30秒で分かる要約!
・Google検索 を利用しての回答ができる。(通常はできないGemini2.5Proでも)
・Pythonを仮想環境で実行してくれる。
・Gemini外のAPIを実行して連携してくれる。
・回答の調整機能(慎重~大胆)がある。
・APIキーを簡単に取得でき、自分のシステムにAIを組み込める。
APIキーの取得は過去記事を参考に
[Windows11 PowerShell のみで GeminiをAPI実行]
https://qiita.com/futayubi5656/items/faf419ad0331c39639fc
ただし、
学習に利用される可能性があります。
個人情報や会社の機密情報を直接入力することは避けるべき です。
はじめに
「AIで何か作ってみたいけど、何から始めればいいかわからない…」「チャットAIは使うけど、もっと色々なことを試してみたい!」
そんなふうに感じているあなたにこそ、ぜひ知ってほしいのが「Google AI Studio」です。
Google AI Studioは、Googleの最新AIモデル「Gemini」の力を最大限に引き出すための、いわば「AIの実験室」です。普段使っているWebサイト版のGeminiとは一線を画す、多彩で強力な機能が満載。しかも、その多くを無料で試すことができます。
この記事では、Google AI Studioが初めての方でも安心して使えるように、通常版Geminiとの違いから、気になる料金、そして「こんなことまでできるの!?」と驚くような機能まで、画像付きで徹底的に解説します。
記事の情報について
- この記事は2025年7月時点の情報に基づいています。サービス内容は変更される可能性があります。
- APIを利用した本格的な開発を行う際は、公式サイトのドキュメントも併せてご確認ください。
🎯 この記事でわかること
- Google AI Studioがどんなツールなのか
- いつも使っているGemini(gemini.google.com)との決定的な違い
- 動画や音声ファイルを使った高度なAI活用法
- AIの回答をより正確にする「Grounding」機能の使い方
- 料金はかかるのか、入力したデータは学習に使われるのかといった疑問
Google AI Studio vs 通常版Gemini 決定的な違いは?
一言で言えば、通常のGeminiが「完成されたAIチャットサービス」であるのに対し、Google AI Studioは「AIをカスタマイズし、アプリを開発するためのプロトタイピングツール」です。
その違いを以下の表にまとめました。
項目 | 通常版Gemini (gemini.google.com) | Google AI Studio |
---|---|---|
主な目的 | チャット、日常的な情報収集、文章作成 | AIアプリ開発、機能のプロトタイピング、モデルの性能評価 |
APIキー | 発行不可 | 無料で即時発行可能 |
利用モデル | Gemini Proなど | Gemini 2.5 Pro, Flash, Imagenなど最新・多様なモデルを選択可能 |
入力できるデータ | テキスト、画像 | テキスト、画像に加え、動画、音声ファイル、PDF、URLコンテキストも扱える |
カスタマイズ性 | 限定的 | 出力のランダム性や安全性などを細かくパラメータ調整できる |
料金 | 基本無料(上位モデルは有料プラン) | プロトタイピングは無料、API利用は従量課金 |
手軽にAIと対話したいなら通常版Gemini、AIの能力を深く探求し、自分のアイデアを形にしたいならGoogle AI Studioが最適です。
ココがすごい!Google AI Studioの主要機能
Google AI Studioには、あなたの創造性を刺激する機能がたくさん詰まっています。
1. 動画や音声も扱える!高度なマルチモーダル入力
通常版Geminiではテキストと画像しか扱えませんが、AI Studioでは動画や音声ファイル、PDFなどを直接アップロードしてAIに分析させることができます。
こんな使い方が可能!
- 会議の音声ファイルを文字起こし&要約: MP3などの音声ファイルをアップロードし、「この会議を文字起こしして、決定事項を箇条書きでまとめて」と指示するだけで議事録が完成します。
- YouTube動画の内容を質問: 動画のURLを貼り付けるだけで、AIが内容を理解。「この動画で紹介されている製品のメリットを3つ教えて」といった質問に答えてくれます。
- PDF資料の読解: 長い論文や報告書のPDFをアップロードし、要点だけを抽出させることができます。
2. AIの回答を意のままに操る「Run settings」
画面の右側には「Run settings」というパネルがあり、ここでAIの挙動を細かくコントロールできます。
Tools(ツール)
- Grounding with Google Search: この機能をオンにすると、AIが回答を生成する際にGoogle検索の最新情報を参照します。 これにより、AIが不正確な情報を生成する「ハルシネーション」を減らし、より信頼性の高い、鮮度の高い回答を得られます。 回答には参照したウェブサイトのリンクが表示されるため、事実確認も簡単です。
- Code execution: プロンプト内でPythonコードを実行し、計算やデータ分析を行わせることができます。
- Function calling: 外部のAPIやプログラムを呼び出す機能で、より複雑なアプリケーション連携が可能になります。
Advanced settings(詳細設定)
- Temperature: 出力の「創造性」を調整するパラメータです。 値を高くすると(例: 1.0)、より多様でクリエイティブな文章になり、低くすると(例: 0.2)、より決定的で事実に基づいた堅実な文章になります。
- Output length: 生成される文章の最大長をトークン数で指定できます。
- Top P: Temperatureと似ていますが、AIが次の単語を選ぶ際の選択肢の幅を調整します。より精緻なコントロールが可能です。
3. すぐに開発を始められる!APIキーとコード生成
AI Studioの最大の魅力の一つが、開発へのスムーズな移行です。
- APIキーの無料発行: 画面の「Get API key」ボタンから、自分のアプリケーションにGeminiを組み込むためのAPIキーを簡単に、しかも無料で取得できます。
- コードのエクスポート: AI Studio上で行ったプロンプトやモデル設定を、PythonやJavaScriptなどのコードとしてワンクリックで生成できます。 これにより、実験した内容をすぐに自分の開発環境にコピー&ペーストして、アプリ開発を始めることができます。
気になる疑問 Q&A
Q. 料金は本当にかからないの?
A. Google AI Studioのプラットフォーム上での実験やプロトタイピングは、完全に無料です。
一般向けには有料プランが必要な高性能モデル「Gemini 2.5 Pro」も、一定の制限内(ただし非常に寛大)で無料で試すことができます。
料金が発生するのは、発行したAPIキーを自分のアプリケーションやサービスに組み込んで、本格的に利用する場合です。その場合も、使用量に応じた従量課金制となっており、無料利用枠も用意されています。
Q. 入力したデータはAIの学習に使われる?
A. 注意が必要です。Google AI Studioの利用規約では、入力したデータがサービス向上のために利用される可能性があるとされています。
これは無料サービスであるためで、個人情報や会社の機密情報を直接入力することは避けるべきです。
もしデータを学習させたくない(オプトアウトしたい)場合は、APIキーを有料プランで利用するか、より高度な開発者向けプラットフォームである「Vertex AI」を利用する必要があります。
まとめ
Google AI Studioは、単なるAIチャットツールではなく、AIの持つ無限の可能性を探求し、誰もがAI開発の第一歩を踏み出せるように設計された、まさに 未来の「実験室」 です。
- 通常版にはない、動画や音声の分析機能
- AIの回答を最新情報に裏付ける「Grounding」機能
- 出力のクセを細かく調整できるパラメータ
- そして、これら機能の多くが無料で試せる手軽さ
プロのエンジニアでなくても、直感的な操作で高度なAI機能を体験できます。 ぜひこの記事をきっかけにGoogle AI Studioに触れて、あなたのアイデアをAIの力で形にしてみてください!