この記事でわかること
- Amazon Quickによる構造化データと非構造化データの統合管理
- AIエージェントを用いた、自然言語による横断的なデータクエリ
- データの意味付け(エンリッチメント)による分析精度の向上
何が発表されたか
Amazon Quickにおいて、データベースやスプレッドシートなどの「構造化データ」と、ドキュメントやレポートなどの「非構造化データ」を一つのワークスペース(Space)に集約し、単一の対話型AIエージェントから両方のデータに対してクエリを実行できる機能が紹介されました。
具体的には、以下の3つのレイヤーで構成されるソリューションが提供されます。
- データレイヤー: Amazon S3上のドキュメントをインデックス化した「ナレッジベース」と、意味的な記述を付与した「エンリッチドデータセット(構造化データ)」を保持します。
- ワークスペースレイヤー: 「Space」と呼ばれる統合環境で、異なるデータソースを一つのコンテキストに集約します。Spaceは、ナレッジベースやデータセット、ダッシュボードなどを一つの場所にまとめる役割を果たします。
- エージェントレイヤー: カスタムチャットエージェントがSpaceに接続し、ユーザーの質問に応じてナレッジベース、データセット、あるいはその両方を適切に使い分けて回答を生成します。
何がうれしいのか
これまで、数値データ(売上や指標など)とテキストデータ(報告書やメモなど)を組み合わせて分析する場合、複数のツールを使い分け、手動で結果を照らし合わせる必要がありました。Amazon Quickを活用することで、以下のメリットが得られます。
- 一括分析: 「売上の推移と、その要因が書かれた戦略メモの内容をまとめて教えて」といった、データ種別をまたぐ質問を一つの会話で行えます。
- 自然言語によるSQL生成: 構造化データに対しては、データセットに意味的な記述(エンリッチメント)を行うことで、AIが自然言語を正確なSQL(データベース操作言語)に変換して実行できるようになります。これにより、専門的なクエリを書く必要がありません。
- 根拠の提示: エージェントは回答時に引用元(出典)を示すため、情報の信頼性を確認しやすくなっています。
使い始めるには
以下の5つのステップで設定を行います。
- Amazon S3との統合: Amazon QuickからS3バケットをデータソースとして接続します。
- ナレッジベースの作成: 接続したS3内の非構造化コンテンツをインデックス化します。
- データセットの作成とエンリッチメント: 構造化データをアップロードし、列の説明やカスタム指示(意味付け)を追加してAIが理解しやすい形式にします。
- Spaceの作成: ナレッジベースとデータセットを一つの「Space」に集約します。
- カスタムチャットエージェントの作成: Spaceを知識ソースとして使用するエージェントを設定し、対話を開始します。
注意点・制約
- サブスクリプション: データセットの作成には、Amazon QuickのEnterpriseサブスクリプションが必要です。
- リージョン: S3バケットは、Amazon Quickと同じリージョンにある必要があります。
- 権限: 管理者によって、Amazon QuickからS3バケットへの読み取り権限が付与されている必要があります。
- AIの安全性: チャットのやり取りには、コンテンツの安全性スクリーニングなどの組み込みのAIガードレールが適用されます。
参考
Bring structured and unstructured data together with Amazon Quick
https://aws.amazon.com/blogs/machine-learning/bring-structured-and-unstructured-data-together-with-amazon-quick/
※本記事は筆者のメモ・公開情報をもとに、ローカルLLMの支援で作成しています。