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Redbook : IBM i 7.6 Features and Function を読む Chapter.7 HA,DR,バックアップ&リカバリー① BRMS

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BRMS 5770-BR1, 5770-BR2はForta社の開発になります。

事業継続性とは、サービスレベル契約(SLA)で定義される、組織が重要なサービスを中断することなく提供し続けることを意味します。事業継続性を実現するには、サービス、ソフトウェア、ハードウェア、手順を組み合わせた包括的な計画を選定、文書化、実装し、定期的にテストする必要があります。この計画では、データ、運用環境、アプリケーション、ホスティングインフラストラクチャ、ユーザーインターフェースがすべて利用可能で、適切に動作していることを保証する必要があります。
事業継続性には、災害復旧(DR)と高可用性(HA)の両方が含まれます。これは、計画的、計画外、壊滅的など、あらゆる種類の停止を管理し、重要なアプリケーションの稼働を継続する能力です。目標は、ダウンタイムを総サービス時間の0.001%未満に抑えることです。
高可用性環境では、通常、復旧時間目標(RTO)はより厳格で、数秒から数分の範囲です。また、復旧ポイント目標(RPO)は、ユーザーエクスペリエンスの中断を防ぐことを目的としています。一方、災害復旧シナリオでは、より緩やかなRTOとRPOが許容されることがよくあります。

この章では、以下のトピックについて説明します。
BRMS (IBM Backup, Recovery, and Media Services)
PowerHA SystemMirror for IBM i の機能強化
Cloud Storage Solutions for i
IBM Db2 Mirror for i
Migrate While Active
PowerVSにおけるDR自動化
IBM i 7.6のインストールまたはアップグレードの準備
テープ・ライブラリーのシリアル番号を英数字に変更

BRMS

IBM i OS標準のバックアップ・リカバリー機能だけでも十分に高機能で使いやすいものですが、BRMS(現時点で有償S/W)はOS標準機能では提供されないより使い勝手の良い機能や作り込みされた機能を提供しています。

BRMS のメリット
・Lotus Domino サーバーのオンライン・バックアップ
・BRMS は、最大 32 台のテープ装置を使用したライブラリーまたは単一オブジェクトの並列保存操作
・災害時や障害発生時にシステムを完全に復旧したり、保存メディアから個々のオブジェクトまたはライブラリーを復元したりできます。(OS標準機能よりも作り込みされておりシナリオに合致すれば大変有用)
・無制限の数のメディア、共有磁気テープ装置、自動化テープ・ライブラリー、仮想磁気テープ装置、および光ディスク装置を管理可能
・すべてのメディアを、作成から有効期限まで追跡します。
・どのオブジェクトがどのボリュームにあるかの追跡
・アクティブなデータを誤って上書きしてしまうことの防止

BRMSライセンス

以前のBRMS製品番号は 5770-BR1 です。(永続ライセンスのみ)。5770-BR1では以下の機能はオプション提供(ベース機能とは別な有償ライセンス)でした。
・拡張ネットワーク接続
・拡張データ管理 (暗号化とライブラリー管理を含む)、IASP FlashCopy

現時点で販売しているBRMSは5770-BR2 です。5770-BR2は基本機能、拡張ネットワーク機能、IASP FlashCopy など、5770-BR1 のすべての機能を単一のサブスクリプションで提供(販売)しています。
今後、BRMSの拡張は5770-BR2でのみ提供予定です。また、IBM i 7.6をサポートするBRMSは5770-BR2のみです。
単一の IBM i 区画には 5770-BR1 または 5770-BR2 のいずれか一方しかインストールできません。
どちらのバージョンを実行しているシステムも、同じネットワーク環境で共存できます。

5770-BR1から5770-BR2へのアップグレード考慮事項

IBM i 7.4 または IBM i 7.5 で実行されている 5770-BR1をアップグレードする前に、5770-BR2 へのアップグレードプロセスを簡素化するために、以下の 5770-BR1 PTF 適用を推奨
IBM i 7.5 - SJ01879
IBM i 7.4 - SJ01877

注: IBM i 7.6 では 5770-BR2 のみがサポート(IBM i 7.6に5770-BR1はインストール不可)

