1.はじめに
先駆者の記事を参考に、M-1グランプリ2022(とついでに過去のM-1グランプリ)の決勝ファーストラウンドのデータを利用して、主成分分析します。出場者と審査員の特徴が捉えられたらいいな、と思います。
https://qiita.com/haltaro/items/dbfa03c2dd4023316111
↑の@haltaro さんの記事では、2017年までのデータにて分析が行われていました。M-1グランプリのルールや主成分分析の理論的背景まで説明されていて、大変分かりやすいです。是非読みましょう。
本投稿は、2018-2022のデータでも同じことをやってみた、という内容です。ソースコードはこちらです。
2. M1グランプリ2022
最近のM1で結果を見てみます。ウエストランド面白かったですね。ヨネダ2000も最高でした。敗者復活の令和ロマンも最高でした。敗者復活といえばシンクロニシティとハローキティのコラボ動画もおすすめです。キティちゃんの感想が好きです。
2.1 採点結果
ファーストラウンドの順位で並べています。
コンビ名 | 出番順 | 邦子 | 大吉 | 塙 | 富澤 | 志らく | 礼二 | 松本 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
さや香 | 5 | 92 | 96 | 95 | 97 | 95 | 97 | 95 |
ロングコートダディ | 4 | 94 | 92 | 94 | 96 | 96 | 95 | 93 |
ウエストランド | 10 | 91 | 93 | 93 | 94 | 98 | 96 | 94 |
男性ブランコ | 6 | 86 | 91 | 92 | 95 | 94 | 96 | 96 |
真空ジェシカ | 2 | 95 | 92 | 92 | 92 | 94 | 94 | 88 |
ヨネダ2000 | 8 | 91 | 91 | 96 | 91 | 97 | 90 | 91 |
オズワルド | 3 | 87 | 93 | 90 | 90 | 95 | 92 | 92 |
カベポスター | 1 | 84 | 94 | 92 | 93 | 89 | 92 | 90 |
キュウ | 9 | 87 | 90 | 88 | 90 | 89 | 90 | 86 |
ダイヤモンド | 7 | 86 | 90 | 88 | 88 | 88 | 89 | 87 |
これを主成分分析にかけます
2.2 主成分分析
2.3 考察
過去記事の文章を参考にしながら、2022年度の結果に置き換えた文章にて、図表の説明をします。
(過去文献から(ほぼ)引用した部分)
両図ともに、横軸は第一主成分、縦軸は第二主成分です。左図は主成分空間における各出場者の分布を表します。青点は最終決戦進出,赤点は敗退を表します。一方、右図は主成分空間における各審査員の評価傾向を表します。近くに位置する審査員同士は、似たような評価傾向を持ちます。
例えば、博多大吉さんに強く支持された出場者は、左図の左上付近に分布する傾向があります。一方で山田邦子さんに強く支持された出場者は、左図の左下付近に分布する傾向があります。
第一主成分(横軸)に注目すると、全審査員に共通する評価傾向があることがわかります(右図で審査員全員が左を向いているので)。左側に位置する出場者ほど、全ての審査員が面白いと判断したようです。
(引用おわり)
右図。審査員は上下で大きく二方向に分かれています。
上向き。左図から察するに、王道系のしゃべくり漫才を評価する人たち、のように見えます。さや香とカベポスター良かったですね。男性ブランコは...王道かなあ...?オズワルドも普段ならもっと上の方に配置されそうです。
下向き。ヨネダ2000を高評価した志らくさんと塙さんは、右図で同じような向きになっています。そういえば、志らくさんはランジャタイ(2021)やトムブラウン(2018)も高評価でした。イリュージョン系ですね。変なネタです。邦子さんも同じ向きです。邦子さんが高く評価した真空ジェシカは、左図だとヨネダ2000の近くにいます。王道からは外れた、...変なネタです。
3. 過去大会
2001年-2017年までは過去記事にて紹介されているので、本記事では2018年から2021年までを表示します。
3.1 第14回 (2018年)
右から左に向かって会場のウケ、ですかね。
右図。志らくさん上沼さんが真逆の方向です。上向きが変なネタですかね。大体トムブラウンのせいでしょう。
左図。ジャルジャルの"国名分けっこ"も変なネタでした。好きです。
3.2 第15回 (2019年)
左図。志らくさん-塙さん vs その他、となっています。上向きが変なネタかな。
3.3 第16回 (2020年)
左から右向きに会場のウケかな。
右図。オール巨人さんと塙さんが逆向き。下向きグループが、オール巨人さん・松本さん・上沼さん。上向きグループが、他の方々(塙さん志らくさんなど)。志らくさんが埋もれちゃっています。今回はイリュージョンは感じなかったのかな。マヂラブのフレンチは変なネタでしたけど、あまり刺さらなかったのですかね。
3.4 第17回 (2021年)
右図。上沼さんと志らくさんが完全に逆向き。下向きが変なネタですね。ランジャタイのせいでしょう。左図を見るとランジャタイがいますね。ランジャタイのせいでした。とはいえ、上向きはそれほど王道という感じはしません。モグライダーがいますし。なんでしょうね。
4. おわりに
2001-2017の分析や、主成分分析の詳細に興味を持たれた方は、先行研究の記事を読みましょう。
来年も楽しみですね。以上です。