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本で“ちゃんと”Unityを伸ばす:用途別の選び方と、買った後90分で見極める再現手順

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「Unityの本、多すぎてどれを買えばいいの?」
わたしも最初は迷いました。
結果わかったのは、「目的×レベル×書籍タイプ(ハンズオン/辞書/設計・運用)」の三点で選ぶと失敗しにくいということ。
この記事では、Qiita向けに淡々と、でも“つぶやき”っぽく私見も交えながら、Unity書籍の選び方を具体化します。
入門〜中級〜専門領域まで、再現手順・注意点・比較をセットで置いておきます。

前提として、ここでの「おすすめ」は“個人開発で使い切れるか”を基準にしています。
つまり、サンプルが動く/章末で小さくても遊べる成果が出る/エディタやAPIの差分に迷子になりにくい、の三つ。
さらに、購入後に「合わなかった」と感じたときの見切りの付け方も具体化します(書籍は道具、合わなければ次へ)。

まずは地図を整える:用途×レベル×書籍タイプの“3軸マトリクス”

用途はだいたい「2Dで1本つくる」「3Dで操作感まで整える」「C#の基礎を底上げ」「VFX/UI/VRなど特化」「運用・収益・リリースまで俯瞰」の5カテゴリ。
レベルは「完全初学者/基礎は終えた初中級/実務一歩手前」。
そして書籍タイプは「ハンズオン(完成まで導く)」「辞書・レシピ(調べる)」「設計・運用(考え方や実装戦略)」。
この3軸で“自分の今”を言語化すると、検索レビューに振り回されません。

ハンズオンは短期で達成感が出やすい。
辞書は詰まった瞬間に時間を救う。
設計・運用は「そもそも、その設計で積む未来」を回避してくれる。
わたしは最初、辞書本から入って失敗しました。
読む→眠くなる→手が動かない。
初学段階は“手が勝つ”ので、ハンズオン主体+辞書はサブ、が相性よかったです。

注意点は“バージョン表記”。
表紙が最新でも、内部スクショが古いケースはあります。
UIの名前が微妙に違っても、概念が一致していれば学習は進むので、章冒頭で「本書の前提バージョン」と「代替操作(新UIならここ)」が明記されている本を優先。
章の最初で「ここまでに必要な準備」が箇条書きになっている本は、だいたい親切です。

買う前にやる“30分チェックリスト”:失敗を未然に避ける

書籍の目次PDF(通販サイトにあることが多い)とサンプルデータの有無をまず確認。
目次では「インポート→配置→プレイヤー移動→当たり判定→UI→ビルド」まで通してあるかを重点チェック。
ここが分断されていると「遊べるもの」にならず、学習の達成感が出にくいです。

次に“キーワード”。
2DならSpriteAtlas/Tilemap/Animation Controller/Cinemachine(2D)/URPの言及。
3DならRigidbody/CharacterController/Cinemachine(FreeLookなど)/Input System。
UIならCanvas/Anchor/Layout Group/EventSystem。
これらが“章タイトル”や“節タイトル”に出ていれば、必要十分の網羅に近い。

最後に“著者のサポート導線”。
GitHub・配布サイト・正誤表の更新頻度。
ここが生きている本は長く使えます。
逆に、サンプルがダウンロード不可/非公開だと、初学は詰みやすい。
レビューで「サンプルが動かない」指摘が続いていたら、警戒して別候補を。

買った“当日の90分プラン”:サンプルが“走るか”で相性を判定

わたしは新しい本を開いた日に、必ず90分だけ“体験走行”をします。
手順は4ステップ。
これで合う/合わないを即判断。
合わない場合は早期に方向転換できるので、結果的に学習コストが下がります。

ステップ1(15分):環境整備。
本の前提Unityバージョンに近いエディタをUnity Hubで選択。
プロジェクトはURP/3D/2Dなど本の指定テンプレートを選ぶ。
Input Systemの切替が必要なら、最初にやってしまう。

ステップ2(30分):章の途中を飛ばしてもいいので、いちばん“遊べる”ページへジャンプ。
サンプルをインポート→プレハブをSceneに配置→Playで走らせる。
ここまで到達できれば、その本はあなたに“現実的”。

ステップ3(30分):サンプルの数値を“自分好み”に触ってみる。
Speed/JumpForce/Camera Dampingなど、1つずつ変える。
楽しさの手応えが出たら勝ち。

ステップ4(15分):1つだけC#を自書きする。
移動、ジャンプ、スコア加算…なんでもOK。
補完が利くこと、エラー時に本文や索引で“答えに辿れること”を確認。
ここで迷子にならなければ、その本は最後まで走れます。

入門〜初中級で“一本通す”ためのハンズオン本の活かし方(2D/3D別)

