOSのターミナルアプリを開き、ダウンロードしたファイルを保存するフォルダーを作成し、その場所に移動します。
mkdir -p ~/Desktop/ubuntu-packages
cd ~/Desktop/ubuntu-packages
3. Dockerで依存関係を含めてダウンロード
macOSターミナルアプリで以下のdockerコマンドを実行すると、broadcom-sta-dkmsとその依存関係がubuntu-packagesフォルダに一括ダウンロードされます。
linux-headers-7.0.0-14-generic の部分は、自分のUbuntu環境のカーネルバージョンに置き換えてください。
DockerコマンドをApple Silicon (M1/M2/M3) のMacで実行し、Intel Mac (Intel/AMD 64bit) にインストールしたUbuntu向けのパッケージを取得する場合は、Dockerコマンドの先頭に --platform linux/amd64 を追加する必要があるかもしれません。
docker run --rm -v "$(pwd)":/tmp/download ubuntu:26.04 bash -c "
apt-get update && \
cd /tmp/download && \
apt-get install -y --simulate broadcom-sta-dkms dkms linux-headers-7.0.0-14-generic | \
grep '^Inst ' | awk '{print \$2}' > clean_list.txt && \
apt-get download \$(cat clean_list.txt) && \
rm clean_list.txt
"
コマンド実行後、ubuntu-packages フォルダ内に複数の .deb ファイルがダウンロードされていることを確認します。
最初に生成AIから提示されたdockerコマンドは、うまく動きませんでした。エラーが出る都度、実行コマンド〜エラーメッセージまでをコピーして生成AIへ渡すことで、最終的には上記コマンドで依存パッケージを一括ダウンロードできました。
環境によっては同じコマンドで動作しない可能性もあるため、エラーが発生した場合は実行したコマンドとエラーメッセージを生成AIへ渡して質問してみることをおすすめします。
4. USBメモリを通常用途向けに初期化
Ubuntuインストール後はBootable USBとして使わなくなるため、通常のUSBメモリに戻します。
macOSのディスクユーティリティを起動し、外部ストレージセクションで、USBメモリの階層の一番上にある本体(階層の親)を選択し、「消去」をクリックします。
ディスクユーティリティにUSBメモリが表示されない場合は、メニューから 表示 > すべてのデバイスを表示 を有効にします。
消去クリック後、以下入力してUSBメモリを初期化します。
- 名前: 任意の名前をつけます (例: USB-1)
- フォーマット: Ubuntuでも利用できる、
ExFatなどを選択します - 方式: GUIDパーティションマップ
5. ダウンロードしたパッケージをUSBへコピー
作成した ubuntu-packages フォルダをそのままUSBメモリへコピーします。
UbuntuでWi-Fiドライバーをインストール
Ubuntuを起動し、USBメモリから ubuntu-packages フォルダを任意のディレクトリなどへコピーします。
Ubuntuのターミナルを開き、コピー先のubuntu-packages フォルダへ cd コマンドで移動して以下を実行します。
sudo dpkg -i *.deb
私は一度でインストール成功しましたが、生成AIによると依存関係の解決順によってはエラーになる場合があり、その場合は同じコマンドを数回実行すると解決するケースがあるようです。
インストールがエラーなしで完了したら、設定を反映させるためにUbuntuを再起動します。
再起動後、画面右上のメニューや設定画面に「Wi-Fi」の項目が出現し、インターネット接続できるようになります。
パッケージを更新
インターネット接続できるようになったら、まずUbuntuパッケージを最新状態にアップデートします。
sudo apt update
sudo apt upgrade
sudo apt autoremove
日本語入力設定
「設定」→「キーボード」を開き、入力ソースに 日本語 (Mozc) が追加されていなければ追加します。
入力ソースに 日本語 (Mozc) が検索しても表示されない場合、「設定」→「システム」→「地域と言語」→「Manage Installed Languages」→「言語のインストールと削除」で日本語をインストールし、Ubuntuを再起動します。(ログアウト→再ログインだけでもいいかも?)
また「設定」→「システム」→「地域と言語」→「Manage Installed Languages」を開き、「キーボード入力に使うIMシステム」で IBus を選択します。IBus は日本語などの多言語入力に対応した入力フレームワークです。
USキーボードを利用している場合は、日本語 (Mozc) の入力モードを以下記事の手順でショートカットキー切り替えできるように設定できます。
キーボード設定で 日本語 (Mozc) 以外の入力ソースも複数登録している場合は、Command + Space キーで切り替えられます。
その他
- 「マウスとタッチパッド」設定で、トラックパッドの速度を速くしました
サスペンド無効化
参考にした複数の記事では、Ubuntuインストール後にスリープやサスペンドを無効化する設定が紹介されていました。
私のUbuntu環境では、MacBookのフタを閉じて再度開いたり、サスペンドを試した場合でも正常に復帰できました。そのためサスペンド機能は無効化せず、デフォルト設定のまま利用しています。
rEFInd
rEFIndというマルチブートローダをインストールすると、MacBookの電源を入れた際にmacOSとUbuntuのどちらを起動するかの選択画面が見やすくなるようです。
Mac標準のブートローダでは、optionキーを押し続ければEFI Boot(Ubuntu) かMacintosh HD(macOS) の選択画面が表示され、optionキーを押さなければUbuntuが自動選択されます。
私は一旦、Mac標準のブートローダを利用しています。
おわりに
インストールと初期設定を終えた時点で、Ubuntu環境の使用容量は約20.2GBでした。
今回もっとも苦労したのは、有線LANなしでのWi-Fiドライバー導入です。
生成AIと何回かやりとりするだけで、依存パッケージを一括ダウンロードするコマンドを作成できたことに、時代の進化を感じました。
それでは、よいUbuntuライフを!