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大型車ルート検索API比較まとめ

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1.はじめに

大型車のルート検索って、普通のルート検索とはちょっと違いますよね。
車両のサイズや重量制限、通行規制なんかを考えないといけません。
だからこそ、どのAPIを使うかがめちゃくちゃ重要になってきます。
これまでQiitaでは、Google Maps API、OpenStreetMap (OSM)、Mapbox、Azure Maps、ZENRIN Maps APIを使って、大型車向けのルート検索をいろいろ試してきました。
今回は、それぞれのAPIの特徴や違いを整理しながら、どんな用途に向いているのかを考えてみたいと思います!

2.各APIの概要と特徴

2-1.Google Maps API

ルート検索の精度

Google Maps APIは、世界中の道路データを駆使した高精度なルート検索ができます。
乗用車向けのルート検索なら超優秀ですが、大型車専用のルート検索となると少し物足りない部分もあります。

大型車向けのルート指定機能

Google Maps APIにはトラックルートのオプションもあるんですが、日本国内ではまだ対応が限定的。
特定の道路を避けたり、ある程度の車両制限には対応していますが、大型車専用に最適化されたルートを出すのは難しい印象です。

料金・制限事項

Google Maps APIは従量課金制で、以前は$200の無料枠があったんですが、最近なくなりました。
使用頻度が高いとコストがかかるので、その点は要注意です。

GoogleMapsAPIのルート検索をゼンリンの地図APIの大型車ルート検索でやってみた

2-2.Mapbox

オープンソースベースの利点

Mapboxは、OpenStreetMap (OSM) をベースにした地図プラットフォームで、オープンデータを活用できるのが大きな強みです。
データをカスタマイズしたり、独自の地図スタイルを適用したりすることが可能です。

カスタマイズ性

Mapboxのルート検索はカスタマイズ性が高く、特定の道路を避けるルールを設定したり、カスタムプロファイルを作成したりできます。
独自のルート検索を作りたい場合には便利ですね。

大型車ルート対応状況

Mapboxはトラックルートに対応しているものの、日本国内の精度はまだ微妙なところもあります。
特に、大型車向けの細かい規制を考慮するなら、ZENRIN Maps APIのほうが優秀です。

日本国内の大型車ルーティング:MapboxとZENRIN Maps APIの実装ガイド

2-3.OpenStreetMap (OSM)

無料で使える強み

OSMは無料で使えるオープンデータなので、APIコストを気にせず利用できるのが魅力です。

コミュニティ主導のデータ更新

OSMは世界中のユーザーがデータを更新しているので、地域によってはめちゃくちゃ詳しい情報が揃っていることも。
ただし、地域によってデータの精度や更新頻度にばらつきがあるのが課題ですね。

ルート検索の精度と課題

OSMのルート検索は、使うルーティングエンジンによって精度が変わります。
OSMnxを使ってZENRIN Maps APIと比較したところ、大型車の通行制限情報が足りないケースがありました。
商用で使うなら、追加のデータ補完が必要になりそうです。

OSMnxで挑戦!ゼンリンの地図APIの大型車ルート検索をOpenStreetMapで実装してみた

2-4.Azure Maps

Microsoftのエコシステムとの統合

Azure Mapsは、Microsoftのクラウドサービスとの連携がしやすいAPIです。
特に、IoTデバイスやAIと組み合わせて使う場合には相性がいいですね。

大型車ルート対応状況

Azure Mapsはトラックルーティングに対応していますが、日本国内での精度はまだまだ発展途上。
海外向けの大型車ルート検索には向いていますが、日本の細かい交通規制を考慮したルートは出しにくい印象です。

料金と利用制限

Azure Mapsは従量課金制。Google Maps APIと同じく、利用量に応じて料金がかかります。
他のAzureサービスと組み合わせるならメリットはありますが、単体で使うならコスト面で比較検討が必要です。

ルート検索APIの選択肢:Azure MapsとZENRIN Maps APIの比較と活用法

2-5.ZENRIN Maps API

日本国内の詳細な道路データ

ZENRIN Maps APIは、日本国内の道路情報にめちゃくちゃ強いです。
特に、大型車向けの詳細なルート検索ができるのがポイント。

大型車ルートに特化した機能

他のAPIと比べて、大型車向けのルート検索に最適なAPIの一つです。
実際に試したところ、Google Maps APIやOSMでは考慮されない規制もきちんと反映されていました。

料金・制約

ZENRIN Maps APIは商用向けのサービスなので、料金はやや高め。
ただ、日本国内で正確な大型車ルートを検索したいなら、その価値は十分あると思います。

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3. 各APIの比較

API ルート精度 大型車対応 コスト カスタマイズ性 データ更新頻度
Google Maps API 高め 頻繁
Mapbox 定期
OpenStreetMap 低~中 無料 コミュニティ次第
Azure Maps 定期
ZENRIN Maps API 頻繁

4. 実際に試した結果と感想

実際に各APIを使って、大型車ルート検索を試してみました。
「地点A → B」のルートを比較し、それぞれの結果を分析してみます。

4.1 ルート検索の比較

各APIで大型車ルート検索を実装してみた結果、以下のような傾向が見られました。

  • Google Maps API: 一般車向けのルートがメイン。大型車向けの最適化は難しい。
  • Mapbox: ルート検索の自由度は高いが、日本国内の大型車向けルートには弱め。
  • OpenStreetMap (OSM): OSMnx で独自にルートを調整すれば使えそうだが、データ精度にばらつきあり。
  • Azure Maps: トラックルートの検索は可能。ただし、日本の道路事情をどこまで反映しているかは要検証。
  • ZENRIN Maps API: 日本国内の道路規制を考慮したルートを提供。大型車向けでは最も正確。

4.2 APIごとの強み・弱み

API 強み 弱み
Google Maps API 高精度なルート検索、情報が豊富 大型車向けルートの考慮が不十分
Mapbox カスタマイズ性が高い 日本国内の大型車対応が限定的
OpenStreetMap 無料で利用可能、カスタマイズ可 データ精度が地域による
Azure Maps Microsoftとの統合が容易 日本国内の大型車ルートの精度が未知数
ZENRIN Maps API 日本国内の大型車ルートに最適 料金が高め、商用向け

5. まとめ

5.1 どのAPIがどんな用途に向いているか

各APIの特徴を踏まえると、用途に応じて以下のように選ぶのが良さそうです。

  • 乗用車向けのルート検索がメインなら → Google Maps API
  • 自由度の高いルート設定がしたいなら → Mapbox
  • 無料で使いたい&データを独自に拡張できるなら → OpenStreetMap
  • Azure環境で統合利用するなら → Azure Maps
  • 日本国内で正確な大型車ルートを求めるなら → ZENRIN Maps API

5.2 コスト・精度・カスタマイズ性のバランス

もし コストを抑えつつ、ある程度の精度が欲しいなら OpenStreetMap や Mapbox も選択肢になります。
一方で、精度を最優先するなら ZENRIN Maps API が最も信頼できる という結果になりました。

各APIの特性を理解し、用途に応じて最適なものを選ぶことが重要ですね!

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