はじめに
Twilio Studio を使っていると、外部 API の呼び出しや入力データの前処理など、ちょっとした加工をしたい場面がよくあります。でも「Function を書くほどじゃないんだよな…」 というケースも多く、Set Variables だけでサクッと解決できると非常に便利です。
この記事では、ユースケース別に Twilio Studio の Set Variables だけで解決できる Tips を10個紹介します。
Twilio Studio – Set Variables とは?
Twilio Studio の「Set Variables」ウィジェットではLiquid Template Languageを使って文字列処理・条件分岐・データ整形が行えます。JavaScript は書けませんが、 電話番号加工、文字列操作、条件式など、 Studio 内でできることは意外と多いです。
便利テクニック
1. 携帯番号(090〜)を自動で +81 の国際形式に変換したい
ユースケース
お客様にDTMFを使って電話番号を入力してもらうと時には「09012345678」のように先頭に0から始まる番号が入力されると思います。Twilio内ではE164形式で電話番号が利用されるので、E164形式に変換したい場合が多くあります。
解決方法
+81{{widgets.gather_1.Digits | slice: 1, 20}}
結果例:「→ 09012345678 → +819012345678」
2.入力された電話番号のハイフン・空白を削除したい
ユースケース
CRMなどのデータ連携でStudio側に取得した電話番号データに空白やハイフンが入っていた場合に削除処理がしたい
解決方法
{{flow.data.phone | replace: "-", "" | replace: " ", ""}}
結果例:「→ 090-1234-5678 → 09012345678」
3.国際形式(+81)から国内形式(090〜)へ戻したい
ユースケース
電話番号は、外部APIには E.164 を渡すが、 音声で読み上げる際は 日本形式 にしたい。
解決方法
0{{flow.data.phone | slice: 3, 20}}
結果例:「→ +819012345678 → 09012345678」
4.日付文字列から年・月・日を取り出したい
ユースケース
Studio内に渡された日付フォーマットのデータ(例:2025-12-04)から特定の年月日をうまく取得してログやメッセージに使いたい
解決方法
{{flow.data.date | slice: 0,4}} # 年
{{flow.data.date | slice: 5,2}} # 月
{{flow.data.date | slice: 8,2}} # 日
結果例:「→ 2025-12-04 → 2025」
結果例:「→ 2025-12-04 → 12」
結果例:「→ 2025-12-04 → 04」
5.入力された文字列をすべて大文字/小文字にしたい
ユースケース
文字列の比較や他システムの連携の前に文字列を大文字小文字変換したい
解決方法
{{flow.data.text | downcase}}
{{flow.data.text | upcase}}
結果例:「→ ABCDE → abcde」
結果例:「→ xyz → XYZ」
6.YES と入力されたら true にしたい(条件分岐用)
ユースケース
文字列の比較をして一致してればTrueを返して処理を進めたい
解決方法
{{flow.data.answer | upcase == "YES"}}
結果例:→ true or false が返る
7. VIPユーザーなら「優先対応」に切り替えたい
ユースケース
顧客ステータスに応じてメッセージ内容を変えたい。
解決方法
{{flow.data.type == "vip" ? "優先対応" : "通常対応"}}
結果例:→ 変数にvipが入っていれば、優先対応が設定される
8. メアドのドメインだけを抜き出したい
ユースケース
ドメインチェックなど、メアドのドメインだけを切り出して判定処理を行いたい
解決方法
{{flow.data.email | split: "@" | last}}
結果例:→ user@example.com → example.com
Liqud Temaplte Language早見表(Stuidoでよく使う)
| フィルタ | 用途 |
|---|---|
replace |
文字置換 |
slice |
部分抽出 |
split |
文字列分割 |
first / last
|
配列取得 |
downcase / upcase
|
大小文字変換 |
contains |
含まれるか判定 |
size |
文字列長取得 |
Studio の Set Variables は Function なしでもかなり強力です。
最後に
Twilio Studioはかなり強力なローコードツールですが、どうしても文字列を編集したりしたい場面があります。その時に大袈裟にプログラミングするのではなく簡単なメソッドを呼び出すだけで対応できるのは非常に便利です。
この機能はあまりメジャーではありませんが、痒いところに手が届く素晴らしい機能だと思います。
ぜひ皆さんも使ってみてください。