📌 I. はじめに:記事書いた目的と私の前提
📝 記事を記述する目的
今年でWebエンジニア3年目になるのですが、AWS SAA (C03) に挑戦し、2025年10月に合格ラインを余裕をもって超えることができました。
本記事は、私の合格までのプロセスを振り返り、「これは合格に直結した!」と感じた優良なツール・勉強法と、「これは時間泥棒だった…」と感じた無駄なツール・知識を、包み隠さずに公開します。
次に受験される方が、私と同じ失敗を避け、最短距離で合格するための手掛かりになれば嬉しいです!
🏃♂️ 忙しいあなたへ:まずここをチェック!
この記事は長文ですが、「合格への最短ルート」を知りたい方は、以下の2つのセクションだけでも読むことを強くお勧めします。
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📌 III. やってよかったこと(合格を加速させたツールと勉強法):
- 無駄なツールを避け、何に集中すべきかがわかります。
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📌 V. 試験当日の雰囲気と心構え:
- 本番の空気感、採点対象外の問題への対処法、通知時間など、不安解消に必要な情報です。
💡 私の前提(受験前のレベル)
受験を志したきっかけ
- 業務でCloudFrontというサービスを使った際、「結局これ何?」という状態になり、体系的な知識が必要だと感じたのがきっかけでした。
AWS経験
- アプリケーション開発(Webエンジニア)が主で、S3などをAPIで使うことはあるものの、インフラの設計経験は一切、ありませんでした。
📌 II. 合格までにやったことと学習プロセス(時系列)
- 私の総学習期間は**約3ヶ月間(7月上旬〜10月25日受験)**でした。学習プロセスをフェーズごとに区切ってすべて公開します。
⏱️ 私の学習スケジュール
- 平日: 1時間程度(日によって学習できない日もありました)
- 休日: 3時間程度
この現実的なスケジュールで進めた結果、総学習時間よりも**「何に集中したか」**が重要だと痛感しました。
📅 Phase 1: 7月上旬〜8月中旬頃 | 全体像の把握とインプット
| 使用教材 | 期間 | 学習法 / 行動 |
|---|---|---|
| AWS公式ハンズオン: 『ハンズオンはじめの一歩: AWS アカウントの作り方』 | 7月上旬 | AWS環境への足がかりとして、アカウント作成とIAMの基本設定を実践しました。 |
| AWS公式ハンズオン: 『AWS 上で静的な Web サイトを公開しよう!』 | 7月上旬 | 受験の動機となったS3とCloudFrontに触れるため、静的サイト公開を通してWebサービス構築の概要を掴みました。 |
| 『AWS認定資格試験テキスト SAA 改訂第3版』 | 7月中旬〜8月中旬頃(約1ヶ月間) | だらだらと時間を使い、とりあえず最後まで流し読みしました。知識の定着よりも、情報の網羅性を確認する目的でした。 |
📅 Phase 2: 8月下旬〜9月上旬 | アウトプット開始と課題発見
| 使用教材 | 期間 | 学習法 / 行動 |
|---|---|---|
| SAA模擬試験アプリ | 8月中頃〜8月末 | 通勤時間などのスキマ時間に利用するため、有料課金して使用しました。しかし、私の使用用途にはあっておらず、知識の定着には結びつきませんでした。 |
| 『AWS認定資格試験テキストの問題と巻末の模擬試験』 | 9月上旬 | テキストの問題・試験に挑戦。正答率が50%前後で推移し、インプット中心の学習が通用しないことを痛感しました。 |
📅 Phase 3: 9月上旬〜10月受験日 | 戦略の転換と集中
| 使用教材 | 期間 | 学習法 / 行動 |
|---|---|---|
| Web問題集(Ping-t) | 9月上旬 | Phase 2で発生したスキマ時間の学習効率の課題を解決するため、Web問題集の1問1答機能でアウトプットに集中するスタイルに切り替えました。 |
