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Copilot全社導入はゴールではなかった。「使っている」から「価値を生んでいる」へ

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Last updated at Posted at 2026-04-30

はじめに

株式会社学情で、社内DXを推進するDXチームのiizukaと申します。

2025年2月、当社では Copilot を全社導入しました。

それまでは、チーム内で検証という位置づけで触ってはいたものの、
正直なところ「なんとなく使っていた」というのが実状でした。

そんな中、全社展開をきっかけに、
突然「どうやって使ってもらうか」「どう定着させるか」を考えるプロジェクトが始まりました。

私をはじめメンバーは
システム導入を数多く経験してきたわけでもなく、
ユーザートレーニングを専門にやってきたわけでもありません。
それでも
「使われる状態をつくる」 ことに向き合う立場になりました。

そんな状態から始まった試行錯誤を振り返りながら、
当社で取り組んできた「デジタルアダプション」のプロジェクトについてご紹介します。

その中でも、本記事では
デジタルアダプションを進めるための具体的な取り組みとして行ってきた
ユーザートレーニングを中心に

そこから得られた気づきや変化をまとめています。

手探りで始まった、試行錯誤のユーザートレーニング

プロジェクトが始まり、まず取り組んだのはユーザートレーニングでした。

※全社員を対象にしたオンライン会議形式で実施するユーザートレーニングです。

ただ、その時点では「これが正解だ」と言えるやり方は何もありませんでした。

アンケートを取ったり、メンバーで
「どのコンテンツを扱うか」を多数決で決めたり、
スライドの構成やデモの内容も、毎回手探りで考えていました。

実際に使っている人に話を聞いてみても、
「どうやってその話をユースケースとして広げればいいのか」
「誰に、どう届ければいいのか」が分かりませんでした。

アンケートでは
「正直、ChatGPTのほうが文章を作成してくれる」
といった声をもらうこともあり、
この時期は悩みながら、とにかく先に日程を決めてコンテンツを作り上げていました。

新機能を紹介することが、ユーザートレーニングの目的ではなかった

ユーザートレーニングは、毎回いきなり本番というわけではなく、
何度かリハーサルを行いながら準備していました。

Copilotは新機能のリリースが早く、
気づくと「これは便利そうだな」と思う機能が次々に出てきます。
そのため、ユーザートレーニングに向けて、
新機能を調べては資料に落とし込み、
「これを紹介したら役に立つはずだ」と考えて準備を進めていました。

実際、かなり時間をかけて調べて作り上げた内容を、
ユーザートレーニングのリハーサルで紹介しました。

ただ、そのときの周りの反応は、正直あまり良いものではありませんでした。

リハーサル後にもらったフィードバックで印象に残っているのが、

「ユーザーが知りたいのは、機能そのものではなく、“どう使うか”というところ」

という一言です。

システム側の人間としては、
どうしても新機能やアップデートに目が行きがちです。
ですが、ユーザーが本当に知りたいのは、
「それを自分の今の業務でどう使えるのか」
「今日・明日の仕事で、何がどう変わるのか」

という部分でした。

新機能を紹介するだけでは、業務のイメージにはつながらない。
新機能 + 今の業務にどう当てはめられるか
そこまでセットで伝えなければ、"使ってみよう"にはならない。

そのことを実感したのが、OutlookのCopilotの機能を紹介したときのことです。
機能の説明にとどまらず、「商談のお礼メールから見積もり送付まで」
という営業の実際のシチュエーションを想定し、ゆっくり2回デモを見せる形にしました。
すると

「Copilotってめっちゃ使えるのでは?!」
「上司のメール添削いらなくなる!」

といままでで一番反響のあった回になりました。

機能ではなく、自分の業務と重なる場面で見せること。
それが"使ってみよう"につながる。
数回ユーザートレーニングを重ねて、この気づきが、ようやく腹落ちしました。

試行錯誤の先で見えてきた、デジタルアダプションの定義

当社が考えるデジタルアダプションの定義は、

新システムやツールを全社員が最大限活用し、生産性を向上させ、
より多くの成果を生み出せる状態をつくること

です。

単にツールを「知っている」「使える」状態ではなく、
ツールの特性を理解し、自分の業務の中で活用できている状態
こそが、目指すべきゴールだと考えました。

この考え方を、ユーザートレーニングのメッセージとしても
はっきりと打ち出すようにしました。

ユーザートレーニングを通じて、
さまざまなシステム・ツールへの理解を深めていただき、
その上で 「自分なりの活用方法」を見つけてもらうこと
結果として、生産性向上につなげていく。
これが、ユーザートレーニングの役割だと整理しました。

