損益分岐点の計算問題で、「固定費」も「変動比率」も与えられていない状態で変動費を算出するケースがあるので、その時の解き方を解説します。
例題(応用情報 令和7年春期 午前 問77)
売上高が7,000万円のとき、200万円の損失、売上高が9,000万円のとき、600万円の利益と予想された。売上高が8,000万円のときの変動費は何万円か。ここで、売上高が変わっても変動費率は変わらないものとする。
利益を求める大原則の式
まずは基本の公式です。
利益 = 売上高 - 変動費 - 固定費
(変動費は「売上高 × 変動費率」)
大事なのは、「売上がいくら増えようが、固定費は絶対に変わらない」という点です。
解き方その①:連立方程式で「固定費」を消す(確実な解き方)
公式に、2つのケースを当てはめてみます。
(※変動費率を (v) とします)
-
ケース①(売上7,000万、損失200万):
(-200 = 7,000 - 7,000v - 固定費) …(式1) -
ケース②(売上9,000万、利益600万):
(600 = 9,000 - 9,000v - 固定費) …(式2)
ここで (式2) から (式1) を引くと、「固定費」が消滅します。
(600 - (-200) = (9,000 - 9,000v) - (7,000 - 7,000v))
(800 = 2,000 - 2,000v)
(2,000v = 1,200)
(v = 0.6) (変動費率は60%)
解き方その②:限界利益の「差額」を見る(早い解き方)
過去問道場の解説。
売上が7,000万から9,000万に増えたとき、何が起きているか。
- 売上の増加分: 2,000万円
- 利益の増加分: 800万円(-200万から600万になったため)
「固定費」は売上が増えても1円も変わりません。
ということは、「増えた売上(2,000万)から、増えた利益(800万)を引いた残り」は、すべて「売上が増えたせいで余分にかかった変動費」だと分かります。
- 増えた変動費: 2,000万 - 800万 = 1,200万円
売上が2,000万増えたら、変動費が1,200万増えた。
つまり変動費率は (1,200 ÷ 2,000 = 0.6) (60%)となります。
連立方程式で出した答えと全く同じ。
まとめ
求めるのは「売上高が8,000万円のときの変動費」です。
「変動費 = 売上高 × 変動費率」なので、
変動費 = 8,000万円 × 0.6 = 4,800万円
正解は ウ(4,800万円) となります。
