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Kotlinプロジェクトでどこまでキーを隠蔽化できるか(その2:C++の利用)

Last updated at Posted at 2021-11-05

前回の記事では単純にAPKファイルを作成し、その中からアプリケーションキーやクライアントキーが見つけられるのを確認しました。今回から、その隠蔽方法について解説していきます。

まず初回は(といっても一番正解に思えます)C++を使って隠蔽する方法です。

Androidプロジェクトを作る

C++に対応するため、Androidプロジェクトを作成する際にNative C++を選択します。

ScreenShot_ 2021-11-04 18.17.47.png

言語はKotlinで問題ありません。

ScreenShot_ 2021-11-04 18.18.06.png

native-lib.cppの編集

app/cpp ディレクトリにnative-lib.cppというファイルがありますので、これを編集します。

ScreenShot_ 2021-11-05 11.53.03.png

今回はアプリケーションキーとクライアントキーを返却する関数を追加します。 YOUR_APPLICATION_KEYYOUR_CLIENT_KEY はそれぞれ書き換えてください。

extern "C" JNIEXPORT jstring JNICALL
Java_com_example_kotlinhiddenkey_MainActivity_applicationKey(
        JNIEnv* env,
        jobject /* this */) {
    std::string hello = "YOUR_APPLICATION_KEY";
    return env->NewStringUTF(hello.c_str());
}

extern "C" JNIEXPORT jstring JNICALL
Java_com_example_kotlinhiddenkey_MainActivity_clientKey(
        JNIEnv* env,
        jobject /* this */) {
    std::string hello = "YOUR_CLIENT_KEY";
    return env->NewStringUTF(hello.c_str());
}

これで関数の追加が完了です。

Android SDKを導入する

次にNCMBのAndroid SDKを導入します。これはイントロダクション (Android) : クイックスタート | ニフクラ mobile backendに沿って進めてもらえば問題ありません。具体的には次の手順を行います。

  1. GitHubのリリースページからSDKをダウンロードして展開
  2. NCMB.jarをapp/libsディレクトリに入れる
  3. app/build.gradle の編集
  4. app/src/main/AndroidManifest.xml の編集

ScreenShot_ 2021-11-05 11.55.42.png

コードを修正する

MainActivity.kt を修正します。まずSDKを読み込みます。

import com.nifcloud.mbaas.core.NCMB;

次にC++ファイルで設定した関数を定義します。

class MainActivity : AppCompatActivity() {
  // 省略
  external fun applicationKey(): String
  external fun clientKey(): String
}

そしてNCMBの初期化時に呼び出します。

override fun onCreate(savedInstanceState: Bundle?) {
    super.onCreate(savedInstanceState)
    NCMB.initialize(this.getApplicationContext(),applicationKey(),clientKey());
    // 省略
}

これで完了です。

実行する

初期化が終われば、後は普段のNCMB利用と同じく使えます。

// クラスのNCMBObjectを作成
val obj = NCMBObject("TestClass")
// オブジェクトの値を設定
try {
    obj.put("message", "Hello, NCMB!")
} catch (e: NCMBException) {
    e.printStackTrace()
}
// データストアへの登録
obj.saveInBackground { e ->
    if (e != null) {
        //保存に失敗した場合の処理
        Log.d("Main", "Data creates failed.");
    } else {
        //保存に成功した場合の処理
        Log.d("Main", "Data creates successful.");
    }
}

キーについて

jedx-guiを使って見ても、関数を呼んでいるだけです。

ScreenShot__2021-11-05_12_19_35.jpg

アプリをビルドしてAPKファイルを作り、それをZipファイルとして展開すると、libxxxx.so のようなファイルの存在を確認できます。

ScreenShot__2021-11-05_12_20_00.jpg

これはアーキテクチャごとに作成されます。このファイルはC++の共有ライブラリになります。このファイルを逆コンパイルしてみましたが、アプリケーションキーやクライアントキーとおぼしき部分は見当たりませんでした(反転している部分がapplicationKey関数の該当とおぼしき部分)。

ScreenShot_ 2021-11-05 12.38.08.png

HEXエディタを使った場合

今回は単純な文字列を返すだけにしたので、HEXエディタで検索するとキーを発見できます。

ScreenShot__2021-11-05_17_44_47.jpg

あらかじめキーをエンコードしておいて、C++からデコードして返すようにしたり、文字を分割したりすると発見しづらくなりそうです。

まとめ

アプリケーションキーやクライアントキーを確実に隠蔽化する場合には、C++プロジェクトとしてAndroidアプリを開発するのが一番かと思います。キーの取得だけをC++の関数としていますので、他のコードはKotlinが使えるので、生産性は変わらないでしょう。お試しください。

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