定義を踏まえて、ユーザートレーニングを変えた

整理したデジタルアダプションの定義を軸にすることで、
ユーザートレーニングの進め方も少しずつ変わっていきました。

ただ新機能を紹介するのではなく、
現場の声を起点にコンテンツをつくることを意識するようになりました。

具体的には、Copilotの管理画面で利用頻度が高いユーザーを確認し、
そのユーザーに直接Teamsでチャットを送るというアプローチを取りました。
「どんな場面で使っていますか?」と声をかけるだけで、
現場のリアルな使い方が少しずつ見えてくるようになりました。

そうして集めた声を、次のユーザートレーニングの内容に反映する。
このサイクルが、少しずつ回り始めました。

形式についても試行錯誤がありました。
当初はハンズオン形式を取り入れていましたが、
30分・昼休み・オンラインという制約の中では続けることが難しく、
「まず見てもらう」というデモ形式に落ち着きました。

同時に、ユーザートレーニング自体も、
少しずつ仕組み化していきました。

アウトラインのテンプレート化や、
事前レビュー・リハーサルの流れをある程度固定することで、
1回のユーザートレーニングにかける準備時間を減らすことができました。

結果として、
運営する側の負担も軽くなり、
無理なくユーザートレーニングを継続できる状態に
近づいていったと感じています。

見えてきた成果と、まだ感じているギャップ

こうした取り組みを続けた結果
年間では合計24回の全社員向けユーザートレーニングを実施し、
その甲斐もあってCopilotのアクティブユーザー率は全社導入当初から
95%以上をキープすることができました。

また、ユーザートレーニングのアンケート満足度も、
80%以上を継続して維持しています。

補足:「アクティブユーザー95%」という数字の意味

Microsoft の管理ツールでは、
「過去30日間に1回でも Copilot の機能を使った」
ユーザーをアクティブユーザーとしてカウントします。

つまり、

  • トレーニング直後に1回だけ試した人
  • 月に数回だけ使っている人
  • 「使ってはいるけど、効果を実感できていない」人

も、すべて「アクティブユーザー」に含まれます。

この数字は、
「Copilotに触れたことがある人」の割合であって、
「日常業務に組み込めている人」の割合ではありません。

一方で、
「使われている」と「使いこなせている」の間には、
まだギャップがあるとも感じています。

この先のフェーズでは、
「触ったことがある」を「業務に欠かせないツールになっている」
に変えていくことが、次の課題だと捉えています。

デジタルアダプションに終わりはない。
この取り組みも、今後も形を変えながら続けていくつもりです。

デジタルアダプションで学んだ3つのこと

1. 「導入」と「定着」は別物

システムを導入すること自体はゴールではなく、
使われなければ意味がありません。
本当のゴールは、業務の中で使われ続けている状態だと感じました。

2. ユーザーは「機能」ではなく「業務の変化」を知りたい

「何ができるか」よりも、「その結果、自分の業務がどう変わるのか」。
使い始めのユーザーは「楽になりたい」という気持ちが入口になりますが、
使いこなしていくうちに
「より質の高いアウトプットを出せる」「新しい価値を生み出せる」
という感覚に変わっていく。
AIは効率化のツールではなく、
価値創出のツールだと気づき始めているユーザーの変化を見て、そう確信しました。

3. 完璧な計画より、試行錯誤と修正

専門家ではない私たちでも、ユーザーの声を聞きながら改善を重ねることで、
少しずつ形にしていくことができました。
完璧な計画を立てるよりも、型にはまらず何度も考え、試し、修正しながら実践していく。
そのプロセスは大変ではありましたが、
ただ続けるよりもずっと面白く、前向きに取り組めたように思います。
苦しいことも多々ありましたが、こうした試行錯誤を重ねる姿勢があったからこそ、
ここまで取り組みを続けることができています。

まとめ

Copilotの全社導入を通じて、どんなに優れたツールでも、
使い続けなければ、価値を見出すことはできない
ということを痛感しました。

「定着」とは、継続的な取り組みの先にあるものです。

専門家ではない私たちでも、
ユーザーの声を聞き、試行錯誤を続けていけば、
「使われる状態」はつくることができます。

これから Copilot や他のツールを
全社展開される方やシステムの定着を行おうとしている方の参考になれば幸いです。

お断り
この記事は筆者の個人的な経験や考えに基づいて書いています。所属組織の公式な意見や方針とは関係ありませんのでご了承ください。

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