2D狙いの人向けの読み方。
まずはスプライトの輸入とPixel Per Unit、Pivotの扱い、Tilemapでの地形作成、Animation ControllerでのIdle→Walk→Jumpの遷移を、章通りに真似します。
Cinemachineの2Dカメラ(Framing Transposer)で“揺れない視界”を作ると、手触りが急によくなる。
入門本の記述が薄いところは、自分で「カメラ」「当たり判定」「UI」だけ補講ググりを挟むと、一本が締まります。

3D狙いの人は、CharacterControllerベースの移動が安定。
Rigidbodyでやると物理の学びは深いけど、初回は沼りやすい。
カメラはCinemachine FreeLookで“手元の視点”を作る→地形はProBuilderで仮組み→URP+Shadowの品質を控えめにして、フレームを安定させる。
ハンズオン本が“ビルド”まで案内してくれていれば最高。
Android/iOSのPlayer Settingsページは必ずブックマーク。

注意点は「古いUI・古いInput Systemの手順」を無理に合わせようとしないこと。
新旧の名前が違っても、概念は同じ。
たとえば旧InputのGetAxis→新InputのAction.ReadValue、Canvas Scalerの設定など、置き換え表を自分ノートに1ページ作ると、学習が一気に楽になります。

“C#が不安”を越えるための組み合わせ:文法本+小さな成功体験

「Unity C# 本 おすすめ」を探すと、文法から始める本と、Unityの中で最小のスクリプトを積み上げる本の2系統が出ます。
わたしは後者が性に合いました。
つまり、Updateでの入力→Rigidbody.MovePosition→SerializeFieldでパラメータ化→Inspectorで調整…という流れ。
文法は必要になった瞬間に“逆引き”で補う。

おすすめの進め方は、1週間だけ“C#専用時間”を設けること。
毎日30分、if/for/配列/リスト/LINQを小さく回す。
並行して、Unityのサンプルに1行ずつ足す。
たとえば、プレイヤーの速度に上限を付ける、ジャンプのクールタイムを入れる、UIテキストを増減させる。
書けた分だけゲームが良くなる実感が、学習曲線を押し上げます。

参考までに、2D横スクの“超最小”移動。
書籍で最初に出てくるやつを、手癖で少しだけ育てた例です。

using UnityEngine;

public class PlayerController : MonoBehaviour
{
[SerializeField] float speed = 6f;
[SerializeField] float jump = 8f;
[SerializeField] LayerMask groundMask;
[SerializeField] Transform groundCheck;
Rigidbody2D rb;
bool grounded;
float jumpCooldown, cd = 0.2f;

void Awake(){ rb = GetComponent<Rigidbody2D>(); }
void Update(){
    var x = Input.GetAxisRaw("Horizontal");
    rb.velocity = new Vector2(x * speed, rb.velocity.y);

    grounded = Physics2D.OverlapCircle(groundCheck.position, 0.15f, groundMask);
    jumpCooldown -= Time.deltaTime;
    if (grounded && jumpCooldown <= 0f && Input.GetButtonDown("Jump")){
        rb.velocity = new Vector2(rb.velocity.x, jump);
        jumpCooldown = cd;
    }
    // 速度上限(落下暴走を抑える)
    rb.velocity = new Vector2(Mathf.Clamp(rb.velocity.x, -speed, speed),
                              Mathf.Clamp(rb.velocity.y, -15f, 15f));
}

}

注意点は「最初から抽象化しない」。
Stateパターンやイベント駆動は後でいいです。
まずは“動く”。
ハンズオン本のサンプルに、上みたいな“小さな便利”を足していくのが最短でした。

“unity 参考書 いらない?”への答え:動画・公式ドキュメント・書籍の役割分担

正直、動画だけで1本は作れます。
ただ、動画は情報の“索引性”が弱い。
数ヶ月後に「あの当たり判定の話どこだっけ?」が見つけづらい。
一方、書籍は索引が強く、章構成が“一本道”なので、迷子が減ります。
わたしは“最初は手を動かす動画/詰まったら辞書本/設計は書籍で腰を据える”のハイブリッドが相性よかったです。

もう一つ、公式ドキュメントは“真理”ですが、初学者には記述がドライでつらい場面もある。
なので、書籍で「何がわからないか」を言語化→公式でピンポイント検索、という流れが効率的。
書籍の脚注やコラムに、公式ページへの導線が多いものは、長期で役立ちます。

結論:“いらない”は人による。
短距離は動画、長距離は本。
本を買う目的は、積む回数を減らす“保険”だと割り切ると、コスパで迷わなくなります。

分野特化(VFX/UI/VR)本の選び方:練習素材と検証手順が命

VFX本は、VFX Graph/Shader Graphの節ごとに“完成画像/値の表/失敗例”が掲載されているかで選びます。
完成図がある→近づける→数値の意味が身体に入る。
この循環が作れない本は、読後に手の内が残りにくい。

