「ビッグデータとUX」 酒井 桂(ヤフー株式会社)
結論
ビックデータとUXは組み合わせれば面白いことができるはず!
それぞれ、UX、ビックデータとはなんぞ?
それぞれ、データが全てじゃない、データで読み取ることができる!と、対立してしまったりするのがもったいない。
UXとは
UXの定義は300ぐらいいろいろあって、無数にある。
- 元々は、認知工学者のD.ノーマンが定義したこと
- 「エンドユーザ」と「企業、そのサービス及び製品」との間のやりとりを全て網羅するものである。
==> ユーザーとの接点、接点に至るまでをUXというので、一部分だけを見るものではない。
UX(ユーザーの経験)とは
プロダクト、企業内の流れとは関係なく、 ユーザーの一連の体験 を言う。
ドリルが欲しいお客が本当に欲しいのはドリルではなく、穴である。
==> 企業側、プロダクト側の都合は関係なく、ユーザーがそれに触れてどう感じるか、何を求めたかがUXとなる
使い勝手以上の価値
- ユーザビリティも大事やけど、それだけじゃつまらへん。
- 実用性だけじゃなく、感性的なものも大事。
ユーザーの欲求
- 内省的欲求
- オシャレだと思われたい、ステータスになる。など
- 行動的欲求
- 目的を達成するため。実用性があるかどうか。など
- 本能的欲求
- なんかしっくりくる。本能にいいと思う。など
UXは実用的になったからと言って向上するわけでもない。
エモい部分も含めて、UXとなる。
とはいえ、機能部分は満たせて当然。
UX を分類すると
==> UXに触れ始めた形によって、だいたいこんな感じに分類できる
例えば、iPhoneの勝利の理由は?
- スクロールし過ぎた時の跳ね返りや使用感が良かったから?
- 購入から、箱の開封、連携などがスムーズになっていたから?
一口にUXの勝利と言っても様々な情報がある
ビッグデータとは
= 大量のデータ
- 人の面での 大量
- 人数
- マイナンバーなど
- 頻度での 大量
- ポイントカード
- スマホの接触時間など
- 種類での 大量
- センサーの種類など
==> 技術の進歩、価値観の変化によって、よりたくさんのデータが集まるようになってきた。
UX x ビックデータ
ビックデータを使ったUXD (Design) の課題
- 時間がかかる
- 偉い人にわかってもらえない
- 長期的な利用を評価できない
- 感性面の評価が難しい
なかなか実行しにくい。
従来のUXDの調査との比較
定性調査
- アナログ
- 共感しやすい
- 他の気づきも生まれる
- 個別に深く
ビックデータ
- デジタル
- 数字で表せる
- 目的に対して明確
- 広く浅く
==> 二つにそれぞれのメリットはあるが、ビックデータを使うことで、以下のような定量的な評価が下しやすくなる。
UXDの効果検証
- ビッグデータを利用することで、効果検証が自動的にしやすくなる
- (センサーが精度が上がっていて、)感情の検出もできるようになるのでは?
ビックデータのUX
- データを取っていることに対する、ユーザの感じ方
- 集めたデータをどう還元するか
==> ここも重要となってくる。
最も顕著なのは、AIとのコラボによる、レコメンド機能。
「UXのためのチームビルディング」 瀧 知惠美(ヤフー株式会社)
どうすればうまくUXが成果につながる?
UXの手法を勉強してもうまくいかない…
==> 手法も大事だが、 取り組む態度 が大事!
UX = スキル + 知識 + 心構え
がUXデザイナーにとって必要なスキルセット
どんな態度? x 3
1. 必要なことはなんでもやる
UXデザイナーはユーザーのために活動する。
チーム全員が、そう思っていることが理想!
そのためには…
ユーザーニーズについての共通認識を作る
- 最もユーザーが必要なものは何か?を考える
どうやる?
ユーザー調査に最低一回は直接参加・見学する
- ユーザーが考えていることを身をもって知れる
職種横断
- 職種ごとのタスク、役割にとらわれないで横断的に考える!
2. 言葉の意味まで認識を合わせる
ユーザー視点でコンセプトを立てる。はよくやるけども…
目的が合意しているようで、していないこともある
例)
目的:新規ユーザーの獲得
- (チームメンバー)ターゲット層の考慮から行おう!
- (チーム担当者)若者を集客することをやろう!
==> 実はずれている…
3. 自分たちの思い込みを払拭する
UX手法を使えば、いいアイディアが出る!と思われるけども…
- アイディアブレストの時に、最初に考えていた思い込み(固定概念)に引っ張られたアイディアを出してしまうと、ユーザーインタビューをした意味がなくなってしまう!
- 一旦置いておいて、様々な角度からのアイディアを出して、そのあとに取捨選択をすればいい!
「UIは細部が重要」 大本 あかね 様(UX DAYS TOKYO)
アフォーダンスとシグニファイア
アフォーダンス
椅子 = 座るはわかる。
椅子って書いてなくっても、座れそうなら座る。
感覚的にわかるものをアフォーダンス。
シグニファイア
感覚的にわかりにくいものを環境、文字などで促すもの。
アフォーダンスとマテリアルデザイン
押したくなる。押すことがわかることがマテリアルデザインのいいところでポイント。
マテリアルデザインでは、リンクに影があるもの!
しかし、同じコンテンツを表現するなら、影をつけないほうが良い。
(影があると、脳科学的に疲れてしまう)
【疑問】最近Googleの検索結果影できたのはなんでやろ?
認知心理学(脳の)システム1とシステム2
システム1(考えなくてもわかるデザイン)
Don't make me think(バイブル本)
縦並び=>横並びと交互や代わる代わるになると、脳が疲れちゃう
狩野モデルと迷わないデザイン
迷わず使える は当たり前品質。ユーザビリティテストで検証できる。
それを超える便利や好き!
便利 ==> 面倒ではない
好き ==> (便利ではないが)疲れない
から生まれる。
そして、疲れないためには、近くて、広いが大事。
インターフェイスは使ってもらってなんぼ!
UXはコンテキスト(環境)+ タスク(目的)
それを満たすために、タスクを実現するためのコンテキストを用意する必要がある。
Yahoo!カーナビ、Yahoo!乗り換え案内は素晴らしい!
発表の資料