はじめに
環境ジオポータルとは?
環境ジオポータルは、環境省が提供する地理空間情報のオープンデータカタログサイトです。環境に関する地理空間データの検索・取得に特化したプラットフォームとして機能しています。
このポータルサイトでは、データの検索・閲覧・ダウンロードが可能で、さらにAPI経由でのデータ利用にも対応しています。
サイト利用時の注意点
環境ジオポータルは便利なプラットフォームですが、いくつかの技術的な制約があります。
1. 大規模データのプレビュー制限
レコード数が多いデータセットは、ポータルサイト上で直接プレビューできない場合があります。その場合は、テーブル表示からデータをフィルタリングして閲覧する必要があります。
2. Shapefile形式でのフィールド名制限
データは、ShapefileやGeoJSONなど複数の形式でダウンロードできます。ただし、Shapefile形式では、フィールド名の長さに制限があるため、長いカラム名は文字化けする可能性があります。具体的には、英数字は10文字まで、日本語は使用する文字コードにより3〜5文字までという制限があります。
API経由でQGISにデータを取り込む
この記事では、QGISのブラウザパネルに実装されているArcGIS REST Serversを使用して、環境ジオポータルのデータを効率的に取り込む方法を紹介します。この方法を使うことで、ポータルサイトでの手動操作よりも、簡単かつ効率的にQGISでデータを活用できます。
1. 環境ジオポータルでAPIのURLを取得する
環境ジオポータルで目的のデータを検索し、データの詳細ページに移動します。[詳細を表示]ボタンをクリックし、[APIリファレンスを表示]セクションからAPIのURLを取得します。
2. QGISにArcGIS REST Serversを接続する
QGISのブラウザパネルで[ArcGIS REST Servers]を右クリックし、[新規接続]を選択して設定画面を開きます。
接続設定には以下の項目を入力します:
- 名前:接続の名前(例:現存植生図_01北海道)
- URL:環境ジオポータルでコピーしたURL
URLの形式は、以下のようになっています。
https://svr-moej.gisservice.jp/arcgis/rest/services/Hosted/vg_01_0420/FeatureServer/1/query?outFields=*&where=1%3D1
URL後半のクエリパラメータは不要です。URLはhttps:// ~ /FeatureServerまでの部分のみを入力してください。設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックします。
3. QGISにデータを追加する
接続が完了すると、ブラウザパネルのArcGIS REST Serversの下に新しい接続が表示されます。これを展開すると、利用可能なレイヤーが表示されます。必要なレイヤーを選択し、QGISのマップキャンバスにドラッグ&ドロップするだけでデータが追加されます。
必要に応じて、[エクスポート]→[新規ファイルに地物を保存]から、データをローカルファイルとして保存することもできます。
QGISへのデータ取り込みは簡単ですが、大規模なデータセットの場合、読み込みや属性テーブルの表示に時間がかかる可能性があります。この点には注意が必要です。
おわりに
この記事では、環境ジオポータルのデータをQGISで活用する方法について、ArcGIS REST Serversを使用した効率的なデータ取得の手順を解説しました。ぜひ、QGISでのデータ活用に取り組んでみてください。