BR1からBR2への移行プロセス

5770-BR1が既にインストールされている区画に5770-BR2をインストールする手順は以下の通り。

  1. 前述の5770-BR1用の推奨PTFを適用
  2. インストールを元に戻す必要がある場合に備えて、QUSRBRMライブラリーを保存
  3. ライセンスプログラム5770-BR1とそのすべてのオプションを削除
  4. QUSRBRM内のBRMSファイルにユーザーが作成した依存関係がないことを確認する。QUSRBRM内のすべての物理ファイルと論理ファイルに対してDSPDBRを使用し、IBM BRMSファイルのみがリストされていることを確認してください。その他のIBM以外の依存関係が存在する場合は、アップグレードを開始する前にそれらを削除する必要があります。
  5. BRMSコマンドでOUTPUT(*OUTFILE)を使用する場合は、新しいリリースへのアップグレードの前後に現在の出力ファイルを削除してください。ファイル形式が変更され、新しいフィールドが追加または変更されている可能性があります。
  6. BR1からBR2へのアップグレード前に、BRMS パラメーター(例えば、制御グループ属性のターゲット・リリース)を確認し、IBM i 7.6 で無効になる可能性のある値がないか確認してください。引き続き使用されサポートされているデータ域を確認するには、BRMS で使用されるデータ域を参照してください。
  7. 5770-BR2 をインストール
  8. 最新の BRMS PTF を適用

上記の詳細な手順は7.1.3「5770-BR1 から 5770-BR2 への移行」を参照
アップグレード・プロセスの詳細については、BRMS (5770-BR2) のインストールを参照してください。

5770-BR2のライセンシング

5770-BR2 はプロセッサーごとにライセンスが付与されますが、BRMS が使用する特定のコアには結び付けられません。バックアップ対象の IBM i 区画に基づいてライセンスが付与されます。
5770-BR2 はサブスクリプション・ライセンスのみ。期間中に使用した数量に対して料金発生。IBM ソフトウェア・メンテナンス (SWMA) が含まれています。サブスクリプション期間は、1 年、2 年、3 年、4 年、5 年から選択。

BRMS および Cloud Storage Solutions for i では、標準のサブスクリプション期間に加えて、短期ライセンスとして90日間のオプションも提供,、例えば、新規サーバーへの移行やPowerVS移行時に利用可能です。

ライセンス計算例:
1つのLPARに 4コア分のIBM i ライセンスがあります。5770-BR2 ライセンスは、BRMS が使用するコア数に関係なく、4 個となる。
以前のIBM i OSバージョンのライセンス条項詳細は以下リンク参照。

BRMS (5770-BR2) 7.5 ライセンス条項
BRMS (5770-BR2) 7.4 ライセンス条項

BRMS サブスクリプション期間およびクラウド ストレージ ソリューション サブスクリプション期間の詳細については、IBM i ライセンス トピック ページのサブスクリプション期間オファリングを参照。

5770-BR2 GUI

BRMS GUIへのアクセスURLは下記です。
http://<システム名>:2088

上記URLからアクセスしBRMSのヘルス情報、バックアップとメディアのアクティビティを監視できます。
Webインターフェースは5770-BR2製品に含まれています。また、各テーブルに対応するSQLクエリを表示するSQLボタンも含まれています。
メイン画面から、システムのバックアップとメディアを管理できます。執筆時点ではフルファンクションではなく、一部のコンポーネントの監視のみをサポートしています。

BRMS GUIインターフェースのMFAサポート

IBM i 7.6で提供されるMFA が有効になっているシステムでは、BRMS ログイン画面に「ログイン」ではなく「次へ」が表示されます。ユーザー名とパスワードを入力すると、追加の認証要素の入力を求められます。
image.png
image.png

BRMSのGUI画面
image.png

BRMS Web インターフェースに関する考慮事項

5770-BR2 BRMS Web インターフェースには、以下の BRMS 5770-BR2 PTF が必要です。
– IBM i 7.5 - SJ00272
– IBM i 7.4 - SJ00271

BRMS PTF をインストールしたら、以下のコマンドを使用して BRMS Web インターフェースを再起動します。
**a. ENDTCPSVR コマンドを実行して QBRMWEBSVR を終了します。
ENDTCPSVR SERVER(*HTTP) HTTPSVR(QBRMWEBSVR)
b. すべての QBRMWEBSVR ジョブが終了するまで待機します。これは、以下のコマンドでアクティブなジョブがないかどうかで確認できます。
WRKACTJOB JOB(QBRMWEBSVR)
*c. QBRMWEBSVR インスタンスを再起動します。
STRTCPSVR SERVER(HTTP) HTTPSVR(QBRMWEBSVR)

