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PMBOKの統合マネジメントを徹底解説 - プロジェクト成功の要となる知識エリア

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はじめに

プロジェクトマネジメントに関して実務経験は無いため、机上で学んだ知識のアウトプットになります。
質問や指摘があれば、いつでもコメントください!

PMBOK(Project Management Body of Knowledge)では、プロジェクトマネジメントを10の知識エリアに分けて体系化しています。その中でも統合マネジメントは、プロジェクトマネージャー(PM)が直接担当すべき最重要の知識エリアです。

この記事では、統合マネジメントの概要から、各プロセス群での具体的な活動内容まで詳しく解説します。

統合マネジメントとは

🎯 統合マネジメントの目的

統合マネジメントは、以下の役割を果たします:

  • PMがやるべき事の特定や定義を行う
  • 各マネジメント要素を上手くまとめてプロジェクトを成功させる
  • 他の9つの知識エリアを統合・調整する

🔑 重要なポイント

統合マネジメント以外の業務(スケジュール管理、品質管理など)は他のメンバーに移譲することができますが、統合マネジメントはPMが必ず担当すべき領域です。これがプロジェクトマネージャーの存在意義とも言えるでしょう。

統合マネジメントの5つのプロセス

1. 立ち上げ(Initiating)

📋 プロジェクト憲章の作成

立ち上げフェーズでは、プロジェクト憲章の作成が統合マネジメントの主要な活動となります。

プロジェクト憲章は、プロジェクトの存在意義と基本的な方向性を示す重要な文書で、以下の要素を含みます:

  • プロジェクトの目的と背景
  • 主要な成果物と要求事項
  • プロジェクトマネージャーの権限
  • 高レベルなリスクとマイルストーン
  • ステークホルダの列挙
  • プロジェクトの承認条件、完了条件の洗い出し

2. 計画(Planning)

📊 プロジェクトマネジメント計画書の作成

計画フェーズはPMの仕事で最も重要な段階です。ここで十分に時間をかけて計画を練らないプロジェクトは失敗する可能性が高くなります。

プロジェクトマネジメント計画書は、以下の要素から構成されます:

各知識エリアのマネジメント計画書

計画書名 内容
スコープ・マネジメント計画書 プロジェクトの範囲の定義、検証・管理方法の決定
WBS作成方針
スコープ・ベースラインをどうするか
成果物の受け入れ方法決定
追加要求等発生した場合の対策
要求事項マネジメント計画書 要求事項の収集、分析、文書化する方法の決定
スケジュール・マネジメント計画書 スケジュールを作って管理する方法を定義
コスト・マネジメント計画書 予算を計画し、管理する方法を定義
品質マネジメント計画書 成果物の品質基準を定義
リソースマネジメント計画書 人や物をいつ割り当てて管理するかを定義
コミュニケーション・マネジメント計画書 情報共有方法の定義
リスク・マネジメント計画書 潜在的リスクの特定、分析、対応策を決める
調達マネジメント計画書 人や物の調達方法を定義
ステークホルダ・エンゲージメント計画書 関係者との関係構築や管理手法の定義

プロジェクト管理の基盤となる計画書

計画書名 内容
変更マネジメント計画書 変更要求の評価や承認プロセスを定義
コンフィギュレーション・マネジメント計画書 成果物の構成管理の定義

ベースライン

ベースライン名 内容
スコープ・ベースライン 承認された「スコープ」、「スケジュール」、「コスト」の基準値の記載
パフォーマンス測定ベースライン 進捗を図る基準

その他の重要要素

要素名 内容
プロジェクト・ライフサイクルの記述 要件定義、設計、開発、テスト、移行のそれぞれの完了条件を記載
開発手法 ウォーターフォール、アジャイル
マネジメント・レビュー 進捗確認やレビュー方法を定義

3. 実行(Executing)

🚀 計画の実行と要求事項の充足

実行フェーズでは、以下の活動を行います:

  • PM計画書に定義した作業を完了していく
  • 要求事項を満たしていく
  • チームメンバーの指揮・調整
  • ステークホルダーとのコミュニケーション
  • 品質保証活動の統合管理

このフェーズでは、計画で定めた方針に従いながら、状況に応じて柔軟な対応を行うことが求められます。

4. 監視・コントロール(Monitoring and Controlling)

📈 作業の監視・コントロール

監視・コントロールフェーズでは、以下の重要な活動を行います:

基本的な監視活動

  • 作業の監視・コントロール
  • マネージされているかセルフチェック
  • プロジェクトパフォーマンスの測定と分析

統合変更管理

  • 変更が生じた計画書の妥当性の確認
  • 必要に応じた計画書の修正
  • 変更要求の統合的な評価と承認

このフェーズは実行と並行して継続的に行われ、プロジェクトを成功に導くための軌道修正を行います。

5. 終結(Closing)

✅ プロジェクトの適切な完了

終結フェーズでは、プロジェクトを正式に完了させるための包括的な活動を行います:

成果の確認

  • プロジェクト憲章に書いた成果の達成度合いを確認
  • 文書や成果物が最新かのチェック
  • お客様からの承認の担保

契約・財務の完了

  • 全て請求されていることの確認
  • 契約関係の適切な終了処理

プロジェクトのクローズ

  • プロジェクトを閉じる
  • 空いたメンバーの人員配置
  • 資材の処分や再利用
  • プロジェクト完了報告書の作成

知識の蓄積

  • プロジェクトで得られた教訓の文書化
  • 組織資産への反映

まとめ

統合マネジメントは、PMBOKの10の知識エリアの中で最も重要な領域です。プロジェクトマネージャーとして成功するためには、以下のポイントを押さえることが重要です:

  • 統合マネジメントはPMが直接担当すべき領域である
  • 計画フェーズに十分な時間をかけることが成功の鍵
  • 各知識エリアを統合的に管理し、プロジェクト全体を俯瞰する
  • 変更管理を適切に行い、プロジェクトの品質を保つ
  • 適切な終結処理により、次回プロジェクトへの知見を蓄積する

統合マネジメントをしっかりと理解し実践することで、プロジェクトの成功確率を大幅に向上させることができます。


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