| 『AWS認定資格試験テキストの写経』 | 9月上旬 ~ 9月中旬 | 問題演習の正答率の悪さからテキストを写経することと不明点をAI(Gemini)に納得するまで聞くことで理解を深めました。 |
| 『【2025年版】AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集(6回分390問)』 | 10月上旬 ~ 受験直前 | 1回目の受験で一度も合格ラインの73%を超えることはありませんでしたが、試験後に問題の見直しを徹底しました。 |
| 公式模擬試験(20問) | 試験直前 | 本番のレベル感と出題形式の確認に利用しました。 |
📌 III. やってよかったこと(合格を加速させたツールと勉強法)
私が学習プロセスにおいて特に有効だと感じ、合格を加速させたツールと具体的な活用方法について、一つずつ詳細に解説していきます。
総括:合格を決定づけた「戦略的バランス」とは
私の合格戦略の核となったのは、インプット(知識増加)とアウトプット(設計力向上)の戦略的なバランスです。単なる暗記に留まらず、この二つを連動させたことで、複雑な問題に対応できる力が身につきました。
- インプット: テキストの要点写経とGeminiへの質問で、知識の「抜け漏れ」をなくしました。
- アウトプット: Udemy模擬試験とWeb問題集で、知識を「点」から「線」へ繋ぎ、複雑な要件に対する設計力を高めました。
特に、Udemy模試とAI(Gemini)を組み合わせた**「思考力と理解を深めるための戦略」**が、合格を加速させたと思います。
『AWS認定資格試験テキスト』 : 知識の土台と辞書的活用
よかった理由
手軽に手に取れることもあり、これを学習の軸として活用できました。また、知識を体系的に把握するための土台として機能し、全体像を把握するのに役立ちました。
活用方法
学習序盤は、1週目は流し読み、2週目は要点を写経しながら読み進めることで、知識のアウトプットと定着を図りました。その後は、問題演習で不明点が出た時、テキストで調べ、載っていなければGeminiに聞くというフローを徹底し、辞書的な使い方に切り替えました。
『Udemy 模擬試験問題集』:本番を超える難易度で設計力養成
よかった理由
実際の試験問題よりも難しく作られていたため、本番形式での思考力を鍛える上で最も効果的でした。また、テキストには載っていない知識も問われるため、試験後に問題の意図をすべて見直すという対応で、思考力が鍛えられました。
活用方法
選択肢を見る前に**「この要件ならこんな設計になるはずだ」**と自分で最適なAWSサービスを想像する訓練を行いました。また、初回で合格ラインに届かなくても気にせず、解説を読み、すべて理解することに時間を費やしました。
『Web問題集(Ping-t)』 : スキマ時間を活かす1問1答集中学習
よかった理由
SAAの問題以外も解けるサイトですが、まとまった時間が取れない時にサクッと1問ずつやれるのが非常に良かったです。1問解いて解説を見て理解するという流れが、知識を「点」で拾い集めるフェーズで最高の相性でした。
活用方法
隙間時間に1問解いて解説を見て理解するという流れを徹底し、知識定着のスピードを上げました。
【補足】 AI(Gemini)の活用法
よかった理由
疑問を納得するまで質問し、曖昧な知識を排除したことで、知識の定着に繋がりました。また、過去の質問内容から自分だけの弱点補強問題がAIに作ってもらえたことで、復習の質が高まりました。
活用方法
テキストや解説で納得できなかった不明点について、「なぜこの組み合わせなのか?」といった疑問をGeminiに投げて理解を深めました。さらに、問題を解き終わった後に、**「今まで送った内容を問題にして」**と依頼し、オリジナルの弱点対策を行いました。
📌 IV. やらなくてもよかったこと(時間を浪費したツールと知識)
合格を目指す上で時間をかけてしまいましたが、「今思えば時間をかけなくてもよかった」 と感じたツールと知識について公開します。次に受験される方の時間節約のために、ぜひ参考にしてください。
1. AWS公式ハンズオン
よくなかった理由
実際にAWS環境を動かすイメージをつかみ、モチベーション維持や理解の初期段階では役立ちました。しかし、合格に直接必要な知識やスキルという観点で見ると、問題演習の反復に比べると優先度は低かったです。
