初めての人にも分かるように整理する
Databricksの全体像
Databricks World Tourに参加したのをきっかけに、
Databricks公式ドキュメントを改めて整理しました。
Databricksは機能も用語も多く、
特にこれから触る人にとっては、
- 何ができるのか
- どこから理解すればいいのか
- 他のデータ基盤とどう違うのか
が分かりづらいと感じることがあります。
本記事では、Databricksをこれから理解したい人向けに、
公式情報をベースにしつつ、噛み砕いて全体像を整理します。
※ 内容自体は公式に基づいていますが、
説明順や切り口は筆者によるものです。
1. Databricksとは何者か(まずは一言で)
公式では、Databricksを次のように定義しています。
Databricks は、エンタープライズ向けの
データ分析や AI ソリューションを
構築・デプロイ・運用するための
統合された分析プラットフォームです。
この説明だけだと少し抽象的ですが、
初心者向けに噛み砕くと次のように整理できます。
Databricksは「データを集めて、加工して、分析やAIに使い、
そのまま運用までできる場所」をまとめて提供するサービスです。
2. Databricksが前提にしている考え方
2.1 クラウドストレージ中心の設計
Databricksは、クラウドオブジェクトストレージ(S3など)を
すべてのデータの置き場所として前提にしています。
役割分担はシンプルです。
- データはストレージに置く
- Databricksはその上で処理・分析・AIを行う
2.2 データレイクハウスという考え方
公式では、この構成を データレイクハウス と呼びます。
初心者向けに説明すると、
- データレイク
- 何でも置けるが管理が大変
- データウェアハウス
- 管理しやすいが柔軟性が低い
この 「いいとこ取り」を目指した考え方です。
Databricksは、この考え方を
全体像を説明するための軸として使っています。
3. Databricksでできること(役割ごとに見る)
機能を一つずつ追うより、
「何をするためのものか」で分けた方が理解しやすいです。
3.1 データを用意する(データエンジニアリング)
- SQL / Python / Scala でETL処理を書く
- Apache Sparkを使った大規模処理
- Auto Loaderによるデータ取り込み
- 定期実行やジョブ管理
3.2 データを使う(分析・AI)
- SQLでの分析(SQLウェアハウス)
- ノートブックでの分析(SQL / Python など)
- 可視化・ダッシュボード
- 機械学習・生成AI(MLflow、LLM連携)
3.3 データを守る・共有する(ガバナンス)
- Unity Catalogによる権限管理
- データやテーブルの可視化
- 監査ログ
- Delta Sharingによる安全な共有
「ただ使うだけ」ではなく、
誰が何を見ていいかを管理できる点が特徴です。
4. Databricksがオープンソースを使っている理由
Databricksは、次のようなオープンソース技術を基盤にしています。
- Apache Spark
- Delta Lake
- MLflow
ただし、そのまま使うのではなく、
- インフラ管理
- スケーリング
- セキュリティ
- 運用
まで含めて、マネージドサービスとして提供しています。
初心者にとっては、
「自分で全部作らなくていい」のが大きなポイントです。
5. World Tourをきっかけに整理してみて(所感)
※ ここから先は個人の所感です。
World Tourに参加し、公式情報を整理し直したことで、
Databricksは
- ツールの集合体ではなく
- データ活用のスタートから運用までを覆う「土台」
として考えると理解しやすいと感じました。
初心者ほど、
- 細かい機能
- 個別プロダクト名
よりも、全体像と役割分担を
先に押さえる方が迷いにくいと思います。
6. まとめ(初学者向けに)
- Databricksはデータ活用をまとめて扱うプラットフォーム
- クラウドストレージ+データレイクハウスが前提
- ETL、分析、AI、ガバナンスまでを一つの場所で扱える
- 最初は「何ができるか」より「どこを担当するか」を見るのがおすすめ
これからDatabricksを触る人の
全体像把握の最初の一歩になれば幸いです。