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育児はめちゃくちゃしんどい!
仕事は「目的」ではなく「手段」である:- 「私たちの人生は、企業に捧げるためにあるのではない。大切な人と過ごす時間を確保するための手段として、仕事はある」ということ。
- 「60歳で退職金をもらって妻と旅行へ、と思ったら離婚を告げられた」という未来を避けるためにも、家族を第一に考えてもいいのでは?
- 自分が不在でもプロジェクトが問題なく進む状況が可視化されるのは、自身の存在価値が問われるようで正直不安だった。
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落合博満監督の言葉を借りて:
- 「打席で不安なのは、技術が足りていないからだ」
- 育休取得に不安を感じるのは、自身のスキルや、周囲の協力体制という「技術」が不足しているからかもしれない。
序章:はじめに - なぜ、今僕がこの話をするのか
- 自己紹介: 20代後半、男性システムエンジニア、プロジェクトのサブリーダー。
- 状況説明: 先日、第一子が誕生し、1ヶ月間の育児休業を取得。
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記事の目的:
- 男性の育休取得がまだ少数派であるIT業界で、リアルな体験を共有したい。
- 自身の経験が、未来の「パパエンジニア」や、その同僚・上司の方々が「働き方」と「生き方」を考える一つのきっかけになってほしい。
第1章:育休取得前のリアル - 理想と現実のギャップ
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周囲の反応という壁:
- 上司や同僚からの理解は得られたものの、一部のステークホルダーからは快いとは言えない反応も経験。立場の弱い者が感じるリアルなプレッシャー。
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制度という名の迷宮:
- 育休制度は存在するものの、ルールの曖昧さや周知されていない制度により、書類の再提出が多発。給与への影響など、人事部と何度も確認が必要だった手続きの煩雑さ。
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「俺がいなくても回る」ことへの不安:
- 属人化を避ける努力は常にしてきた。しかし、自分が不在でもプロジェクトが問題なく進む状況が可視化されるのは、自身の存在価値が問われるようで正直不安だった。
- (コラム:だからこそ、休みの間も最低限のコミュニケーションを取り、自分の必要性を意識的にアピールしていた)
第2章:育児という名の「常時稼働・監視必須の本番環境」
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育児の現実をエンジニアの言葉で例えるなら:
- それはまさに 「24時間365日稼働し、決して落とせない本番環境」 そのもの。
- クリティカルなアラート: ミルクの吐き戻しや、突然の発熱。
- 原因不明のパフォーマンス劣化: 呼吸が荒い、泣き止まないといった、ログからは読み取れない異常。
- 終わらない障害対応: 「おむつを替えて、ミルクを飲ませて、寝かしつけようとしたら泣き始め、再びおむつを確認し、またミルクを…」このループだけで1時間45分。これが日に何度も発生する。
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気を張り続けることの疲弊:
- 寝る時間や自分の時間が少ないこと以上に、いつ起こるか分からないインシデントに備え、常に気を張り続ける精神的な負荷が想像以上に大きかった。
- (告白:夫婦で手分けをしても、慣れない自分の方が妻より先に疲弊し、多くの休憩をもらったことも一度や二度ではなかった)
第3章:育休を経て、僕の「価値観」はアップデートされた
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仕事は「目的」ではなく「手段」である:
- 「私たちの人生は、企業に捧げるためにあるのではない。大切な人と過ごす時間を確保するための手段として、仕事はある」ということ。
- 「60歳で退職金をもらって妻と旅行へ、と思ったら離婚を告げられた」という未来を避けるために、今、家族を第一に考えるべきでは?
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「家族ファースト」を実現するための生存戦略:
- 「そんなことを言ったら仕事がなくなる」という反論への答え。
- 「だからこそ、自分の市場価値を高めるしかない」
- 日頃から人の助けとなる働き方をし、周囲の信頼を得る。コードや設計、インフラ、新人教育、見積もりまで、自分の守備範囲を広げ続ける。
- 周囲の協力があって初めて育休は取れる。その協力に値する人材に、自分がなる。
終章:未来のパパエンジニアと、その仲間たちへ
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この記事が、自分の人生や後輩の人生を良くする「きっかけ」になることを願って:
- 育休はあくまで選択肢の一つ。大切なのは、仕事だけのキャリアプランで良いのかと一度立ち止まり、自身の人生設計を改めて見つめ直すこと。
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最後に、落合博満監督の言葉を借りて:
- 「打席で不安なのは、技術が足りていないからだ」
- 育休取得に不安を感じるのは、自身のスキルや、周囲の協力体制という「技術」が不足しているからかもしれない。
- 日々の業務で価値を高め、万全の引き継ぎという「技術」を磨けば、不安は「仕方ない」と割り切れる。育休は、キャリアの断絶ではなく、あなたの人生を豊かにする貴重な経験になるはずだ。


