はじめに
環境ジオポータルで公開されているデータを、ダウンロードやURL指定の手間をかけずに、ワンクリックでQGISに追加できるプラグインを作成しました。
追加できるデータは、タイプが「Feature Service」で、ライセンスが「CC BY 4.0」のデータです。2025年10月現在、150種類以上のデータを利用することができます。
環境ジオポータルのデータは、研究などで利用されることが多いと思います。
このプラグインは QGISのプロセシングプラグインとして実装しているため、モデルビルダーに組み込んで利用できます。データを眺めてみたい方はもちろん、研究や解析で本格的に活用したい方にこそ、ぜひ使ってほしいツールです。
参考 : 環境ジオポータルとは
環境ジオポータルとは、環境省が提供する地理空間情報のオープンデータカタログサイトです。
このポータルサイトでは、データの検索・閲覧・ダウンロードが可能で、さらにAPI経由でのデータ利用にも対応しています。
過去に、API経由でデータをQGISに追加する方法を紹介しましたが、今回のプラグインはその操作を自動化させ、同様の操作 + ファイル保存までをワンクリックで完結できるようにしたものです。
インストール
このプラグインはQGIS公式のプラグインリポジトリに登録されているため、以下の手順でプラグインマネージャから直接インストールできます。
- メニューバーより[プラグイン]→[プラグインの管理とインストール...]の順にクリックし、プラグインマネージャを起動する
- 「全プラグイン」タブに移動し、検索欄に
moeと入力する - リストから「MOE Geoportal Loader」を選択し、[インストール]ボタンをクリックする
- インストールが完了したら[インストール済み]タブで「MOE Geoportal Loader」にチェックが入っていることを確認し、プラグインマネージャを閉じる
2025/10/09 現在、QGIS公式のプラグインリポジトリに登録申請中です。
2025/10/15 に登録されました。
QGISプラグインのインストール手順をより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
使用方法
データセットと出力先を選択すると、あらかじめ設定されたスタイル付きのレイヤとしてデータが読み込まれます。オプションとして、ArcGIS Feature Service レイヤとしてスタイル付きで読み込むこともできます。
ファイル保存時には、スタイルファイル(.qml)も自動生成されるため、次にデータを使うときはQGISにレイヤを追加するだけでスタイルが自動的に適用されます(超便利)。
データセット名に「都道府県別」と含まれる場合は、都道府県単位でデータが提供されています。必ず、プルダウンから都道府県を選択して利用してください。
QGISを使ったことがない方へ
環境ジオポータルのデータを活用している方の中には、商用GISソフトを使用されている方も多いと思います。
無償で利用できるQGISは、多彩な解析ツールを備えた高機能なオープンソースGISです。環境ジオポータルのデータをきっかけに、QGISをぜひ試してみてください。
おわりに
バグ報告や機能リクエストは GitHub Issues までお寄せください。


