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プロジェクトマネジメントの5つのプロセスを徹底解説

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はじめに

プロジェクトマネジメントに関して実務経験は無いため、机上で学んだ知識のアウトプットになります。
質問や指摘があれば、いつでもコメントください!

PMBOKガイドに基づくプロジェクトマネジメントでは、プロジェクトを5つの基本的なプロセス群に分けて管理します。

この記事では、プロジェクトマネジメントの5つのプロセス(立ち上げ、計画、実行、監視・コントロール、終結)について、それぞれの目的と具体的な成果物を詳しく解説します。

1. 立ち上げ(Initiating Process Group)

立ち上げフェーズは、プロジェクトを正式に開始し、プロジェクトの方向性を定めるための重要なフェーズです。

🎯 プロジェクト憲章の作成(最重要)

立ち上げフェーズの中核となるのがプロジェクト憲章の作成です。これはプロジェクト企画書とも呼ばれ、プロジェクトの全体像を俯瞰的に示す重要なドキュメントです。

プロジェクト憲章に含まれる要素

基本情報

  • プロジェクトの目的と背景
  • プロジェクトの目標と成功基準の明確化
  • 要求事項と主要成果物の決定

リスクとスケジュール

  • 全体的なリスクの洗い出し
  • 主要なマイルストーンとスケジュールの概要

ステークホルダーと承認

  • 主要なステークホルダーの列挙
  • プロジェクトマネージャーの任命
  • プロジェクト憲章の承認者の明確化

完了条件

  • プロジェクトが承認される条件
  • プロジェクト完了条件の定義

注意点: プロジェクト憲章は詳細に書きすぎないことが重要です。あくまで方針に対しての認識合わせのための概要文書として位置付けましょう。

2. 計画(Planning Process Group)

計画フェーズでは、プロジェクト憲章をベースに、より詳細で具体的な計画を策定します。

📋 プロジェクトマネジメント計画書の作成

プロジェクトマネジメント計画書は、10個の知識エリアに対してプロジェクト内での実行方針を検討した内容をまとめた包括的なドキュメントです。

この計画書は「生きた文書」であり、実行フェーズや監視・コントロールフェーズで常に最新の状態に更新されます。

プロジェクトマネジメント計画書の構成要素

各知識エリアのマネジメント計画書

  1. スコープ・マネジメント計画書 - プロジェクトの範囲をどう管理するか
  2. 要求事項マネジメント計画書 - ステークホルダーの要求をどう収集・管理するか
  3. スケジュール・マネジメント計画書 - スケジュールをどう作成・管理するか
  4. コスト・マネジメント計画書 - 予算をどう見積もり・管理するか
  5. 品質マネジメント計画書 - 品質基準をどう設定・保証するか
  6. 資源マネジメント計画書 - 人的リソースをどう調達・管理するか
  7. コミュニケーション・マネジメント計画書 - 情報共有をどう行うか
  8. リスク・マネジメント計画書 - リスクをどう識別・対応するか
  9. 調達マネジメント計画書 - 外部リソースをどう調達するか
  10. ステークホルダー・エンゲージメント計画書 - ステークホルダーとの関係をどう管理するか

プロジェクト管理の基盤
11. 変更マネジメント計画書 - 変更要求をどう管理するか
12. コンフィギュレーション・マネジメント計画書 - 成果物のバージョン管理をどう行うか

ベースライン
13. スコープ・ベースライン - 承認されたプロジェクトスコープ
14. スケジュール・ベースライン - 承認されたプロジェクトスケジュール
15. コスト・ベースライン - 承認されたプロジェクト予算
16. パフォーマンス測定ベースライン - 統合されたパフォーマンス基準

その他の重要要素
17. プロジェクト・ライフサイクルの記述 - プロジェクトの各段階の定義
18. 開発手法 - 使用する開発手法(アジャイル、ウォーターフォールなど)
19. マネジメント・レビュー - 定期的な見直しプロセス

3. 実行(Executing Process Group)

実行フェーズでは、プロジェクトマネジメント計画書に基づいて実際の作業を行います。

🚀 主な活動内容

  • プロジェクトマネジメント計画書で定められた方針に従った作業の実施
  • チームメンバーの指揮・管理
  • 品質保証活動の実行
  • ステークホルダーとのコミュニケーション
  • 調達活動の管理
  • 変更要求への対応

このフェーズでは、計画で定めたプロセスを着実に実行しながら、状況に応じて柔軟に対応することが求められます。

4. 監視・コントロール(Monitoring and Controlling Process Group)

監視・コントロールフェーズでは、プロジェクトの実行状況を継続的に監視し、必要に応じて調整を行います。

📊 主な監視・コントロール活動

進捗とパフォーマンスの監視

  • スケジュールの進捗管理 - 計画通りに作業が進んでいるかの確認
  • 品質の検査 - 成果物が品質基準を満たしているかの確認
  • リスクの査定・監査 - 新しいリスクの識別と既存リスクの状況確認

外部リソースの管理

  • 発注先の実行確認 - 外部ベンダーの作業状況の監視

ベースライン比較と調整

  • ベースラインと実績値の比較 - 計画と実績の差異分析
  • 健全性の確認 - プロジェクトが健全に運営されているかの判断
  • 必要に応じた調整 - 問題が発見された場合の是正措置

このフェーズは実行フェーズと並行して継続的に行われ、プロジェクトの成功に向けて軌道修正を行う重要な役割を果たします。

5. 終結(Closing Process Group)

終結フェーズでは、プロジェクトを正式に完了し、成果を確定させます。

✅ 主な終結活動

完了の確認

  • 完了条件を満たしていることの確認 - プロジェクト憲章で定めた完了基準の達成確認
  • 価値提供の確認 - ステークホルダーが望んだ価値が実際に提供できているかの評価

契約と関係の整理

  • 受発注の契約関連処理 - 外部ベンダーとの契約の適切な終了
  • 最終的な成果物の引き渡し

知識の蓄積

  • 学んだことの形式知化 - プロジェクトで得られた知見やノウハウの文書化
  • 次回プロジェクトへの教訓 - 成功要因と改善点の整理

まとめ

プロジェクトマネジメントの5つのプロセスは、それぞれが重要な役割を持ち、相互に関連しながらプロジェクトの成功を支えています。

  • 立ち上げ: プロジェクトの方向性を定める
  • 計画: 詳細な実行計画を策定する
  • 実行: 計画に基づいて作業を行う
  • 監視・コントロール: 実行状況を監視し調整する
  • 終結: プロジェクトを適切に完了させる

これらのプロセスを理解し、適切に実行することで、プロジェクトの成功確率を大幅に向上させることができます。実務では、プロジェクトの規模や性質に応じて、各プロセスの詳細度や重点の置き方を調整することが重要です。


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