Databricks Lakeflow 宣言型パイプラインでロボットイベントデータを処理してみた
はじめに
Databricksの新機能であるLakeflow Pipeline Editorを使って、ロボットイベントデータを処理するサンプルパイプラインを作成しました。このプロジェクトでは、Bronze、Silver、Goldの3層アーキテクチャでデータを段階的に処理し、最終的にロボットの移動距離などの集計メトリクスを算出します。
今回作成したサンプルプロジェクトをGitHubで公開しましたので、実際の手順とともに紹介します。

📊 プロジェクト概要
このサンプルプロジェクトは以下の特徴があります:
- データソース: シミュレートされたロボットイベントデータ(10,000件のJSONレコード)
 - アーキテクチャ: Bronze → Silver → Gold のメダリオンアーキテクチャ
 - 
処理内容:
- Bronze: 生データの取り込み
 - Silver: データクリーニングと強化
 - Gold: 集計メトリクスとロボット移動距離の算出
 
 
パイプライン実行結果
🔗 リポジトリ
完全なコードとドキュメントは以下のGitHubリポジトリで公開しています:
Sample Lakeflow Declarative Pipeline - Robot Events
🛠️ 必要な前提条件
このサンプルを実行するためには、以下の環境が必要です:
- Lakeflow Pipeline Editorが有効なDatabricksワークスペース
 - カタログ/スキーマで管理ボリュームを作成できる権限
 - Databricks上のPython実行環境
 
⚠️ 重要: Lakeflow Pipeline Editorが有効になっていない場合は、事前にDatabricks管理者に有効化を依頼してください。
🚀 実装手順
1. サンプルデータの生成
まず、00. generate robot event dataを実行してテスト用のJSONデータを生成します
このスクリプトにより、sample_json_output/フォルダーにJSONファイルが作成されます。
2. 管理ボリュームの設定
- DatabricksのCatalog Explorerで対象のカタログ・スキーマに移動
 - 新しい管理ボリュームを作成
 - ボリューム内にフォルダーを作成し、生成したJSONファイルをアップロード
 
3. パイプラインスクリプトの設定
各レイヤーのスクリプトで、環境に応じてパラメータを更新します:
Bronze レイヤー (robot_pipeline/bronze.py):
data_path = "<your-managed-volume-path>"  # 実際のボリュームパスに変更
Silver・Gold レイヤー (robot_pipeline/silver.py, robot_pipeline/gold.py):
CATALOG = "<your_catalog_name>"
BRONZE = "<bronze_schema_name>"
SILVER = "<silver_schema_name>"
4. Databricksでのパイプライン作成
- Jobs & Pipelines → 作成 → ETL パイプラインに移動
 - パイプライン名とデフォルトのカタログ・スキーマを設定
 - 
既存のアセットを追加し、
robot_pipelineフォルダーをルートに設定 - 以下のソースコードパスを追加:
bronze.pysilver.pygold.py
 - 保存してパイプラインを作成
 
5. パイプラインの実行
パイプライン作成後、「パイプラインを実行」をクリックしてBronze → Silver → Goldの順でデータ処理を開始します。
📂 プロジェクト構成
robot_pipeline/
  ├── bronze.py      # Bronze レイヤー - 生データの取り込み
  ├── silver.py      # Silver レイヤー - データのクリーニングと強化
  ├── gold.py        # Gold レイヤー - 集計メトリクスと分析
00_generate_robot_event_data.py  # サンプルデータ生成スクリプト
✅ 実行結果
パイプライン実行により、以下のテーブルが作成されます:
- Bronze レイヤー: 管理ボリュームからの生JSONイベントデータ
 - 
Silver レイヤー:
- 
command_events- クリーンアップされたコマンドイベント - 
sensor_data- センサーデータ - 
combined_events- 結合済みイベントデータ 
 - 
 - Gold レイヤー: ロボット別の集計メトリクスと移動距離
 
🎯 このサンプルで学べること
- Lakeflow Pipeline Editorの基本的な使い方
 - 宣言型パイプラインの実装方法
 - メダリオンアーキテクチャのベストプラクティス
 - 管理ボリュームを使ったデータ取り込み手順
 - Delta Liveテーブルの作成と依存関係の設定
 
まとめ
Databricks Lakeflow Pipeline Editorを使うことで、従来のETL処理と比べてより直感的で保守性の高いデータパイプラインを構築できました。宣言型アプローチにより、データの依存関係や品質チェックを明確に定義でき、運用面でも大きなメリットがあります。
ぜひリポジトリをクローンして、実際に動かしてみてください!

