はじめに
「小澤隆生 凡人の事業論」を読んだ記録を残します。
本記事は要約というより、エンジニア視点での個人的な感想がメインです。
書籍はこちら
https://www.diamond.co.jp/book/9784478121849.html
全体の所感
ノウハウ集というよりは、読み物として共感できる部分が多く、素直に面白かった。
小手先のテクニックよりも、「方向を決めて、やり切る」ことを重視している点が全体を通して一貫しており、好感が持てる。
事業論の本ではあるが、
判断軸・優先順位・意思決定といったテーマは、エンジニアの実務にもそのまま当てはまる内容だと感じた。
各章コメント
印象に残った一部の章を抜粋してコメントする。
第1講 事業立ち上げの心構え
要点
- 常に「勝率」を意識して意思決定する
- 正しい意思決定のフレームワークを持つことが重要
- 多くの人は優先順位をつけられていない
- アイデアよりも、再現性のあるパターンが重要
コメント
才能やセンスではなく、「勝率を意識した意思決定」が重要という指摘は、
事業家や起業家に限らず、社会で働く上で重要だと感じた。
特に、「最低限達成すべきゴールを先に決める」という考え方は分かりやすく、
優先順位をつけるうえで非常に実践的だと思う。
第2講 事業立ち上げの第一歩
要点
- ゴールは「51点(絶対に達成しなければならない最低水準)」を決める
- まずは51点を超え、そこから積み上げる
- 成功要因は「考える」より「徹底的に調べる」ことで見えてくる
コメント
「51点」という概念はとても分かりやすく、今後も引用して使えそうだと感じた。
理想の形を目指して止まってしまうよりも、「まず動く最低限」を決めるだけで、実行力は一気に上がる。
設計や技術選定でも、
「完璧」を目指すより「まず51点を超える」発想はかなり使える。
第3講 戦略の本質
要点
- 打ち出し角度(どの方向に走り出すか)を決めると意思決定がブレなくなる
- 方向が正しければ、いつかはゴールにたどり着く
- 優先順位を徹底して実行する
- 当たり前のことを異常なレベルでやり切る
コメント
Scrumでプロジェクトを進める際も、
方向性や目指すものを事あるごとに共有し、チームの見る方向を揃えることは非常に重要だと感じている。
「何をやるか」以前に、「どの方向から攻めるのか」を明確にすることで、
日々の意思決定がブレにくくなるという点に強く共感した。
第8講 リスク管理の要諦
要点
- 想定外は必ず起きる前提で考える
- 判断が止まる状態が最悪
- 判断基準は「取り返しがつくかどうか」
コメント
意思決定ができない状態を作らないことは、
技術・組織・プロジェクト運営のすべてにおいて重要だと感じた。
多少の悪手でも「決めて前に進む」ことの価値を、
改めて意識させられる章だった。
おわりに
全体を通して感じたのは、
「才能」や「センス」ではなく、判断軸・優先順位・やり切る力がすべて
という一貫したメッセージでした。
「51点を目指す」「打ち出し角度を決める」など、
キャッチーで分かりやすい言葉が多く、自分で何か発表するときなどに引用で使えそうだと思いました。
特に、新しい技術やプロジェクトに関わることが多いエンジニアにとって、
「何を目指すか」「どこまでを最低限とするか」を考える指針として、
得るものの多い内容だと思います。