「3Dゲームって難しそう…」と思っていたけど、実際にUnityを触ってみたら思っていたよりスムーズに進められました。
この記事では、わたしが実際に3Dゲームを作ったときの手順と、つまづいたポイント・気づいたコツをまとめます。
初心者でも「とりあえず動いた!」が体験できるように、最初の1本を作る流れをリアルに紹介します。
1. Unityで3Dゲームを作る前に知っておきたいこと
Unityは無料で始められる3Dゲーム開発エンジンです。
わたしも最初は「なんで無料なの?」と思いましたが、個人利用や年商が一定以下の範囲なら無料で使えます(Personalプラン)。
まず最初に理解しておきたいのは、Unityで扱う要素がいくつかの「ビュー(画面)」に分かれているということ。
- Sceneビュー:オブジェクトを配置する作業場。
- Gameビュー:実際のプレイ画面。
- Hierarchyビュー:シーンにあるオブジェクトの一覧。
- Projectビュー:素材データのフォルダ一覧。
- Inspectorビュー:オブジェクトの詳細設定。
最初は英語表記に戸惑うかもしれませんが、これらの構造を理解すると一気に作業が楽になります。
たとえば「Hierarchy」は“ヒエラルキー=階層”の意味で、ここに並ぶオブジェクトがゲーム内に存在するものすべて。
Sceneで配置して、Inspectorで設定する——この流れを覚えるだけでもグッと前進です。
2. 新規プロジェクトを作って3D環境を設定しよう
Unity Hubを開いたら、「New Project」→「3D Core」を選びます。
名前は何でもOKですが、わたしは「MyFirst3DGame」としました。
保存先を選んでCreateすると数分後に真っ白な3D空間が現れます。
まずはこの中に「地面」と「プレイヤー」を置きましょう。
上のメニューから「GameObject」→「3D Object」→「Plane」を選ぶと、広い平面(地面)が出現します。
次に「3D Object」→「Cube」でプレイヤーの箱を作成。
見た目はシンプルですが、これだけで“世界”が見えてくるはずです。
プレイヤーを動かしてみる
3Dゲーム制作の最初の壁が「動かす」こと。
ここではC#スクリプトを1つ書くだけで動かせます。
using UnityEngine;
public class PlayerMove : MonoBehaviour
{
void Update()
{
float x = Input.GetAxis("Horizontal");
float z = Input.GetAxis("Vertical");
transform.Translate(new Vector3(x, 0, z) * Time.deltaTime * 5f);
}
}
Cubeにこのスクリプトをアタッチすると、WASDキーで動くようになります。
最初に「動いた!」瞬間、テンション上がりますよね。
わたしもここで一気にハマりました。
3. カメラとライトで「ゲームらしさ」を出す
3Dゲームは光とカメラの設定で雰囲気がガラッと変わります。
最初のデフォルトカメラでも動きますが、プレイヤー追従型にすると一気に“っぽく”なります。
using UnityEngine;
public class FollowCamera : MonoBehaviour
{
public Transform target;
void LateUpdate()
{
transform.position = target.position + new Vector3(0, 3, -6);
transform.LookAt(target);
}
}
このスクリプトをCameraに付けて、targetにプレイヤーをドラッグすればOK。
ライトも「Directional Light」のRotationを少し斜めにして影を出すだけで立体感がアップします。
4. ゲームっぽい要素を追加してみる
せっかく動くようになったので、当たり判定とスコアを足して“ゲーム”にしていきます。
例えば「アイテムを拾う」とか「障害物に当たる」といった仕組みです。
アイテム側(Sphereなど)にはColliderをつけて「Is Trigger」にチェック。
プレイヤー側ではOnTriggerEnterを使ってスコアを加算します。
void OnTriggerEnter(Collider other)
{
if (other.gameObject.CompareTag("Item"))
{
score++;
Destroy(other.gameObject);
}
}
タグを使って分類しておくと、後でまとめて処理できるのが便利です。
初めて「アイテムを取った瞬間に消える」のを見たときは、ゲームの仕組みが少しわかった気がしました。
5. モデルや地形を入れて世界を作り込む
次は3Dモデルを取り込んでみましょう。
Unity Asset Storeから無料の素材をダウンロードできます。
最初のうちは「LowPoly」系がおすすめ。
軽くて扱いやすいです。
Terrainツールを使うと、地形をブラシで描けます。
山を盛り上げたり、草を塗ったりできるので、感覚的に“遊べる空間”が作れます。
ちょっとした丘を作るだけで、画面の奥行きがグッと増します。
ただし、モデルやテクスチャを入れすぎると処理が重くなりがち。
スマホ向けに出す予定なら、軽量化(LOD・Bake・Lightmap)も意識しましょう。
6. ゲームをスマホで動かしてみよう
Unityはスマホ出力も簡単です。
わたしはAndroidで試しましたが、設定は以下の通り。
- 「File」→「Build Settings」→「Android」を選択し「Switch Platform」
- Player Settingsから解像度・縦横比・アイコンを設定
- USBで端末を接続して「Build and Run」
最初のビルドは少し時間がかかりますが、動いた瞬間は感動ものです。
スマホで自作ゲームをプレイする体験は本当に特別。
バグも含めて「作ってる」感が一気に現実になります。
7. 3Dゲーム制作で注意したいポイント
ここで実際にやってみて気づいた落とし穴をいくつか共有します。
- オブジェクトのスケールがバラバラだと当たり判定がズレる。
- ライトの位置で影が強すぎる場合は「Baked」設定を見直す。
- RigidBody付きオブジェクトは手動移動よりAddForceを使うと自然。
- Unityのバージョン違いで挙動が変わるので、LTS版推奨。
「ちゃんと動くのに影が出ない」とか「床をすり抜ける」といったトラブルも多いですが、原因を探る過程が学びになります。
Unity公式マニュアルやフォーラムは本当に頼りになります。
まとめ:最初の1本を“完成させる”ことが大事
最初の3Dゲーム制作は「完成まで持っていく」のがいちばんの学びです。
グラフィックや物理演算、AIなどやりたいことは無限に出てきますが、まずは「動く→拾う→クリアする」の三点セットを形にすると一気に自信がつきます。
わたしも最初はシンプルな箱と球だけで作りましたが、そこから「敵を出そう」「マップを広げよう」と自然に欲が出て、気づけば小さな3Dアクションが完成していました。
Unityを通じて、自分の世界を“立体的に作れる”感覚をぜひ味わってみてください。
もし体系的に学びたい方は、初心者向けの講座がまとめられているUnity入門の森ショップもおすすめです。