教訓
純粋に興味がある方はやってみるという程度で問題ありません。合格直結を最優先するなら、ハンズオンに時間をかけるよりも問題集の解説を読むことに時間を使うべきだと痛感しました。(個人的には楽しかったです)
2. AWS公式模擬試験
よくなかった理由
公式模擬試験は20問解けますが、UdemyやWeb問題集をやり込んでいる場合、受験は必須ではないと感じました。問題のレベル感や出題形式は、質の高い市販の問題集とあまり変わりませんでした。
教訓
本番の雰囲気に慣れるために一度受ける程度で十分です。模擬試験の回数を増やしたいのであれば、Udemyなどの有料模擬試験に集中した方が、より多くのパターンに触れられ効率的です。
3. SAA模擬試験アプリ
よくなかった理由
私の目指す学習スタイルに全く合わず、時間を浪費しました。特に、非効率な学習サイクルが大きな課題でした。例えば、10問解かないと答え合わせができない仕様のため、Ping-Tのような1問1答形式による即時理解ができず、知識の定着を妨げられました。さらに、スキマ時間の利用も困難で、途中でアプリを離れると途中までの回答が消えてしまうため、忙しい合間に少しずつ進めることができませんでした。
教訓
まとまった時間が取れない時の学習は、Ping-TのようなWeb問題集で1問ずつ解説を見られる環境で行うのが、圧倒的に効率的だと痛感しました。
📌 V. 試験当日の雰囲気と心構え
受験を控える方が最も不安に感じるであろう、試験当日の流れと、本番で集中するための心構えについて解説します。
1. 受験会場の雰囲気と流れ(手続き編)
- 会場と到着時間: 試験はテストセンターで受けました。受付手続きや荷物預けに時間がかかるため、15分前には会場に到着するのが望ましいです。
- 持ち物チェック: 身分証明書が2種類必要です。(私は運転免許証とマイナンバーカードを持っていきました)。身体チェックもあり、ポケットの中身や腕時計などはすべてロッカーに預け入れます。
- 会場の環境: 会場は非常に静かで集中できる環境ですが、温度調節ができる服装で行くことをお勧めします。
2. 本番での心構えと問題への向き合い方
- 精神的な不安: 私も受験中、「わからない問題」が多く、**「落ちたかもしれない」**と本気で思いました。しかし、落ち込む必要はありません。
- 採点対象外の問題: SAA試験には、スコアに影響しない「採点対象外」の問題(将来のテスト問題候補)が約15問含まれていると言われています。わからない問題は、その採点対象外であったのかもしれません(幸運だっただけかもしれませんが)。
- 戦略的な対処: 難問に時間を費やさず、確実に得点できる問題に集中するという戦略が合格には不可欠です。
3. 合格通知までの時間
- 試験終了直後: 画面には合格か不合格かは表示されませんでした。
- 正式な通知: 私の場合、午前10時に試験を受け、12:00に退出しましたが、AWSから合格を伝えるメールが同日の20:24頃に届きました。結果を待つ間は長く感じました。
📌 VI. 最後に
SAA取得で解消された業務上の疑問
SAAを取得したことで、業務において以下のような変化があり、少し先に進めた気がしています。
- 理解の深化: 今まで「なんとなく使っていたサービス」を体系的に理解し、セキュリティや配信最適化という文脈で構造的に捉えられるようになりました。
- 設計の基礎体力の向上: インフラ担当者との会話で、VPCやIAMの設計意図が明確に分かるようになり、システム全体の安定性やセキュリティに対する意識が向上しました。
次に受験される方へ
AWS SAAの資格試験は、インプットとアウトプットの戦略的なバランスが鍵です。
- 最初のインプット(知識の土台): まずはテキストの流し読みなどで、AWSサービス全体の知識を増やすことが必要です。
- サイクルの確立: その後は、**「問題を解く(アウトプット) → 解説を読む → 不明点をテキストやAI(Gemini)で調べる(インプット)」**という反復サイクルに切り替えてください。
この体験記が、あなたの合格への最短ルートを見つける一助となれば幸いです。頑張ってください!