UI本は、Canvasスケールとアンカー、レイアウトグループ、イベントの流れ(EventSystem)の3点を“実験”で覚えられる構成を推し。
たとえば、解像度を16:9↔19.5:9↔iPadに切替→崩れがどう出るか→アンカーで直す、の小実験が章内にあると最強。

VR本は、快適性と入力設計のチェックリストが付いているかが鍵。
酔いを避けるための移動方式比較(テレポート/スムーズ/アームスイング)、UIの距離とサイズの推奨、フレーム維持のためのレンダ設定など、“体験の質”に踏み込む本は長く使えます。

比較:ハンズオン本 vs 辞書本 vs 設計本(どれから行く?)

ハンズオン本の強みは“走り切れること”。
弱みは“章外の応用に弱い”。
辞書本の強みは“詰まりを即座に救う”。
弱みは“最初の勢いが出にくい”。
設計本の強みは“後戻りを減らす”。
弱みは“初学の楽しさが薄れがち”。

わたしの順序は、1冊目:ハンズオン(2Dか3Dで1本)→2冊目:辞書(UI/入力/物理の逆引き)→3冊目:設計(アーキ・運用・最適化)。
ここまでで“迷子の総量”が体感で半分以下になりました。

注意点は、ハンズオンを“2冊同時”に走らないこと。
操作や用語が混線して、沼ります。
1冊を完走→もう1冊の別ジャンル(例えば2D→3D)に移る、が精神衛生に良かったです。

明日からのToDo:あなたの“選書→実行”を10手で固める(再現手順)

  1. 作りたいジャンル(2D横スク/3Dアクション/放置/RPG…)を1つ決める。迷ったら“2D横スク”。
  2. レベル自己申告(完全初学/初中級/実務一歩手前)。正直に。
  3. 書籍タイプを決める(最初はハンズオン1冊)。
  4. 通販ページで目次PDFとサンプル配布・正誤表の有無を確認。
  5. キーワード(Sprite/Tilemap/Cinemachine or CharacterController/Input System)含有をチェック。
  6. 購入。届くまでにUnity Hubで該当テンプレを用意。
  7. 到着したら“90分プラン”で相性判定(走る/触れる/1行書く)。
  8. 章ごとに“自分の加筆1つ”ルールを課す(速度上限、UI更新など)。
  9. 詰まったら辞書的な本か公式Docsを5分だけ開く→戻る。
  10. 1本完成→軽くGIFにしてSNSやポートフォリオへ。アウトプットで定着。

この10手を毎回回すと、どの本でも“自分仕様”の学びに変わります。
実はこれが、レビュー点数より再現性が高い選書法でした。

ミニTips:書籍サンプルを“自分のプロジェクト”に移植する時の落とし穴

サンプルを丸ごと自プロジェクトへ持ち込むと、レイヤー/タグ/Input Action/URP設定のズレで壊れがち。
チェック順序のテンプレを置いておきます。

  • Project Settings → Tags and Layers(書籍サンプルのLayer名を移植)
  • Input System:Action Assetを“Add to”で既存に統合、もしくはPlayerInputを複数持たない
  • URP:Renderer/Feature(Bloom, SSAO)が足りず真っ暗→Renderer割当を確認
  • Physics:Layer Collision Matrixで衝突しない層をONに戻す
  • AddressablesやResourcesのパスが変わっていないか(特にビルド後)

最後に、サンプルの“命名規約”は写経しない。
Player(New)(2)みたいな名前のまま増やすと未来で泣きます。
せめてPlayer, Player_GroundCheck, Player_FSMの3点くらいは整える。
未来の自分が助かるやつ。

まとめ:本は“保険”。短距離は動画、長距離は書籍、仕上げに自分の1行

Unityの書籍は、あなたの“作りたい”を早く現実にするための保険です。
ハンズオンで1本、辞書で詰まりを解消、設計本で後戻りを減らす。
この三段攻めが、たぶん最短。
買う前の30分チェック→買った当日の90分体験走行、ここまでやれば“外し”は激減します。

わたしの失敗は、最初から“正しい設計”を求めて、手が止まったこと。
いまは小さな遊びを素早く作って、C#を1行足して、楽しくなったら深掘り。
そんな順序が一番続きました。
この記事が、次の1冊を選ぶ背中押しになればうれしいです。

もしUnityを動画+ソースで体系的に学びたいなら、わたしは講座系も併用しました。
タイムパフォーマンスを優先したい日に便利です。
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