BRMS Web インターフェースは、以下の設定で自動的に構成されます。
– 非セキュア HTTP ポート 2088 で実行する
– *HTTP サーバーの起動時に自動的に起動する

BRMS Web インターフェースをセキュア HTTPS トラフィック用に構成することをお勧めします。詳細は、BRMS Web インターフェースでのセキュア HTTPS の有効化を参照

BRMSのバックアップ

BRMS インターフェースを使用して、失敗、非アクティブ、キャンセル、完了などのすべてのバックアップ ステータスを表示できます。BRMS では、プリセット設定を使用して、すべてのシステム データと BRMS データをバックアップできます。
その他細かな要件に合わせた様々なバックアップ方式を設計できます。

BRMSのメディア

BRMSが保存データの場所と各メディアの使用可能容量を追跡できます。
バックアップポリシーを構成する際に、メディアのシリアル番号、複数メディア、保存ファイルなど、保存データの保存場所を指定できます。バックアップ中、BRMS は指定された種類の利用可能なプールから必要なメディアを自動的に選択します。この追跡システムにより、アクティブファイルの誤った上書きや不適切なメディアの使用を防ぐことができます。
バックアップ後、BRMS は指定された保管場所を移動するメディアを追跡します。
例えば、バックアップメディアをオフサイトに移動すると、BRMS は出発時刻と予定到着時刻を記録します。

BRMSのネットワーク

複数の IBM i をBRMS ネットワークに配置してグループ全体で BRMS ポリシー、メディア情報、保管場所を共有できます。BRMS は、ネットワーク全体で以下の情報を共有します。

コンテナクラス
コンテナインベントリー
複製参照
履歴情報(オプション)
媒体クラス
媒体インベントリー
媒体ポリシー
移動ポリシー
ネットワークグループ
保管場所

詳細については、BRMS ネットワークに関する考慮事項を参照してください。

BRMS管理者

BRMS管理者は、BRMS機能使用モデルを使用することで、バックアップ、リカバリー、メディア管理といったBRMS機能、および各機能の特定のコンポーネントへのユーザーアクセスをカスタマイズできます。
例えば、あるユーザーに制御グループの変更を許可し、別のユーザーには表示または使用のみを許可することができます。また、すべてのユーザーに特定の機能またはコンポーネントへのアクセスを許可することもできます。

SETUSRBRMコマンドではジョブ・カテゴリー(OPERATORまたはADMINISTRATOR)ごとにユーザーまたはグループのプロファイルをリセットできます。このコマンドは、BRMS機能へのアクセス管理の出発点として使用できます。

5770-BR1 から 5770-BR2 への移行

推奨される PTF適用を推奨。
IBM i 7.5 - SJ01879
IBM i 7.4 - SJ01877

以下のシナリオでは、システムは IBM i 7.5 を実行しており、PTF SJ01879 が既にインストールされています。
IBM i 7.6 では 5770-BR2 のみが使用可能であるため、IBM i 7.6 へのアップグレードの一環として、以下の手順に従う必要があります。

5770-BR2への移行手順

5770-BR2に移行するには、以下の手順に従います。
1.SAVLIB LIB(QUSRBRM) DEV(*SAVF) SAVF(BACKUPLIB/SAVBRMS)

注: この例では、ライブラリーQUSRBRMは、システム上のローカルライブラリーBACKUPLIB内のファイルSAVBRMSに保存されます。テープにバックアップすることもできます。

2.以下のコマンドでQUSRBRMにおけるファイル依存関係の問題を防ぐため、BRMS SQLサービスを削除します。

CALL QBRM/Q1AOLD PARM('INSTALL ' 'RMVSQLSERV' 'N' '00')

次のSQLを使用してQUSRBRM内のユーザー作成ファイルを検索できます。

select * from table(qsys2.object_statistics('QUSRBRM', 'FILE')) x where OBJOWNER <> 'QBRMS'
  1. 図7-7(154ページ)に示すように、次のコマンドを実行して5770-BR1製品を削除します。
DLTLICPGM LICPGM(5770BR1) OPTION(*ALL)

4.GO LICPGMコマンドかRSTLICPGMコマンドで BRMSを導入します。

RSTLICPGM LICPGM(5770BR2) DEV(OPTVRT01)
  1. BRMSのインストールが完了したら、最新のBRMSグループPTFを適用できます。
    最新の機能拡張と修正が組み込まれるように、最新BRMS PTFを適用することを強くお勧めします。
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