Navigator for i のデータベース関連拡張
こちらはさらにいろいろ拡張されているようです。
ヘルス標識:データベースヘルス標識
データベースのパフォーマンスに関連する様々なメトリックスが増えているようです。
データベース処理上、パフォーマンスネックになりやすい指標値をヘルス標識表示してくれます。下図のメトリックスは下記です。
- 物理データベース I/O速度
- SQLフルオープン率
- ネイティブ・フル・オープン率
- プラン作成・再作成率
- キャッシュからのプランの除去率
ユーザー毎のシステム環境、アプリケーション特性や利用特性によって変わってくる部分なので実地にはかなり役立ちそうに思います。
データの調査 → ヘルス標識 → データベース・ヘルス標識
更にRedBookには上記のグラフからドリルダウンして表示した、作成されたテンポラリー・インデックスの時系列のグラフが記載されています。
私の手元のデータでデータベースヘルス標識のデータをドリルダウンしてみます。
こちらのデータではネイティブ・フル・オープン率が閾値越えになっています。
一例がこちら。キャッシュ済みの照会オブジェクトからのフルオープン数、キャッシュを使用しないフルオープン数などが表示されます。
そこからさらに時系列でのクエリー実行回数と照会オープン数のグラフなども出せます。
以上はデータベース処理のどのあたりに問題があるかめぼしをつけるために有効なように思います。
IBM i 7.6での IBM i サービスの拡張
統合MFA関連
として以下が挙げられています。
- CHANGE_TOTP_KEY table function
- CHECK_TOTP scalar function
- USER_INFO view
- USER_INFO_BASIC view
- SECURITY_INFO view
監査ジャーナル関連
監査ジャーナルの重要性の説明のあとに、
MANAGE_AUDIT_JOURNAL_DATA_MART IBM i サービスで各ユーザー毎に必要とする監査ジャーナルタイプだけに絞ったデータマートを作成可能 という説明があります。ここで言うデータマートの具体的なものは別途調べてみたいと思います。
以下は、監査ジャーナル関連のIBM i サービス拡張 で、ジャーナルエントリータイプ毎のテーブル関数です。
- AUDIT_JOURNAL_AD (Auditing Change)
- AUDIT_JOURNAL_ CP (User Profile Changes)
- AUDIT_JOURNAL_ DS (Service Tools User ID and Attribute Changes)
- AUDIT_JOURNAL_ GR (Generic Record)
- AUDIT_JOURNAL_ NA (Attribute Change)
- AUDIT_JOURNAL_ PW (Password)
- AUDIT_JOURNAL_ SM (Systems Management Change)
- AUDIT_JOURNAL_ VP (Network Password Error)
iSCSI関連
iSCSI構成サービス というIBM i サービス群が追加されています。記載からはVTLなどをiSCSIターゲットデバイスとして操作するためのものと理解しました。
- ADD_ISCSI_TARGET procedure VTLなどをiSCSIターゲットとして構成する
- CHANGE_ISCSI_TARGET procedure
- REMOVE_ISCSI_TARGET procedure
- CHANGE_IOP procedure
- ISCSI_INFO view
アプリケーション・サービス関連
IBM i 7.6 では、プログラム機能の可視性を強化し、IBM の長年にわたる ILE 改善への取り組みを継続、と書かれています。具体的には下記のテーブル関数です。
サブシステム・ルーティング関連
実行中のジョブのIPアドレス、ユーザー等を調べて、特定のジョブを個別のサブシステムに転送(TFRJOBだと思います。)するストアードプロシージャーです。
詳細はこちらに説明あり。
SET_SERVER_SBS_ROUTING procedure
https://www.ibm.com/docs/en/i/7.5?topic=services-set-server-sbs-routing-procedure
プランキャッシュ関連
プランキャッシュをダンプするDUMP_PLAN_CACHEが追加
プランキャッシュの説明として、
プランキャッシュは、データベースで実行されているSQEクエリに関する膨大な詳細情報へのアクセスを提供します。これは、SQEによって最適化されたクエリのアクセスプランのリポジトリです。
プランキャッシュの目的は次のとおりです。
- 同じクエリが再実行される際に、クエリアクセスプランの再利用を容易にする
- 将来のクエリ最適化で使用するために実行時情報を保存する
- 分析とチューニングのためのパフォーマンス情報を提供する
特定の(個別の)SQLに関連したプラン・キャッシュ情報の取得
QRO_HASH クエリーにパラメーターが追加され、個別のSQLのプランキャッシュを容易に取得できます。
例)
--
-- Create a plan cache snapshot for the plans associated with a single query
--
CALL QSYS2.DUMP_PLAN_CACHE(
FILESCHEMA => 'PCDUMPS',
FILENAME => 'FEB2025',
QRO_HASH => '189AB37E21F9F48C'
);